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最近、山陰のテレビ局幹部による寄付金の横領、コロナ関係の補助金・委託料の不正受給、関西の歌劇団のパワハラなど、不祥事の報道が結構目立っています。あくまで報道からのみの感想ですが、私には違和感があります。(多くの自治体職員も同じだと思います。)
例えば、寄付金の横領については、「今回の事案を受けて、当委員会を構成する民間放送31社では、皆様からお預かりする寄付金について、さらなる厳重な管理を行い、徹底して再発防止に努めて参ります」とのコメントが発表されています。
もちろん「さらなる厳重管理」や「再発防止」は重要ですが、寄付金の横領は10年間に渡って続けられていた(=10年間発見できなかった)のですから、山陰のテレビ局だけの問題ではない可能性、すなわち、他のテレビ局でも発生している可能性もゼロではありません。他の30社でも横領等がなかったのかの事実確認を実施することも再発防止策と同等以上に重要でしょう。
不正受給も大手企業であれば他の支店などで、パワハラも特定の組だけでなく、他の組でも行われていた可能性を否定できないのですから、まず、当該支店や特定の組だけでなく、組織全体の事実確認を同時進行で行うべきだと思います。
指定管理は自治体がパートナーですから、原則として、上記プロセス(組織全体の事実確認)を省略することはできません。万一、横領などの不祥事が発生してしまったら、仲間を疑うのは心理的には耐えがたいでしょうが、それでも、公の施設を管理運営する責任として(当該不祥事等の全容解明に加え)同じ施設の他部門や管理運営している他施設でも同様の不祥事等がないかどうかの確認も行い、その上で、再発防止策を検討、関係するすべての自治体に報告、迅速に実施するという手順が必要です。
不祥事等は「発生しないこと」が一番ですが、職員の行動を24時間365日監視できない以上、発生リスクを「ゼロ」にすることは困難です。万一の際に、適正に対応することができれば、自治体や住民の信頼を保持することは不可能ではありません。発生してしまうと、冷静に行動できない可能性もありますので、特に、幹部の方は、万一、不祥事等が発生した際の対応を事前に明確化しておくことも大切だと思います。
なお、今年度(令和5年度)に職員による横領が発覚した全国規模の指定管理者が、公表されている議事録に記載されている範囲では、審査の際に質問、議論、確認等もなく(当該施設以外の)3箇所で指定管理者に選定されています。万一、この指定管理者が選定された施設で同様の不祥事を起こせば、自治体や審査委員の責任問題にも発展しかねません。特に、外部審査委員の方は、事業計画書提出者の国内での不祥事等の有無について、審査委員会の前に自治体担当者に確認を要請することが安全策だと思います。(2023.12.3)
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