指定管理者になると、自治体のさまざまなルール・業務・慣習に巻き込まれます。多くの場合、自治体職員はみなさんに自治体のルールや業務の意味・目的・考え方などを丁寧には教えてくれません。このため、十分な意思の疎通がとれず、お互いに不信感を持っているというケースが少なからずあります。 

 このコーナーでは、自治体職員の発想や自治体特有の制度・ルールをできる限りわかりやすく説明します。自治体側の制度やルールを理解し、できる限り自治体職員の事情を考慮して管理運営を行うことが信頼につながり、最大の次期公募対策になります。ぜひ一読してください。

【このコーナーの内容】

 ・自治体との関係                                       ・重要年度を知る
  ・事業計画書の変更                                       ・事業計画書内容の変更の交渉 
 ・自治体からの要求(その1)        ・自治体からの要求(その2)
 ・自治体との交渉              ・自治体からの厳しい要請への対応
 ・修繕1(自治体にも事情がある)
 ・修繕2(「流用」を依頼する。)
 ・修繕3(単純な報告は心証を害する)
 ・修繕4(修繕予算の確保)
 ・修繕5(指定管理者による修繕)
 ・地方議会の仕組み              ・委員会対策の実施
 ・施設の設置目的とイベント       ・利用者数・稼働率などの基準年度
 ・施設の目的外使用1(制度の概要)
 ・施設の目的外使用2(レストラン・喫茶店等へのクレーム)
 ・施設の目的外使用3(自主事業)
 ・施設の目的外使用4(壁面広告)
 ・施設の目的外使用5(他社・団体によるイベント開催)
 ・施設の目的外使用6(光熱水費の負担)
 ・自主事業で出た利益
 ・モニタリング1(次期公募対策)       ・モニタリング2(書面によるモニタリング)
 ・モニタリング以外の監査(検査)
 ・恐ろしい包括外部監査                       ・包括外部監査対策
 ・収支報告書の作成                               ・年度報告書の作成
 ・印紙税                                             ・消費税増税
 ・補助金・助成金の活用(その1)    ・補助金・助成金の活用(その2)
 ・条例・規則の再確認(その1)         ・条例・規則の再確認(その2)
 ・分母対策               ・マスコミへの資料提供
 ・ブログやツイッターによる個人情報流出
 ・はじめて指定管理者に選定されたみなさんへ(綱紀粛正の再確認)
 ・はじめて指定管理者に選定されたみなさんへ(指定管理期間前の準備行為)
 ・はじめて指定管理者に選定されたみなさんへ(基本協定書の締結)
 ・はじめて指定管理者に選定されたみなさんへ(年度協定書の締結)
 ・はじめて指定管理者に選定されたみなさんへ(貸出施設の政治利用 その1)
 ・はじめて指定管理者に選定されたみなさんへ(貸出施設の政治利用 その2)
 ・大差での勝利
 ・指定管理業務の引き継ぎ            ・23年度の年度協定書
 ・施設総合賠償保険             ・マニュアルの改訂
 ・様式の改善
 ・輪番制のよる節電(その1)      ・輪番制による節電(その2)
   ・24年度の公募結果
   ・事業計画書の内容の理解              ・トンネル事故  
 ・指定管理施設で働く職員の他業務への従事 
   ・想定外の利用者増加              ・施設総合賠償保険の確認
   ・1円単位の消費税の取リ扱い            ・消費税増税の影響
   ・職員研修                                             ・外部委託業者の変更
   ・公募についての自治体への要望                 ・100周年記念Suica
   ・「議員に言う」と言われたら       ・後継者の育成
   
・新規事業者を集める重要性                        ・不祥事への対応
   ・高齢者の利用促進                   ・想定外の利益と指定管理賞削減要請
   ・額面どおりでない自治体のコメント           ・ボランティアと平等利用
   ・ボランティア登録制度と個人情報          ・利用者のルール違反の是正
   ・指定管理料の増額交渉                     ・指定管理料の増額交渉(その2)
   ・相撲協会の対応                       ・モニタリング結果の活用

   ・消費税増税対策                ・競合先が出現する前兆
   ・避難所になった場合の役割分担         ・敗戦処理業務
   ・グループ補助金                                      ・記録媒体の廃棄  
   ・新型コロナウイルス感染症              ・令和2年度の年度事業計画書
   ・教室・イベント等を再開する際の考え方
   ・施設休業中の取り組み                 ・ワクチン接種に活用される可能性がある施設
   ・行政では使うことができない表現の再確認
   ・不祥事判明後の対応               ・重要な令和3年12月
   ・募集要項・仕様書の誤り        
・知床観光船の事故 
   ・不祥事等発生時の留意事項           ・厳しくなる外郭団体の公募
 ・人材確保の重要性

 

  指定管理者に関する書籍を読んでいると「自治体と指定管理者は対等」という記述を見ることがあります。これは本当なのでしょうか。

  法的な解釈は別にして、自治体と指定管理者が対等であるというのは、実務上はあり得ません。「入札」では、ダンピングでない限り、自治体は一番低い価格を提示した企業・団体と契約するしかありません。また、「管理委託」は、これまで自治体の外郭団体としか契約を締結できませんでした。けれども、指定管理者制度は「総合プロポーザル方式」という名前のもと、自治体は気に入らない企業・団体に対しては契約しないという裁量をある程度持つようになりました。つまり、以前よりも自治体の裁量範囲が拡大し、立場が強くなっているのです。
 

  残念ですが、指定管理者のみなさんは、この現実を受け止めなければなりません。特に外郭団体の方は、管理委託の時代と同様の感覚で自治体と接していると場合によってはひどい目にあいます。

 自治体職員も人間です。自治体の付き合いがうまい企業・団体は次回もなんとかして指定管理者に選定しようと思いますし、逆に、自治体から見て扱いにくい企業・団体については、次回は落としてしまおうと考えます。管理運営の本質とは全く関係ありませんが、自治体職員と良好な関係を築くことも、重要な次期公募対策と思います。

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  指定管理の期間は、通常、3年〜5年程度ですが、指定管理期間で特に重要な年度があります。それは、指定管理期間3年であれば2年目、5年であれば4年目、つまり、指定管理期間の最終年度からひとつ前の年度です。(全国共通ではないかもしれませんが、役所用語で「ファイナルセカンドイヤー」と呼ばれています。)  

   指定管理者の選定作業において、まず、現在の指定管理者の評価が行われることを「指定管理者の選定作業」の項目でご説明しましたが、指定管理最終年度のデータはないため、この評価のもととなる数字は最終年度を除いた数字となります。このなかでも、直近の数字が最も重視されるため、「ファイナルセカンドイヤー」が一番重要な年度なのです。
 
  みなさんは、毎年、ほぼ均等に自主事業やイベントを行なっていると思いますが、次期公募対策に限るとこれは非効率なやり方です。「ファイナルセカンドイヤー」の利用者数や入場者数が最大になるよう、この年度に自主事業やイベントを重点配分すべきです。

  また、誤解を恐れずに言うと、最終年度、特に最終年度後半の数字は指定管理者選定にほとんど関係ありませんから、交代で長期休暇を取ってもらうなど、いつも一生懸命施設で働いている職員に報いる期間にしてもよいのかなあと思います。

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  事業計画書に記載した内容は、管理運営についての自治体との契約ですから、簡単に反故にすることはできませんが、世の中の情勢や管理運営のさまざまな事情により、実施することが困難になったり、実施しても効果が期待できなくなったりすることもあります。このような場合に変更することは可能なのでしょうか。

 ■基本的に変更することができない部分

 事業計画書の中で基本的に変更できない部分が大きく分けて2つあります。ひとつは、
「安全・安心の確保」に関する措置です。言うまでもないことですが、「安全・安心の確
保」は施設運営の基本であり、事業計画書に記載した事項を実施することは、指定管理
者の最低限の責任です。これを守らないと仮に事故が発生しなくても、指定管理者の評
価は大きく下がると考えてください。

  もうひとつは、施設の数値目標、特に利用者数です。利用者数は指定管理者が「良好な管理運営」を行っているどうかのバロメーターです。事業計画書で自らが掲げた数値目標を下方修正することは、自ら掲げた管理水準を守らないと宣言するのと同じ意味であり、自治体から見るとあり得ないことです。

■変更が可能な部分

 一方、事業計画書に記載したイベントや自主事業等は、数値目標を達成するための手段です。したがって、極端な言い方をすれば、数値目標を達成していれば、イベントや自主事業等を実施しなくても、指定管理者としての評価が大きく下がるわけではありません。(ただし、数値目標を達成していない場合は、大きく評価が下がります。) 

   ただ、事業計画書に記載した事項を単に中止するだけでは、手抜きをしていると判断されることもあり、次回指定管理者公募のマイナスポイントとなる可能性もありますので、中止する場合は「代替措置として新たに○○を実施します。」と説明できるようしてください。新たに実施する事項の費用が中止する事項の費用より少なくても問題ありません。資金投入額ではなく「代替措置を講じた」という事実が重要なのです。

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  特に、民間企業の方には理解できないと思うのですが、指定管理者になると、事業計画書に記載されていないにもかかわらず、自治体から「○○をやってくれ」という要求されることが多々あります。事業計画書に記載したことは自治体との約束事項ですから、当然実施しなければなりませんが、逆に言うと、約束もしていないことについては、自治体の言いなりになる必要はありません。とはいえ、何もかも「できない。」と突っぱねることは著しく自治体職員の心証を害し、次期公募で不利になりかねません。どのように対応するべきなのでしょうか。

   自治体職員が事業計画書に記載していないことを要求する場合に思いつきなどということはほとんどなく、住民からのクレームまたは上司からの指示のいずれかがきっかけとなっています。そして、その住民からのクレームや上司の指示には当然何らかの要因があり、その要因を解消してほしいという意図のもと指示が出ています。

  問題は、自治体職員が「要因を解消してほしい」と指示してくれればよいのですが、現場のことがよくわからない自治体職員が解決策を考え、その解決策を実行するように指定管理者に要求することが少なくありません。

   例えば、ある施設の管理事務所で、「施設受付カウンターを設置して、受付を配置してください。」という要求が自治体からありました。(カウンター設置費も受付の人件費も指定管理者負担です)。この管理事務所は、職員常駐場所が施設の一番奥にあり、入口部分には誰も職員がいないため、利用者が非常に入りにくい雰囲気があります。

  これが要因で自治体職員が受付カウンター設置や人の配置を要求した可能性が高いと考えられたので、指定管理者に対し、「受付カウンターの設置や人の配置はコストが○○万円も必要で、現在の指定管理料では対応することは困難です。ただ、利用者が非常に入りにくい雰囲気があることは事実なので、入口に『お気軽にお入りください。』という張り紙を入口の目立つ場所に掲示するほか、職員駐在場所に直接つながる電話の子機を入り口付近に設置します。」と回答するようアドバイスしました。

   結果的には、この提案が認められ、カウンター設置費や人件費を負担せずに済みました。

   自治体からの要求に対する対応のコツは、この例のように代替案を示すことです。自治体職員はしばしばコストを考慮しない要求を行います。これをまともに考えていてはほとんど自治体の要求に応えることはできず、結果的に自治体の評価を落とします。コストをあまりかけずに自治体が持つ問題意識を解決する方法を提案する努力を行ってください。 

   なお、代替案の提案に当たっては、自治体の意図を探ることが必要です。今回紹介した例は、「受付ブースがないので、利用者が施設に入りにくい。」ということでしたが、「受付ブースがないので不審者が勝手に入ってくる」という意図であれば、自治体へ提示する代替案は当然異なります。これは、自治体職員に聞くとほとんどの場合、教えてくれますので、要求があった場合に必ず確認してください。

 

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 前回、「自治体からの要求に対する対応のコツは、代替案を示すことです。」とご説明しましたが、実は、代替案が示せない要求に出くわすことや代替案を自治体が認めないケースもけっこうあります。特に、自治体が予算を計上していないのに緊急に実施せざるを得なくなった施策、例えば、「会館の貸出用会議室を緊急経済対策の中小企業受付窓口として利用料金はもちろん光熱費や机等の施設利用料もゼロで1カ月利用させてほしい。」というような要求は、代替案がそもそも考えにくいですし、緊急性がありますから、代替案を検討する時間もなく返事を求められます。

  結論から言うと、残念ですが、特に、緊急性がある要求は、公の施設の管理者として、よほどひどい(損害が大きい)要求でない限りは、受け入れざるを得ないというのが現実です。とはいえ、無条件で受け入れる必要はありません。

   このような要求に出くわしたら、他の分野でのバーター取引を認めてもらいましょう。一番可能性の高いのは、事業計画書に記載している内容で、どうしても実施できない、あるいは実施してもあまり効果が見込めない提案等がある場合には、これらを実施しないこと認めてもらうことを交換条件することです。

   緊急性があるということは、自治体職員もあせっているので、言い方さえ間違えなければ、多くの場合、条件を受け入れてくれるはずです。(ただし、年間利用目標数などの数値目標を下げてくれというのは困難です。あくまで、イベントや自主事業の一部中止で交換条件を提示してください。)

   統計的なデータがあるわけではないのですが、経験値で言うと、指定管理の期間に1回くらいは、無理な要求を自治体から受ける可能性が高いと考えたほうがよさそうです。ということは、大胆に言うと、公募の際、ひとつくらいは実行できない可能性があるイベントを事業計画書で提案しても、自治体からの無理な要求があった時にバーター取引でチャラにできるのですから、なんとかなるという考え方もできるのかもしれません。

 

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  指定管理者制度においてみなさんが一番納得できないのが「修繕」だと思います。5回に分けて、「修繕」にまつわる問題をとりあげていきたいと思います。

  「修繕」を指定管理者が実施するか自治体が実施するかは募集要項において「○○万円未満が指定管理者、○○万円以上は自治体」のように金額で役割分担が定まっているケースが多いと思います。ただし、この修繕についての役割分担が募集要項どおりの行われない、すなわち、自治体が実施すべき修繕を行ってくれないということを経験した方も多いのではないでしょうか。

 なぜ、自治体が修繕してくれないのでしょうか。理由は自治体の予算の仕組みにあります。土木部は例外も多いのですが、他の部局の公の施設の担当課は、一般に、使途が定まっていない、すなわち、施設や設備が壊れていないのに計上されている修繕費(役所用語で「枠予算」などと呼びます。)予算はありません。

  したがって、自治体が修繕を行うべき案件が発生しても、予算が計上されていないため対応できないのです。
 
  実は、自治体で予算を計上することは、金額の大小に関わらず、みなさんが考えるよりはるかに大変で、ものすごい時間と労力が必要です。まず、修繕の必要性、修繕方法、金額の妥当性、他の自治体の事例など膨大な資料を作成しなければなりません。作成した資料は、担当課長、担当局長(部長)、財政課担当者、財政課長、総務部長、副市長(副知事)、市長(知事)というように多くのチェックがあり、チェック段階で最初からやり直しということも珍しくありません(裁判の差し戻し判決と同じです。)。

  また、予算計上には議会の議決が必要ですが、地方議会は年間4回(おおむね2月、6月、9月、11月)しか開催されないため、すぐに議決が得られるわけではありません。このように、修繕が必要な事態が発生しても、予算計上までに莫大な時間が必要です。(予算を計上した後も、入札など予算執行に必要な事務手続きに時間がかかります。)

   したがって、自治体が施設・設備を修繕するのには、原則として4か月から1年の時間が必要と考えてください。みなさんから見れば、何でそんなに時間が必要なのかと思うでしょうが、自治体担当者ではどうにもならない制度の壁があるのです。ただ、指定管理者側からみると、これは大変困ったことです。このような事態になるべく遭遇しない、あるいは遭遇した場合にどのような選択肢があるのかを次回以降ご紹介します。

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 修繕予算を計上して修繕を実行するまでには、原則として4か月から1年かかることをご説明しました。ただし「原則として」と書いているように、例外もあります。「流用」という制度で、読んで字のごとく、他の費目で計上されている予算を修繕費に転用して使うことです。ただし、いつでもできる制度ではありません。流用する他の予算計上額が必要ですし、なによりも流用する大義名分(=緊急性)がなければなりません。

 自治体担当者に「すぐには対応できない。」と言われても、特に、修繕を行わないと利用者の安全性に及ぼすと考えられる場合などは「流用」という制度があるのですから、簡単にあきらめてはいけません。なんとか自治体に修繕予算を確保してもらう努力をしましょう。

 ただし、口頭で伝えるだけでは不十分です。自治体担当者に必要性を理解してもらうためにも、資料を作成してください。

 おおむね必要な資料は以下のとおりです。

 ■修繕が必要な箇所(図面を含む)

 ■壊れた原因(経年劣化、利用者の過失など)

 ■修繕方法、金額、修繕に要する期間

 できれば複数の修繕方法を選択肢として用意すること。
 
FAXでよいので
見積書があればベスト

 ■応急措置として行った事項

 ■管理運営に及ぼす影響

 ■修繕中に閉鎖が必要な施設、キャンセルすべき予約など

 自治体の責任範囲の修繕なのに、なんで、こんな資料を作成しなければならないのかと考える方もいらっしゃるでしょう。ただ、修繕の責任範囲はあくまで費用負担の問題であり、修繕の必要性の説明責任は、一義的には、管理運営者(=指定管理者)にあるというのが自治体職員の考え方です。
 
   これが正しいかどうかは微妙ですが、少なくとも、施設について一番詳しいはずの指定管理者が修繕の必要性の説明責任を負うということはある意味、理にかなっていると私は思います。

                                     
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 ある指定管理者向けのサイトに、「しつこいくらい修繕を自治体に要求すべき」という趣旨の記載がありました。全く的外れというわけではないのですが、正直言ってどうかと思います。

    私にも経験があるのですが、指定管理者から「○○が壊れました。修理してください。」と電話1本で簡単に依頼されることがあります。これは、自治体担当者の立場からすると、とても無責任な対応で、率直に言うと、「私(指定管理者)はちゃんと報告しました。もし事故が起これば自治体の責任です。」という責任逃れにしか聞こえません。

   みなさんは、施設の管理運営のノウハウがあるということで、指定管理者に選定されたのです。施設や設備などが壊れたら、自治体にまず電話で「○○が壊れました。利用者の安全性を確保するために応急措置として○○を実施しました。明日までに修繕方法や費用などをまとめますので、協議にお伺いしてよろしいでしょうか。」というように報告し、早急に資料を書面でまとめて自治体と協議するのが指定管理者の当然の責務だと自治体職員は考えています。

   現実問題として、このような対応ができている指定管理者は本当に少ないので、実行すれば、自治体からの信頼が飛躍的に上昇しますし、ここまでしてくれたら、なんとかして予算を確保しようと自治体職員も努力してくれます。

   大切なことは、同じことを何回も繰り返して要求するのではなく、指定管理者としての説明責任を果たすことです。きちんと説明できるだけの資料をそろえれば、自治体には1回説明するだけで十分です。慎重を期するのであれば、「説明した、説明がなかった」という単純な水かけ論を防ぐために、複数職員で資料を持参し、自治体にも複数職員で話を聞いてもらってください。

   なお、自治体と協議する際に必要な資料については、修繕2(流用を依頼する)を参照してください。

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 みなさんは自治体の当初予算がいつごろから編成されているかご存じですか。通常は前年度の9月、つまり平成23年度(H23.4〜H24.3)当初予算は、半年以上も前の平成22年の9月ごろ(早い自治体は8月)から編成作業が行われます。

  自治体の予算は、担当課が作成した要求項目を財政部局が査定する(=減額する)という作業手順で行われます。つまり、作業が進むにつれて予算の項目や金額が少なくなっていくだけで、緊急性があるからといって、担当課があとから予算要求を増額することは原則としてできません。このため、修繕(更新)にかかる費用を次年度当初予算に計上してもらおうとすれば、遅くとも前年の8月には自治体担当者に「○○の修繕(更新)の費用を予算に計上してほしい。」と伝える必要があります。
 
   「半年以上も先のことがわかるはずがない。」と多くのみなさんは思うでしょうが、これが現在のシステムです。おそらく、7月下旬から8月にかけて自治体から「修繕箇所」の調査があると思います。夏休み期間中の繁忙期に次年度の調査が来るので、ついつい「該当なし」で回答したという経験はありませんか。これは、全く誤った対応です。
 
   誤解を恐れずに言うと、たとえ、現時点で修繕が必要な個所がなくても、無理やりでも修繕箇所をつくって予算要求すべきです。理由は、本当に修繕費が必要なときにすぐ予算確保を行うことが実務的に難しいからです。

  「修繕2」の項目で「流用」という制度をご説明いたしましたが、例えば空調システムの修繕する予定で計上されている修繕費を遊具の修繕に使うことは、「修繕費」という予算科目が同じなので「流用」という制度を使わなくても担当課の判断で行うことが可能です(金額が大きい時など例外もあります。)。 
  
   したがって、担当課に「修繕費」の予算計上がされていれば、名目が何であれ、基本的には担当課のみの判断で迅速に修繕費予算が執行できるのです。おそらく、6月下旬ごろは梅雨シーズンでそんなに忙しくないと施設も多いと思います。この時期に、次年度、修繕が必要な個所を無理やりにでも探して、次年度の修繕に関する資料づくりを始めましょう(作成する資料は「修繕2」を参照してください)。そうして、うまく修繕費が確保できれば、次年度は突然発生した優先度の高い設備等の修繕に振り替えることは比較的簡単に可能です。

   つまり、修繕する設備の名目は何であれ、「修繕費」という予算をできる限り多く確保できるように自治体担当者に協力することが、自治体に迅速に修繕を実施してもらう一番良い方法であり、ひいては利用者サービスにもつながるのです。

                        →[管理運営に必要な知識・テクニック]に戻る  

  自治体が施設を修繕するのに相当な時間や手間が必要なことは、ご説明しました。また、現在、多くの自治体が財政難に苦しんでおり、どうしても壊れている施設・設備の修繕の優先順位が高く、耐用年数が経過していつ壊れてもおかしくないけれどもまだ動いているものの修繕(更新)はどうしても後回しになりがちです。ある指定管理者が「自治体は壊れないと修繕してくれない。」とおっしゃっていましたが、現実としてこれは的を得た表現だと思います。

   自治体の修繕に対する姿勢が非常に消極的な以上、場合によっては、本来自治体が行うべき修繕(更新)についても、資金的な目処がつくのであれば、指定管理者が実施することも検討せざるを得ない情勢となっています。もちろん、本来自治体が実施すべき修繕(更新)をどうして指定管理者が行う必要があるのだとお叱りを受けるかもしれませんが、修繕(更新)を行うことが、次回指定管理者選定で有利に働くのであれば、検討する余地があると思います。

   まず、押さえることは修繕(更新)したものの所有権の帰属先です。修繕については、ほぼ、100%帰属先は自治体でしょう。更新の場合なのですが、これは、所有権が自治体に帰属する場合と指定管理者に帰属する場合の両方があります。どちらに帰属するかは、募集要項や仕様書などで確認してほしいのですが、同じ更新するなら、所有権が指定管理者に帰属するものを更新するほうが有利です。

   それは、現指定管理者の所有物は、指定管理期間終了後に引きあげることができる、つまり、新たな指定管理者が業務を始める場合は同等のものを購入しなければならないからです。とはいえ、パソコンや自動車はどこの会社にでもあり、購入しなくても用意できる可能性があるので、もう少しマニアックな(=専門性がある)設備・備品が対象としてはよいと思います。

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   地方議会に関心があっても、どのように運営されているかを知っている方は少ないと思います。実は、議会は自治体職員にとって最大の関心事のひとつで、みなさんが考えているよりはるかに重要なものです。今回は、指定管理者のみなさんが議会の仕組みや知っておいた方がよいことをご紹介します。

 ■開催時期

   国会同様、地方議会もいつも開会しているわけではありません。地方議会は、通常、年4回開催されます。時期は、自治体によって、微妙に異なるのですが、おおむね、6月、9月、11月(または12月)、2月(または3月)です。つまり、自治体職員は年間4回、議会のチェックを受けることになります。

■本会議

   地方議会の本会議もニュース等ではよく放送されていますが、出席する幹部は別にして、担当課長未満はあまり興味がありません。理由は、本会議の質問事項は議員から事前通告があり、あらかじめ内容が分かっていることと、大舞台なので、あまり細かい質問は出ないからです。したがって、よほど大きな問題(重大事故など)が発生していない場合は、みなさんが議会の本会議日程を意識する必要は全くありません。

■委員会

   地方議会は、本会議のほかに、「総務委員会」、「経済委員会」のようなテーマごと分かれて審議を行う委員会があります。委員会は、議員からどのような質問が出るか事前にはわかりませんし、質問内容も細かいので、自治体職員の多くが委員会開催前は非常にナーバスになっています。つまり、自治体職員が一番気にしているのは、本会議ではなく、委員会なのです。

■自治体職員の最大関心事「委員会」

   国会にも委員会がありますが、国会と地方議会の委員会は大きな違いがあります。それは、地方議会は与野党がそろって厳しい追及を行うということです。国会は、大臣や副大臣などが委員会に出席していますので、大臣・副大臣と同じ党派(与党)からの厳しい追及はほとんどありません。

   地方議会の委員会は、多くの場合、自治体側出席者のトップは部長(つまり職員)で、政治家ではないので、与野党を問わず、厳しい追及があります。逆に言うと、追及をどう乗り切るかいつも自治体職員は考えています。

   ですから、委員会開催前に施設のネガティブな情報がマスコミに流れたり、あるいは、施設の利用者数(稼働率)が減少していたりすることは、追及されるリスクが高まりますし、委員会に出席しない若手職員も膨大な準備資料を作成させされますので、できれば避けてほしいと思っています。特に、利用者数(稼働率)が継続して減少しており、同じ施設が毎回のようにリスクを高めている場合には、当該施設の指定管理者の心証は極めて悪くなります。

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 管理運営の本質とは全く異なりますが、自治体職員の立場を理解し、委員会開催日程を意識した管理運営を行うことが、自治体職員の心証を良くし、次回の公募を有利に導きます。具体的には、議会は始まる前には、以下の2点を意識してください。
 

 ■利用者数(稼働率)を増やす努力を行なってください。

   利用者数(稼働率)を増やすための最大限の努力を行ってください。もちろん、利用者数(稼働率)が前年同期比で増えるのがベストですが、最低限の話として、イベントを開催するとか、営業活動を強化するとかの努力を行った跡は残してください。

   また、委員会対策として考えると、例えば、「大ホールの稼働率は減少したが、会議室の稼働率は上がっている。」というように、すべての施設がマイナスになるよりは、ひとつでもプラスになっているほうが、はるかに対策が立てやすいことは事実です。大ホールをプラスにすることが難しいという事態になれば、大ホールの利用者数(稼働率)のマイナスを抑制するための努力を行うよりもむしろ、会議室など付随施設の利用者数(稼働率)を向上させるため力を注ぐことも検討してください。

■時事問題にアンテナ張ってください。

   マスコミで大きく取り上げられているような時事問題は委員会で議論になりやすく、アンテナを高くする必要があります。例えば、平成21年7月には、日本の広い範囲で日食がありましたが、多くの地方議会(委員会)で、「日本での46年ぶりの皆既日食を地域の子どもたちにどのように伝えたのか。」という趣旨の質問が出たようです。

   地域内に「科学館」があれば、当然、「科学館」が何らかのイベントを行うでしょうが、そうでない地域は、体育施設や文化施設などの他の施設が何とかしなければなりません。

    このような場合に、委員会でも議論されやすいとの認識のもと、自らの意思で、例えば、施設の一角(エントランス等)に日食を紹介するパネル表示を1枚でも実施すれば、自治体職員は、議員の質問に「○○(施設名)で、日食パネル展を開催しました。」と回答でき、非常に助かります。

   このような対応ができる指定管理者は私の知る限り本当に少なく、逆に言うと、こういう対応ができる指定管理者は、自治体職員から頼りにされ、次期公募でも大きなアドバンテージを獲得できます。

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  ほとんどの自治体において、指定管理者がイベントや自主事業を行う場合は、あらかじめ自治体との協議が必要です。この自治体との協議のポイントはいくつかあるのですが、私の経験から言うと、みなさんが意外に苦しんでいるのが、「施設の設置目的」との関係です。

   九州のある科学館に立ち寄った時にマジックショーが行われており、多くの来館者が見入っていました。「マジックショー」とはいえ、手品を行っているのはプロのマジシャンではなく、どう見ても科学館のスタッフで、トークの面白さや手際の良さはとても感心しました。おそらく、相当な経験を積んでいるのでしょう。

   科学館の設置目的は、子どもたちに科学の面白さを伝えることで、この意味からすると、マジックショーは、科学館の設置目的とは異なるイベントです。このため、自治体の担当者によっては、「マジックショーは施設の設置目的とは違う。」という理由で実施させてもらえないということもあり得ます。

   ただ、設置目的とは関係ないイベントや自主事業がすべて排除されているわけではありません。あくまで、利用促進の一環として「まず、施設にお越しいただく」あるいは「まず、施設を知っていただく」ということ目的に実施するなら、最近はむしろ、自治体も積極的に認める傾向にあります。

   このあたりは、最終的には、理論武装の問題で、施設の設置目的とは関係ないイベント等を「まず、施設を知っていただくイベント」として位置づけ、「知っていただいた方を対象に○○のイベントを実施し、施設の設置目的を果たします。」というフォローのイベント等を用意した上で、協議すれば、基本的には、自治体担当者の了解を得られるはずです。

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   目的外使用は、施設の設置目的とは異なる目的で、施設を利用する場合に自治体が出す許可のことで、代表的なものとしては、自動販売機の設置、レストラン・喫茶店等の出店などが挙げられます。

  指定管理者は、自治体に代わって施設の利用許可(つまり、設置目的の範囲内での使用許可)を出すことはできますが、目的外使用許可を出すことはできません。また、指定管理者自身が自動販売機などの設置を行う場合も、自治体から目的外使用の許可を得なければなりません。 

   理論的には、A社が指定管理者となっている施設に対して、まったく関係のないB社にレストランの出店や自動販売機の目的外使用許可を出すことも可能です。ただ、無用の混乱を生んでも困るので、指定管理者制度導入前から許可しているレストランや自動販売機の目的外使用許可はそのまま継続し、新規の目的外使用許可は原則として、指定管理者にしか出さないという運用を行っている自治体が多いとは思います。

  次の項目から、目的外使用の問題点をいくつか紹介します。

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  指定管理者は目的外使用許可を受けて運営されているレストラン、喫茶店とは何の関係もないのですが、利用者から見ると、レストランや喫茶店も指定管理者が運営しているように見えます。このため、レストランや喫茶店の「まずい」、「態度が悪い」、「清掃ができていない」などのクレームが、指定管理者のクレームになってしまうということで、よくトラブルが起こっています。

   指定管理者には、レストランや喫茶店を指導する権限はありませんから、このような場合は、自治体の担当者にクレームがあることを伝え、改善を指導してもらうしか方法がないのですが、率直に言って、自治体職員が指導しても、改善されないことの方が圧倒的に多いのが現状です。

  特に、指定管理者が利用者を増やしている施設では、結果的に努力しなくてもレストランや喫茶店の売り上げも増えていきますから、横着な運営がまかり通っているという現状が見受けられます。

  これを解決するには、レストランや喫茶店と話し合う必要があるのですが、話し合いが難しい場合も結構あります。積極的にはお薦めできないのですが、あまりにひどい場合は、レストランや喫茶店に危機感を与えた上で、話し合うという方法が効果的な場合があります。

   どのように危機感を与えるかというと、自治体の了承を得た上で、多客期にイベントの一環として、屋台などで、軽食やドリンクを販売するのです。屋台の売上げが増加すれば、レストランや喫茶店の売り上げが落ち、おそらく、自治体や指定管理者に抗議に来るでしょう。そこで、データを示し、クレームがたくさんあり、指定管理者が評判を落としているから、対応策をとっているだけで、きちんとレストランや喫茶店の運営が行われれば屋台は撤収すると主張するのです。

    本来、このような不純な動機に対して、自治体が目的外使用許可を出すことはありませんが、あまりにレストランや喫茶店の態度が悪い場合には、自治体担当者も協力してくれますので相談してみてください。

 

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  指定管理者が行う自主事業と目的外使用許可は微妙な問題があります。自主事業の中でも、前にも出てきたレストランの運営や自動販売機の設置については、目的外使用許可が必要なことは、ほぼ全国共通です。

     けれども、例えば、スポーツ施設の指定管理者が有料のテニススクールする場合などは、自治体により解釈が異なります。

   ほとんどのスポーツ施設は「住民にスポーツを楽しんでもらうこと」が設置目的です。したがって、有料(実費)でテニススクールを行うことは、「住民にスポーツを楽しんでもらう」という施設の設置目的の一環、すなわち目的外使用ではなく、設置目的の範囲内の使用形態であるという解釈ができる一方で、テニススクールを運営することは、公の施設での商行為に他ならず、目的外使用許可が必要という解釈もあります。

   どちらの解釈がなされるかは、自治体によっても、また、テニススクールの規模や料金体系などによっても判断が分かれる(「料金が高い」、「規模が大きい」ほど商行為と判断される可能性が高まります。)というのが現実で、最終的には自治体に判断してもらうしかありません。ただ、目的外使用になれば、目的外使用料を支払わなければならないという金銭的な問題はもちろん、いちいち許可が必要という手続上の問題(使用面積を積算する図面を作成するのが大変)もあるので、できれば、施設設置目的の範囲内と解釈してもらうよう努めるべきです。

   また、無料のテニススクールはどうなのかという問題もあります。私は、スポーツ施設での無料テニススクールを実施することは、テニスコートのPR、すなわち施設の利用促進という指定管理者の本来業務の一環だと判断できるので、目的外使用ではないと考えています。ただ、これも、商行為ではないにせよ、施設管理という指定管理者の本来業務からは外れるので、目的外使用だと解釈し、目的外使用料を徴収している自治体もありますし、折衷案として、目的外使用ではあるけれども、目的外使用料は免除するという取り扱いをしている自治体もあるようです。

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  自治体の財政難から指定管理料の上限が抑えられているので、施設の壁面や空きスペースなどに民間企業広告を募り、広告料収入を得たいと考えている指定管理者が出てきていますが、これも、目的外使用許可との関係で、苦労している事例があります。

   まず、壁面広告の場合は、自治体から目的外使用許可を得て、指定管理者が広告料を徴収することは、実務上かなり難しいと考えてください。目的外使用は電柱などを除けば、4月1日から数えて、1年しか許可が出ません。したがって、広告を募集するにしても、掲載期間が最長1年(年度途中なら1年未満)となります。

   また、厳密にいえば、指定管理者が目的外使用許可を得て、他社にスペースを提供することは、「また貸し」で、本来は目的外使用許可ができません。通常は、目をつぶってもらえる事案ですが、万一、住民からの指摘があれば、原状回復、すなわち広告契約を破棄しなければならないというリスクがあります。加えて、目的外使用料を自治体に支払う必要があり、リスクが高いのに利益は少ないという結果になります。

    ただし、壁面広告事業については、自治体職員からすると画期的な解釈が出ています。それは、「施設の壁面はそもそも広告用のスペースとしてつくられており、ここに広告掲載することは目的外使用ではなく、施設の本来目的である」という解釈です。

   ある自治体が、この解釈で正しいかどうか総務省に確認したところ、「自治体の判断に委ねる」との回答があったことを理由に、かなりの自治体でこの解釈が取り入れられています。壁面広告を行う場合は、自治体にぜひ施設設置目的の範囲内という解釈で運用してもらえるよう依頼してみてください。そうすれば、「また貸し」の問題も、「目的外使用料」の問題も一気に解決します。(ある自治体は壁面だけでなく床面にもこの解釈を準用しています。個人的には、床面はちょっと無理があるように思うのですが・・・)

   なお、壁面広告ではなく、例えば、パンフレットやチラシなどに企業広告を掲載することは、施設を直接利用していないので、目的外使用許可は全く必要ありません。(ただし、自治体担当者に報告してから始めた方がよいとは思います。)

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   公園などで事例があるのですが、指定管理者とは別の企業・団体がイベントを行いたいので会場を貸してほしいという場合があります。例えば、「ラジオ祭り」のようなイベントで、放送局が有名人のコンサートや漫才などを企画し、指定管理者が管理運営する公園で実施する場合などです。

   これを、素直に自治体に相談すると、無料イベントでも目的外使用と判断される可能性があります。目的外使用と判断されると、面積が大きい(コンサートや漫才などの場合、客席も面積にカウントされる)ため、莫大な目的外使用料を自治体に支払わなければなりません。もちろん、主催企業・団体が全額負担してくれるなら問題ないのですが、公園を使用したいということですから、会場使用料を支払いたくないという場合が圧倒的に多いのだと思います。

   このような場合の対策は、指定管理者と当該企業・団体との共催で実施することです。つまり、指定管理者が他の企業・団体と連携して、当該公園の利用促進を行うという理屈にすれば、目的外使用ではなく、利用促進という指定管理者の本来業務になるからです。

   ただし、コンサートや漫才などを有料で実施する場合は、少し複雑な事務処理が必要になります。指定管理者は自主事業を行うことができ、自治体が認めれば、自主事業に必要な費用は利用料金とは別に徴収できます。したがって、指定管理者と他の企業・団体との共催により、コンサートや漫才などを開催する場合も、指定管理者の自主事業と位置づけ、料金を徴収することは自治体が認めれば可能です。

   けれども、自主事業は指定管理者しかできません。したがって、有料で実施する場合は徴収する料金は、実質的な主催者である企業・団体の口座にいきなり入れることはできず、いったんは、指定管理者の口座に入れなければなりません。そして、委託料などの別名目で、実質的な主催者に支払うこととなります。 

   また、自主事業は実費徴収が大原則で、指定管理者が利益を出すことができません。したがって、入金された金額は原則として、全額、実質的な企業・団体に支払う必要があります。(指定管理者が寄与した人件費等を差し引いて支払うことができるかどうかは自治体の担当者の判断次第ですが、認められない場合の方が多いと思います。)

   なお、国や独立行政法人などがイベントの開催を希望する場合もあります。(省エネイベント等)。これも、厳密に言えば、目的外使用で使用料免除という事務処理が必要なので、共催という形をとることがベストですが、実態としては、何の手続きも取っていない場合が多いと思います。

 

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四国のある市の施設で、次のような事例を聞きました。

■事 例

 施設の管理運営者である指定管理者と目的外使用での喫茶店の運営者がたまたま同一法人となっています。施設に電気メーターがひとつしかないため、電気料金は指定管理者が電力会社に一括して支払っていますが、目的外使用部分は条例に基づき光熱水費を自治体に納めています。つまり、指定管理者から見ると、喫茶店部分の光熱水費を電力会社と自治体の2重に支払っていることになります。

 これは、たまに発生する事例で、原因は目的外使用の条例(規則)と指定管理者制度が整合していないからです。つまり、施設を自治体が直営していた時代は、自治体が施設の電気代を電力会社に支払い、目的外使用分は、目的外使用を許可した法人に請求していたのですが、指定管理者制度になって、自治体が直接電気代を支払わないにもかかわらず、条例(規則)に基づいて、目的外使用の光熱水費を請求するために発生する問題です。これについての自治体の解釈はだいたい次のようなものです。

■解 釈

   自治体が支払う指定管理料の中には、施設全体(つまり目的外使用分も含めて)の電気料金が含まれている。したがって、施設全体の電気料金を指定管理料で受け取り、その中から施設全体の電力料金を電力会社に支払う段階では、指定管理者の目的外使用部分の電気料金負担はゼロである。その上で、実際に目的外で使用している喫茶店部分の電気代を請求しているのだから、2重払いではない。

   この解釈は、一般的には誤りではなく、その意味では、指定管理者は、目的外使用部分の電気代を電力会社と自治体に支払わなければなりません。ただ、支払う前に募集要項・仕様書はよく確認する必要があります。先ほどの解釈は、あくまで、目的外使用部分も含めた施設全体の電力料金が指定管理料に含まれていることが大前提です。したがって、募集要項や仕様書に記載されている電力料金の積算根拠が目的外使用分を除いている場合は、電力料金を払う義務はなくなる可能性が強くなります。

   このケースに限らず、募集要項や仕様書、指定管理者募集の際の質疑などは、管理運営の疑義が生じた場合の大きな判断材料になります。指定管理者に選定されれば募集要項や仕様書はもう必要ないと考えている方もいらっしゃると思いますが、たまには読み返してみることをお勧めします。

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  指定管理者は自らの業務をセルフモニタリングするとともに、自治体からモニタリング調査という形で監督を受けています。モニタリングの形式は様々で、自ら行うセルフモニタリングのほかに、厳しい場合は毎月、緩やかな場合でも1年に1回は自治体のモニタリング調査を受けているはずです。 これらのモニタリングには、どのように対応すればよいのでしょうか。

■自治体のモニタリングの位置づけを知る

  モニタリングは頻度だけでなく、手法も自治体によってバラバラです。様式に記入する形式的な場合もあれば、細部にわたってみっちりとヒアリングが行われる場合もあります。

 まずは、自治体がどのような手法でモニタリングを行っているかを把握してください。一般的な傾向として、形式的にしかモニタリングが行われていない場合は、指定管理者側もそんなに真剣に考える必要はありません。定められた様式にありのままの事実を記載すればそれで十分です。


   一方、ヒアリングが年4回以上行われていたり、ホームページで詳細なモニタリング結果を公表している場合などについては、自治体がモニタリングに相当なウエイトを置いています。この場合は、単に事実を記載(報告)するというだけでは不十分で、対策が必要になってきます。 なお、モニタリングの自治体での位置づけは、担当者の交代などにより、ある年度に突然変わることもありますので注意してください。

■モニタリング対応は次期公募対策

 とても多忙な皆さんが、毎月のように報告書を提出したり、ヒアリングを受けたりすることはとても、苦痛だと思います。私も、5企業・団体のモニタリングを行っていた時期がありますが、どの企業・団体も口には出しませんが、明らかに迷惑そうでした。

    ただ、最近、モニタリングは、次回公募の際の資料として使用されることも増えてきています。つまり、次回審査の際に、審査委員にモニタリング結果が配布されるというケースが増加しているのです。このような場合、当然ですが、悪いモニタリング結果は、次期指定管理者の審査に悪影響を与えます。

   ということで、大変とは思いますが、「モニタリングは次期公募対策」と割り切り、他団体よりも早い時期から公募対策を行えることを、幸運と思って対応することが必要となりつつあります。

■重要な時期があります。

 自治体の職員にとって地方議会は大きな関心事です。したがって、モニタリングがどのような時期・手法で行われようとも、議会前はとても大切な時期だと考えてください。

  自治体によって、多少異なりますが、地方議会は年4回(6月、9月、11月、2月)開催されます。ということは、それぞれの議会開催前の利用者数や利用料金が好成績であれば、議会で質問されても、「利用者数は○○人で、前年比○%増加となっており、おおむね順調な管理運営が行われております。」と答えることができます。逆に利用者数などが減少している場合は、減少理由を説明する必要があり、天候不順や故障などによる施設の臨時閉鎖などの明確な理由がない場合は、非常に苦労します。

   ということは、特にゴールデンウィーク(6月議会前)、夏休み(9月議会前)、10月(11月議会前)、1月(2月議会前)の利用者数や利用料金などは、自治体職員の関心が一番高い数字です。この部分が好調であれば、普通はモニタリングもすぐに終わるはずですが、もし、万一、前年度から大きく減少している場合は、その理由を根掘り葉掘り聞かれることとなり、なかなかモニタリングも終わらないということを知っておいてください。

■利用者数の調整

 大事な時期があるからと言って、毎年、ゴールデンウィークや夏休みの利用者数を増やし続けることは困難です。では、どうすればよいかというのでしょうか。

  例えば、昨年度のゴールデンウィークには非常に多くの利用者があり、今年度は、どんなに頑張ったって、昨年度を超えることは難しいというケースがあるとすれば、4月(特に春休みがある上旬)にイベントを集中させ、4月の利用者を増やすのです。

   議会に施設利用者を報告するにあたって、どの時期の数字を報告するか厳密に決まっているわけではありません。したがって、仮にゴールデンウィークの入場者が大きく減少していても、4月の利用者がアップしていれば、自治体職員は、6月議会で、「4月の利用者は増加しており、おおむね順調な管理運営が行われています。」とゴールデンウィークには触れずに回答ができます。

   つまり、ゴールデンウィークや夏休みの利用者をもうこれ以上増やせない場合は、その前後で、前年を上回る数字を出して、当該年度を乗り切れれば、次年度は、ゴールデンウィークや夏休みに利用者を増加させる基礎となるハードルが下がっていますから、次年度も対応が可能になります。このように自治体になるべく迷惑をかけないように利用者数を調整することも指定管理者としてのノウハウのひとつだと思います。

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  今回は、自治体に書面で出すモニタリング(セルフモニタリングを含む)についてです。自治体職員の評価を下げる報告事例をご紹介します。

■自慢しすぎ。

 指定管理者公募の事業計画書は、他企業・団体との競合に勝つために自社のPRが必要です。一方、モニタリングは、管理運営の評価と成果が上がっていない分野の原因分析と対策・措置の記載が必要となります。このように、全く必要事項が異なる書面を混同して、「こんなことができた。」、「従来よりここがよくなった。」という記載の羅列で終わっている報告がたくさんあります。

   モニタリング調査票は、自治体職員にとって、利用者数などの数字の把握とともに、改善すべき点を洗い出し、どのように改善する予定かということを分析する手段であることを理解してください。モニタリングで自慢しすぎるのは「反省していない」と判断されるだけで、全くプラスにはなりません。

■自治体への不平・不満が記載されている。

  「施設の動線が悪い」、「想定以上に電気料金高騰しているが自治体は全く対応してくれない。」、「新しい施設になのに雨漏りがある」など、不平・不満を記載しているだけのモニタリング調査票も見かけますが、これは、次回公募まで保存されるので、絶対にやめた方が無難です。自治体職員からみれば、指定管理者の不平・不満の多くは、初めから分かっていたことで「何をいまさら」という目で見ていることがほとんどです。
 
■事業計画書を無視している。

 事業計画書は自治体との約束です。したがって、原則として、記載していることは、必ず実行しなければなりません。年度末のモニタリングにおいて、年度内に実施しなければならない「取りくみ」や「イベント」が実施されていないにもかかわらず、これに触れていないことは、自治体職員の評価を著しく下げます。

  もし、万一、何らかの理由で、事業計画書に記載した事項ができない場合は、必ず、自治体に出向いて、「申し訳ありませんが、○○の理由により、□□のイベントは実施できません。代替措置として、△△を実施します。」と説明すべきです。合理的な理由があれば、自治体も認めてくれます。

   また、事業計画書で年間利用者目標「○○万人」と記載していることがあります。あくまで目標なので、達成できなくても問題ないと考えている方がいらっしゃるかもしれませんが、これは全くの誤りです。万一、年間利用者目標が達成できない見通しとなったら、自治体に出向いて「○○などの理由で今年度は年間利用者目標を達成できる可能性が低くなりました。来年度は、□□、△△などの措置を講じて、必ず目標を達成します。」と説明すべきです。年間利用者目標は施設運営の基本です。これを達成できないのに、何の措置を取らないというのは、自治体から見れば背信行為以外のなにものでもありません。

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 自治体の監督行為は担当課によるモニタリングだけではなく、関連している部局による監査(検査)を受けることがあります。担当課と違う部署による監査(検査)ということで、緊張感に欠ける場合がありますが、対応を間違うと痛い目に逢うことがあります。

   自治体が実施する監査(検査)は必ず調査目的があります。まず、調査目的をよく理解してください。(わからなければ担当課に確認してください。)

  たとえば、出納監査(出納検査と呼ぶ自治体もあります。)は現金収納業務が適正に実施されているかどうかを確認することが目的です。したがって、現金収納業務と全く関係ない利用者の増加対策などは調査対象ではありません。ところが、このような出納監査の調査でも、多くの場合、事前に配布される調査票には、「施設の概要」、「利用者数の推移」、「新たなに実施した管理運営の工夫」などの事項を記入する様式になっており、モニタリングと同様、施設の管理運営全般にわたる監査のように勘違しがちです。

   これらは、あくまで、検査する職員が施設の機能や特徴を知るために記入欄を設けているだけであって、検査(監査)の本質ではありませんので、事前の調査様式ではなく、監査の目的に対応した準備を行うようにしてください。

   出納監査は公金の収納事務が委任されている指定管理者、言い換えると、利用料金制が導入されていない施設に対して、出納担当部局が行う監査です。この監査は、適正な現金出納業務、すなわち利用者から集めた利用料金を自治体に収めるまでのプロセスが適正かどうかを確認することが目的です。調査様式には、前述した、利用者数の推移や利用者安全対策なども記入する欄があるでしょうが、これらは、監査対象ではないので、極端にいえば適当に記入するだけで十分です。
  
   自治体が求める現金取り扱い方法は、民間企業が考えているより、はるかに厳格なものだと考えてください。率直に言って、自治体水準で現金管理ができている指定管理者は、ゼロに近いと思います。当然、コストや効率性も考慮しなければならないわけですから、すべて自治体水準で実施することは無理と思いますが、以下のくらいのレベルは最低必要だと考えてください。

■毎日の現金チェック

   毎日の売上高と現金有高が一致することがまず基本です。このプロセスとして「毎日の営業開始前の複数職員による釣銭の現金有高チェック」及び「毎日の営業終了後の複数職員によるレジ記録と現金有高の一致のチェック」は最低限必要です。また、レジ記録の指定管理期間中の保存、定期的なペア組みかえ、役職者による定期的な現金有高チェックなども本来は実施したほうがよいと思います。

■通帳へ預け入れ

   利用者から集めた利用料金は翌営業日に銀行に入金することが自治体水準です。ところが、最近の銀行の経費削減方針により、よほど大きな施設でない限り、銀行が毎日集金には来ません(週2回くらいは来てくれるところが多いと思います。)。職員が毎日銀行に入金行くのは、手間がかかりますし、これは、出納課との間で、効率性か適正な現金取り扱いかでよく議論になる点です。

   理解していただきたいのは、仮に仕様書等で週2回の入金でよいというルールになっていたとしても、出納課の監査は、そのルールが適正かどうかまで判断する権限があるということです。週2回というルール守っていれば、とりあえず、指定管理者に落ち度があるわけではありませんが、ルールが不適正だと判断されてしまうと、「今後は毎日入金してください」ということになり、ルールが変更されてしまいます。これでは、結局、指定管理者が実務上の不利益を被るということになるので、担当課と共同戦線を張って、なんとかルールが適正だということを立証しなければならないということは押さえておいてください。 

    個人的には、取り扱う額にもよるのですが、よほど大きな額でない限りは、週2回くらい入金で十分適正だと思います。金曜日から日曜日までの利用料金がたまっている月曜日は、たとえ銀行が集金に来てくれなくても、職員が入金に行くなどの措置をとり、銀行の都合だけで週2回にしているのではないということを訴えると、最終的には週2回でOKという結論になることが多いと思います。

■盗難防止

   利用者から集めた利用料金は、金庫(金庫がないというのは絶対にだめです。)に保管されていると思います。チェックされるのは、そのカギをだれがどのような状態で保管しているかということです。

   カギが総務課長等の机の引出しの中に常にあって、だれでも金庫が開けるようになっていませんか。金庫のカギは役職者のうちの何名かが持っていて、役職者立会いのもとにカギを開け、役職者立会いのもとにカギを閉めるというのが大原則です。実務上は、金庫の近くにいつも役職者がいるわけでないでしょうから、このような取り扱いは難しいかもしれませんが、少なくとも監査当日だけでもこのような取り扱いをしてください。 

    また、ナンバー式の金庫は、定期的(3か月に1回くらい)はナンバーを変更しているかどうかがチェックポイントです。これも実務上は、ナンバーを変えすぎると、結局、机の上にナンバーを貼ったりして、もっと悪い管理状態になってしまったりするのですが、監査では、3か月に1回程度は変更していると説明が全くのでたらめにならないよう、年1回くらいはナンバーを変更してください。

■保険
   大きな現金を扱っていない指定管理者には不要でしょうが、利用料金制ではなく(使用料収入が自治体に帰属する)かつ、金庫の中に百万円以上入っていることがある場合は、盗難保険に加入することを検討してください。使用料は自治体の歳入を預かっているだけなので、盗難があっても、納入を免除されるわけではありません。盗難保険に入っているだけで、出納監査の厳しさもだいぶ緩和されるので、保険料が負担できるなら、加入することによるメリットは大きいと思います。

   この他にも、監査事務局が行う監査や会計検査院による検査(国の補助金が入っている場合のみ)などがありますが、紹介した出納監査同様、必ず目的がありますので、その目的に対応した対策を実施してください。

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  自治体の監査は、監査委員が実施しています。監査委員は民間選出の委員と議員代表の委員がいて、形式的には監査委員が監査を実施することになっていますが、実施的には、監査事務局職員(つまり自治体職員)が監査を行っています。身内が監査事務を行うのでは、どうしても甘くなってしまうということで、平成10年度から「包括外部監査」という制度が導入されました。(ただし、基本的には都道府県、政令指定都市、中核市のみに導入されています。)

   この制度は、包括外部監査人(弁護士、公認会計士、税理士)が毎年テーマを定めて、自治体の業務を包括的に監査するもので、指定管理者制度がテーマになる例もかなりあります。

   指定管理者制度が包括外部監査のテーマになった場合、現場であるみなさんの施設にも包括外部監査人が来て監査を行います。これは、地方自治法に基づく監査であり、みなさんが拒むことはできません。担当課のモニタリングではないので軽く考える指定管理者もたくさんいらっしゃるのですが、包括外部監査の結果は、知事(市長)への報告書という形でマスコミ等にすべて公表されるため、その反響はモニタリングや出納監査などの比ではありません。場合によっては、指定管理者としての評価を大きく下げるという結果になりかねないので、これこそ万全の態勢で立ち向わなければなりません。

   包括外部監査制度は、理想はとてもすばらしいのですが、運用上は問題点があります。それは、特に地方では、業務を担う人材がなかなかいないことです。包括外部監査人に就任すると、業務に多くの時間を割かれます。自治体からの報酬は限られていますから、なかなか引き受けてくれる弁護士や公認会計士等がいません。しかも、法令で連続3回までしか同一の包括外部監査人と契約できないという制限やその他もろもろの制限があって、包括外部監査人を探すのに苦労しているというのが、多くの自治体の実態です。 全部が全部とは言いませんが、少なからず、仕事があまりない(仕事の評価が低い)弁護士や公認会計士等が選定されるケースがあるのです。

   このような弁護士や公認会計士等の多くは、派手な成果を上げる、つまり自治体の業務を厳しく批判することで注目を集め、ひいては自らの仕事を増やしたいと思っています。このため、最初から結論ありきのような監査が行われることが多々あり、このような包括外部監査人に当たってしまうと、大災難です。

ある包括外部監査の報告書の一部を抜粋しました。

事例1

 「現地説明会に十分な時間を確保し、またその日程を複数回設け、さらにはその他施設や経営状況に関する具体的な資料を提供するなど、十分に配慮すべきである。」

 「申請書類等の提出期限は、募集要項公表後1ヶ月余りとなっており、この日程も極めて厳しい。」

   この2つの指摘は、文章だけ読めば、納得するかもしれませんが(これが恐ろしい)、弁護士や公認会計士の報告書としては明らかな違和感があります。通常、弁護士や公認会計士は「最高裁の判例によると・・・」とか「○○会計基準によると・・・」というように指摘の根拠を示します。ところが、このような表現は全くなく、「十分に配慮すべきである。」とか「極めて厳しい。」とかいう包括外部監査人の感想をそのまま指摘事項にしています。

   少なくとも、「募集開始から締め切りまで、全国平均は○○日であるが、○○県では、1か月と全国平均の約半分しかない。」というように根拠を示すのがプロの指摘だと私は思います。(ちなみに、統計は取っているわけではありませんが、公募から締め切りまで1カ月というのは全国的に見れば平均値より著しく短いとまでは言えないと思います。)

事例2

  「(指定管理者の)収支(利益)が0というのは明らかに不自然であった。そこで、指定管理者及び所管課に確認したところ、決算書の内容が正確であり、事業報告書は管理費の一部を水増しして収支を一致させるように調整した内容となっているとのことである。このような取り扱いは、事業報告書の内容が事実に反するものであるという点で極めて重大な問題がある。

   さらにいえば、実際には本施設の管理運営については相当程度の利益が出ているにもかかわらず、その事実を県が把握できないこととなり、今後の指定管理料の適切な設定に支障を来す。加えて、今後指定管理へ新規に申請を検討しようとする者に対して事実に反する情報を与え、その参入を妨げる結果にもなりかねない。」 

  指定管理者の収支報告書に関する指摘です。利益額は企業秘密の最たるものです。指定管理料の原資は税金ですが、それを根拠に何もかも報告すべきだというのは違います。指定管理料は基本的には、公共事業と同じで仕事に対する対価の支払いです。公共事業では受注企業がどれくらいの利益があったかを報告する必要はありません。ただ、指定管理業務の報告には「収支」という項目があり、報告書を徴収しなければならないので、どこまで報告してもらうか、自治体職員は苦労しています。

   おそらく、多くの自治体で、例えば「本社経費」とか「企画料」とかいう項目(会計的には「本社勘定」)を設けて、指定管理における本社寄与分(本社のバックアップに対する対価)を収支に計上し、直接の利益額を表示しないようしてもらっています。それを「水増し」というのは厳しすぎると個人的には思います。(これは個人の感想です。) 

   それと、利益額をゼロして報告することが新規参入の妨げになるというのは明らかな言いがかりです。私の知るかぎり、99.99%の企業は仕事を受ける場合に、前の会社の利益額ではなく、今回の業務内容と対価をもとに仕事を受けるかどうか判断します。みなさんも「前の会社はいくら儲けたのですか。」などという質問をする業者に出くわした経験はないでしょう。

   大切なのは業務の内容・範囲をきちっと説明することであって、利益額を公表することではありません。むしろ、逆に、「利益額が公表されるなら、参入できない」という企業の方が多いはずです。 

   このようなことは、包括外部監査人も十分承知しています(わかっているから、「結果になりかねない。」というあいまいな表現にしています。)。十分承知していますが、注目を集めるために、言いがかりのような指摘を行っているのです。つまり、最初から結論が決まっていて、どんな説明・反論を行っても無駄というが最大の悲劇なのです。

   ちなみに、この報告書はマスコミで大きく取り上げられました。報道では「結果になりかねない」という表現が「参入を妨害している」などの断定型になっています。これも計算ずくで、「自治体を厳しく断罪した」と「参入を妨害すると断定はしていない」という立場を使い分けられるようにしているのです。

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   では、包括外部監査には、どのように対応すべきなのでしょうか。

 ■十分な事前調査・対策

   包括外部監査の期間はだいたい5月から翌年2月くらいまでです。包括外部監査の通知が来たら、まず、当該年度に他の指定管理者の監査が行われているかどうか確認しましょう(自治体担当者に聞けば、調べてくれます。)。その上で、何を調べられ、何が指摘されたかを他の指定管理者から確認し、対策をたててください。包括外部監査に関しては、自治体担当者と指定管理者は一連託生です。必ず自治体担当者を交えて、対策を協議してください。

   事前の資料提出要求は、通常は自治体だけで、指定管理者にはありませんが、特に、年度前半で、自治体の担当者が交代したばかりの場合は、自治体の仕事などと言わずに協力してあげてください。自治体担当者と共同で難敵に立ち向かうという姿勢が大切です。

■監査当日の対策

   事前調査で、恐れているような包括外部監査人であることが判明すれば、結論は最初から決まっているのですから、「そんなことは実務上はできない」という趣旨の反論は全く無意味です。むしろ、包括外部監査人にプレッシャーをかけて、できる限り被害を最小限に抑えることを考えてください。

   まず、専任の記録者を必ずつけてください。記録は要訳でなく、全文で行ってください。「お話を誤解するといけないので録音させてください」と言って録音するとともに、何を言ったか聞き取れなかった場合などは、話をとめて、言った内容を確認するようにしてください。全文記録していることで、うかつにはしゃべれないというプレッシャーを与えられます。

   また、反論は無駄と説明しましたが、確認は無駄ではありません。指摘内容の根拠は必ず確認しましょう。

「根拠法令はあるのですか。」

「おっしゃる根拠は何ですか。」

「その『通常』を判断する統計的なデータはあるのですか。」

   この3つを冷静に言えれば十分です。常に根拠を確認することで、根拠のないことは言いにくくなります。、また、可能であれば、包括外部監査当日に顧問弁護士や顧問税理士を同席させてください。同業者が前に座っていれば、あまり露骨な言いがかりはできません。1日中の同席が難しければ、例えば、午後からの1時間でも同席を検討してください。「午後2時〜3時まで当社のアドバイザーである顧問弁護士が同席させていただきます。」と言えるだけでも大きな牽制になります。当然ですが、包括外部監査人にどの資料を渡したかも必ず記録に残してください。

■監査終了後の対策

   監査終了後も資料提出要求や電話での照会があります。資料は、必ず自治体担当者と協議して提出してください。(提出資料の内容が自治体の持っている内容と一部でも異なっていれば「虚偽報告」と言いがかりをつけられる可能性があります。)

   電話での照会も必ず、「後でご連絡します」と回答し、自治体との協議後に回答してください。「そこまでしなくても」と思うかもしれませんが、包括外部監査への対応はそれくらい厳しいものなのです。

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  1年が終了すると、自治体に報告書を提出する必要があります。この中で、特に民間企業からよくご質問をいただくのが「収支報告書」です。要するに1年間の収支を報告するわけですが、ありのままに報告すれば、利益がいくらあったか、また、警備、清掃などの外部委託業者といくらで契約したかなどの企業秘密を明らかにしなければなりません。

   これが自治体の内部資料にとどまるなら、百歩譲って、やむを得ないかもしれませんが、情報公開や議会答弁などで外部に公になることも十分あり得るわけで、どうして明らかになるリスクがあるのに企業秘密を報告しなければならないのかという趣旨のご質問がほとんどです。

 率直に言って、ごもっともなご意見だと思います。指定管理料に住民の税金が使われていることは事実ですが、例えば、公共事業を請け負った企業が公共事業で得た利益額を自治体に報告したりはしていません。自治体職員だって、給料の原資は税金ですが、給料の使途や余った額などを報告する義務はありません。税金を使っているからと言ってすべて使途を明らかにする必要は全くなく、指定管理料は公共事業や職員給料と同様、仕事に対する対価ですから、結果を出せば、資金使途や利益額は関係ないというのが正論です。

   ただ、現状では、ほとんどの自治体が指定管理料の使途について、報告を行うよう指定管理者に求めることを要項や仕様書で定めており、現実問題として、自治体からの提出要求を無視することはできません。では、どのように解決すべきなのでしょうか。

■支出で利益の調整する(「配賦」、「内部取引」の活用)

   ありのままの利益額だけは報告したくないというのが、多くのみなさんが一番考えていることだと思います。これを実際の額から調整して、当たり障りのない額で報告することが一番現実に即した解決方法だと思います。
 
  収支報告書は、収入と支出を報告するわけですが、収入(指定管理料、利用料金、自主事業収入など)はありのままを報告するしかありません。問題は支出なのですが、これを、虚偽でない範囲で拡大解釈し、利益幅を調整することは可能です。

   たとえば、施設の管理運営は、決して施設に常駐する職員だけが実施しているとは限りません。本社や本部で、総務関係(給料、社会保険、福利厚生、採用事務など)、研修関係、危機管理対応などの事務を実施している場合はそれらに要した人件費、光熱水費、消耗品費は施設の運営経費として計上しても問題もありません。(会計学では「配賦」と言います。)

   また、外部委託業者の選定や契約を本社や本部で実施しているのであれば、それらに要した経費も計上できますし、例えば本社で100円で購入した文房具を120円で指定管理部門が購入するという取引も企業会計原則上では認められています。(最後の例は、会計学では「内部取引」と呼ばれ、物品購入に限りません。ビルメンテナンスなどの委託契約でも理論上は可能です。) このような方法で支出を増やすことで、利益額を調節して報告することは十分可能なはずです。

■支出で利益の調整する。(「特別積立金」の活用)

   あまり例はないかもしれませんが、前章で説明した方法ではまだ利益が多すぎる場合や、財団等で指定管理施設内に本部があり、「配賦」や「内部取引」などのテクニックが使えない場合などは、特別積立金を積み立てる方法を検討してください。

   これは、例えば、創立○○週年特別事業などが何年後かに予定されている場合に、それにかかる経費の一部を当該年度から積み立てる制度です。勉強不足で民間企業の場合はわからないのですが、財団の場合は財団の規模等によって決まる一定額までは税務上も損金算入できます。これを積み立てることにより、当該年度の支出を増やすことができ、利益を調節することができるというわけです。

■理屈が大切

  大切なことは、モニタリングや外部監査等で、議論になった場合に、虚偽報告ではなく処理の解釈の問題だと説明できるような最低限の理屈を用意しておくことです。

   例えば、現場でなく、本社にあるパソコンも「報告書作成などの指定管理業務に使用するために購入した」と説明すれば、指定管理料の支出として説明することはぎりぎりセーフでしょうが、本社とは異なり指定管理業務には関係ない○○営業所においてあるパソコンを指定管理料の支出として報告することは虚偽報告と判断されてしまいます。税金でも同じですが、虚偽報告と処理上の解釈の違いとは天と地ほどの差があるのです。

■「警備」や「清掃」の契約額を調整する。

  そのほかにも収支報告書には「清掃」や「警備」などの金額を記載する項目がある場合があり、清掃や警備は通常1社と契約しているだけでしょうから、ここに金額を記入するということは、当該企業との契約額が明らかになってしまうということになります。

  明らかになってまずいのは、相場よりも安い金額で契約している場合でしょうから、前述した利益と同様、虚偽報告にならない理屈をつけて、金額を増やす方法を考えるしかありません。

   通常、保守点検(維持管理)はエレベータ、空調など設備種別に分けて複数の業者と契約していると思います。つまり、保守点検業務は全体の金額が明らかになっても、また、少しくらい全体額が減少しても、警備や清掃に比べればダメージは少ないでしょう。

   例えば、空調の保守点検には契約内容に「洗浄」や「ダスト処理」など清掃と解釈できる業務内容が含まれていると思います。見積書の「洗浄」や「ダスト処理」などの額を保守点検費から清掃費に振り替えることで、ダメージを最小限に抑えることは可能です。

   また、なかなか保守点検から警備に振り替る項目がないという場合もあるかもしれませんが、その場合は、人件費の一部を振り替えるという方法もあります。つまり、職員も一部は見回り業務を実施しているので、警備に従事した相当分を人件費から警備費に配賦したという理屈にするわけです。正直言って、人件費の配賦を自治体が認めるかどうかは微妙で、「修正」の指導はあるかもしれませんが、いきなり「虚偽報告」と判断されることはないのでやってみる価値はあります。
 
■割戻(リベート)はお薦めできません。

 会計上の「割戻」を使って、収支報告書を調整する方法も考えられます。例えば、「警備業務はいったん100万円で契約し、翌年度に20万円バックしてもらうことで、収支報告書には100万円と記載するけれども、実質は80万円でした」というやり方です。

  正直言って、あまりお薦めできる方法ではありません。まず、「割戻」は、たくさん購入してくれたから値段を下げるというように、後で値段を下げる何らかの理由があることが本来的には必要です。また、20万円を未収金に計上しなければ、税務署に脱税と解釈されるリスクがありますし、未収金に計上すれば、モニタリングや外部監査で発覚する可能性があります。

   「割戻」は、会計上は認められている処理ですが、世間では「リベート」と呼ばれ非常にイメージが悪いので、明らかになった場合は、「虚偽報告かどうか」という以前に社会的に非難を受ける可能性が高いので、避けた方がよいと私は思います。 

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   あるブログで見ただけなので、100%正確な情報ではないかもしれないのですが、東北のある県の税務署が、指定管理者に対し、自治体と指定管理者の間で締結する基本協定書の内容によっては印紙税が必要(=印紙を添付)かもしれないので、基本協定書及び年度協定書を税務署に持参するよう指導しているそうです。

   税務署の指導ですから無視するわけにはいきませんが、何の知識もない状態で税務署に行くことは避けてください。指定管理料は高額なので、もし印紙をはらなければならないとすると、多額の費用負担が必要になります。

  指定管理者の指定は、地方自治法の規定で「行政処分」となっており、契約行為ではありません。基本協定書は契約書のようにも見えますが、法的には行政が下した処分で、行政が処分を下した書面に印紙税は必要ない(印紙を添付する必要はない)という解釈が一番合理的です。

  現に、全国の多くの税務署がこのような判断をしており、私が知っている限り、基本協定書に印紙を添付しなければならないという事例はありません。指定管理者制度が始まった当初、多くの自治体が税務署に印紙税の取扱いについて確認し、各税務署が国税庁に照会して解釈が定められているので、全国同じ取り扱いがなされているはずです。にもかかわらず、このような事例が発生したのは、指定管理者制度がまだ始まったばかりで、基本協定書を契約書だと勘違いしている税務署職員がいるからだと思います。

   税務署職員の指導を鵜呑みにせず、自治体職員や税理士の協力を得て、税務署にていねいに説明してください。税務署職員の見解が変更されるということは、指定管理者制度に関して言えば珍しいことではないのです。

   なお、この件については、最近、国税庁が「印紙が必要ない」との正式見解を出しており、基本協定書に印紙を貼ってしまった場合は、税務署に還付申告ができることとなりました。ただ、還付申告を行うためには、自治体が持っている基本協定書の原本を税務署に提出する必要があり、自治体から基本協定書を借りなければなりません。(指定管理者が持つ基本協定書は自治体に印紙税がかからないことから印紙が添付されてないはずです。)
 
   この手続きは自治体によって異なるのですが、あまり前例のないケースなので時間がかかることが多いようです。時効にかからないよう早めに手続きを取ることが大切です。

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 政権交代したので予算措置がされるかどうか不透明な部分もあるのですが、国や独立行政法人には本当に多くの補助金・助成金制度があります。これらの中には、公の施設で行う文化活動、スポーツ活動、青少年育成、環境保全などが対象となる制度も結構ありますが、私の見る限り、一部の財団法人・社団法人のみがうまく活用しているという印象があります。

 補助金・助成金は、申請書類作成に大きな手間がかかる上、申請したからといって必ずもらえわけではありません(むしろ審査で落選する可能性のほうがはるかに大きいのが現実です。)。また、補助金・助成金で利益を上げることができない(使った額より多くの補助金が交付されることはない)ため、申請に積極的でない方が多いのだと思います。

 けれども、それでも補助金・助成金の活用することには少なくとも2つの大きなメリットがあります。ひとつは、コスト削減です。補助金で利益を上げることはできませんが、もともと施設の管理運営で実施すべき事業に補助金・助成金を充当することにより、結果的にコスト削減を行うことは可能です。例えば、もともと100万円で青少年育成のためのイベント開催を予定している場合に、補助金・助成金を50万円もらえたとすれば、50万円のコスト削減になります。

  もうひとつは、財団法人や社団法人の場合、次期公募でも有利に働きます。補助金・助成金の場合、民間企業の指定管理者でも対象となる制度もありますが、財団法人・社団法人などの公益法人のみを対象とする制度の方がはるかに多いのが現実です。自治体職員には「国や独立行政法人の補助金・助成金は活用しなければ損」という本能があり、補助金・助成金をうまく活用している財団法人や社団法人を指定管理者から外して民間企業に交代させるとこれらが活用できなくなる可能性があることから、交代にはみなさんが考えている以上に大きな心理的抵抗が働くのです。

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 補助金・助成金をうまく活用するにはどうすればよいのでしょうか。まずは、どのような補助金・助成金があるかの情報収集を行う必要があります。私は、次の2つのサイトから情報を収集しています。最近は、中央省庁も自治体も公募情報をインターネットで公開しているので、この2つのサイトを見ていれば自治体の補助金も含め、全国のほとんどの情報が入手できます。


 ・中小企業ビジネス支援サイト
 ・政府・自治体公募ニュース

   情報を入手すれば、次は申請書の作成です。補助金・助成金多くは、公募開始から申請書提出締め切りまで時間があまりなく、できれば、公募開始前にある程度の事前準備を行うべきです。

   事前準備といっても、補助金・助成金の様式を想定して書類を作成することはなかなかできないでしょう。私は、落選覚悟で、公募されている補助金・助成金にとりあえず申請することが一番効率のよい事前準備だと思います。補助金・助成金に記載する内容はどの省庁でも大きく変わるわけではありません。とりあえず、一度申請してみて、当選すればラッキーだし、落選しても作成した申請書は残ります。次の公募があった場合には、この申請書を時点修正して申請すればよいのです。

   指定管理者の公募は落選すると一大事ですが、補助金・助成金の申請は落選してもそんなに困るわけではありません。ですから、大胆に言うと、当選すればラッキーという気持ちで申請し続けることがいつか好結果につながると割り切ることが大切なのだと思います。

 

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 12月にコンビニで年賀状印刷を申し込んだときのことです。さんざん待たされたあげく、アルバイトの店員は「申し訳ありませんが、受付の方法がわかりません。店長にも連絡が取れないので今は受付ができません。」と回答されてしまいました。アルバイトの店員には悪気はないのでしょうが、とても不快な思いをしました。

   このようなことは、施設を運営する場合にも案外起こります。皆さんは、管理運営する施設の利用料金やその適用条件をきちっと理解しているでしょうか。特に障害者用料金の割引額や適用条件(団体割引、回数券、クーポン等との併用条件など)を正確に理解していますか。

  日ごろよく使う利用料金やルールは当然理解しているのでしょうが、あまり使わない料金やルールについては実は理解できていなかったということがよくあります。「あまり使わないから理解が不十分だった」というのはあくまで施設側の都合であって、利用者はあたかも自分がマイナーな利用者として扱われた気分になり、とても不快な思いをします。特に、社会的弱者と考えられている高齢者や障害者に配慮した利用料金やルールを理解できていなかったり、誤って適用したりすると施設の評価は一瞬にして大きく低下します。

   このようなことにならないよう、新年度を機会に一度、施設の利用料金やルールを定めている条例、規則、要綱などを読み直してみてください。「こんなルールがあったのか。」という発見が案外あるものです。気がついた点をまとめて職員に周知するという作業を何回か行うだけで、施設の評価が大きく低下するリスクのひとつをなくすことができます。

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 突然ですが問題です。
    

  問 通常利用料金900円のこの施設を盲学校の全校生徒20名が訪問した場合、
       一人あたりの障害者利用料金はいくらでしょうか。

 ○○施設管理規則(抜粋)
     条例●条の規定に基づく減免の取り扱いは次のとおりとする。

    (1) 団体(15名以上)による利用    20%
    (2) 教育機関による利用         40%
    (3) 障害者の利用               50%
     (1)〜(3)については併用できない。また、100円未満の
       端数については、切り捨てる。

 答  (1)〜(3)の減免は併用できませんから、一番有利な減免規定である
        (3)の50%減免を適用します。50%減免ですから、減免額は450円
       になります。ただし、100円未満は切り捨てとなっているので、減免額
       (利用料金ではない)の端数50円を切り捨てる、つまり、400円減免して、
        利用料金は500円となります。


   どうですか。利用料金が400円だと判断された方はいませんか。この例は、規則の一部を抜粋しているので、正解を導き出せた方も多いと思いますが、文字ばかりでびっしりと書かれている条例や規則などをずっと読んでいると、こんな単純な規定でも誤った解釈をしてしまうことが案外あります。

  特に、条例や規則などを読まずに、以前からの取り扱いをそのまま踏襲しているケースでは、実は最初の取り扱いが誤りあったということが少なからずあります。このため、例えば静岡県内のある指定管理者は、利用者に取り過ぎた利用料金を返還するといった事態に追い込まれてしまいました。

  前回も書かせていただきましたが、条例、規則、要綱などは一度ていねいに読んで、チェックし、もし疑問点があれば、自治体の担当者に確認してみるとよいと思います。万一、今までの取り扱いが誤っていた場合でも、自治体の担当者も過去からずっと誤りがあったという事態はできる限り避けたいので、例えば、減免要綱を現状に合うよう改正するなど穏便な解決方法を真剣に考えてもらえます。(もし、住民に間違いを指摘されれるなど、公になれば穏便に解決することはできなくなります。徴収過大であった場合は、返還するよう必ず指導されます。)

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  自主事業は、基本的には、利益が目的ではなく、施設の利便性を向上させることや施設に親しみを持ってもらうことが目的です。ただ、利益を上げることが目的でないと言いながら、実際には、利益が出てしまうことがあります。先日も、次のような相談をいただきました。

相談例

 自主事業でイベントを実施し、入場者が予想よりもはるかに多かったために、約百万円の利益が出ました。この利益一部を臨時ボーナスとして職員に還元しようとしたところ、自治体から「自主事業で利益を上げるのは好ましくない。ましてや職員の臨時ボーナスにするということは、この自主事業がはじめから利益を目的としたものであるとみなされてもやむをえない。臨時ボーナスを出すのであれば、次年度以降、ボーナス相当分の指定管理料を減額する。」と通告されました。なんとか指定管理料を減額されずに職員に報いることはできないでしょうか。 

 相談をいただいた指定管理者の心情は十分理解できます。職員が頑張ったおかげで利益が出たのですから、この一部を還元しなければ、職員のモチベーションが上がりません。一方で、自治体の言い分も全く的外れというわけではありません。自主事業はあくまで指定管理業務本体ではなく、本業に支障にならない範囲で行う業務です。これで、利益が出たからと言って、それを職員にボーナスという形で分配することは、職員が本業そっちのけで、自主事業に力を入れることを認めてしまうことになりかねません。

  自治体が指定管理料減額まで持ち出すのは、相当強硬に反対しているということで、これを無理に中央突破することは、自治体の心証を著しく悪化させます。なんとか、自治体が「やむをえない」と黙認できる理屈を用意して説得するしかありません。

  私は、ボーナスではなく、超過勤務として職員に支払うようアドバイスしました。つまり、「自主事業の利用者数が予想以上に多かったため、職員が相当時間残業せざるを得ませんでした。この残業分の給料(賃金)を支払います。」という理屈で自治体を説得するのです。残業分の給料(賃金)を支払うことは労働基準法上当然のことなので、自治体としても、指定管理者が適法な残業代を支払うことに正面から反対できません(適法な残業代を支払ったことを理由に指定管理料を減額するようなことを行えば、議会等から大きな非難を浴びることになります。)。

   自治体の担当者は、最初からの経緯を知っているので、この残業代が事実上、ボーナスであることは十分承知していますが、それでも、最終的には黙認してもらうことができました。 

   役所には、独特の考え方や発想があり、みなさんが戸惑うことが多々あると思います。そのような場合に、自治体担当者と口論するだけでは、何の解決にもなりません。なんとか、自治体担当者の真意を探り、自治体が「やむをえない」と黙認できるような理屈を考えて、あきらめずに説得することが大切だと思います。

    

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 今年度は、事実上の指定管理者制度導入初年度である平成18年度から5年目に当たるため、全国の多くの施設で指定管理者の公募が行われました。このため、初めて指定管理者に選定された企業・団体の方もたくさんいらっしゃると思います。当社が応援させていただいた企業でも、これまで全く指定管理の実績がなかった2社がはじめて指定管理者に選定されました。(ほかにも結果待ちの案件があります。これもなんとか当選してほしいと祈るような気持ちです。)

 初めて指定管理者に当選された企業・団体の方はもちろん、引き続き指定管理者として選定された企業・団体に方にも知っていただきたいことを5回に分けてご紹介します。    

 審査会で指定管理者に選定されている状況は、まだ内定段階に過ぎません。まずは、11月(12月)議会の議決を得て(役所用語で指定管理者の指定(「選定」ではない)と言います。)、議決後に自治体と基本協定書を締結して、正式に指定管理者となります。つまり、まだ内定段階に過ぎないということになります。
 
 指定管理者を指定する議案が議会で否決される確率は非常に低いと考えてよいのですが、それでも、全国的に見れば、否決事例は毎年2ケタ程度あります。否決される原因はさまざまで、知事(市町村長)と議会の対立や議会内の主導権争いのように、みなさんではどうにもならない要因がある一方で、職員の傷害事件や飲酒運転事故などの不祥事が要因となる事例もあります。

 せっかく苦労して内定段階までこぎ着けたのですから、みなさん自身の不祥事で否決されるようなことだけは絶対に避けてください。ぜひ、役職員のみなさんの綱紀粛正をもう一度再確認してください。

 なお、言うまでもないことですが、万一、不祥事や重大な交通事故が発生した場合は、早急に自治体に報告してください。報告が遅れ、自治体担当者が新聞(テレビ)やマスコミからの取材で不祥事や交通事故を知るというのは最悪の事態です。万一、不祥事等が発生しても、組織的な事案でない限りは、迅速かつ適切な事後対応を行なえば、議会での否決を回避できる可能性が十分にあります。

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 前回、ご紹介させていただいたように、正式に指定管理者となるのは、議会の議決を得て、自治体と基本協定書を締結した時点です。スケジュール的に言うと、議会の議決が12月中旬、基本協定書の締結がおおむね1月下旬から2月中旬になります。

 指定管理期間は4月1日からの場合がほとんどでしょうから、正式に指定管理者になってから約2か月、短い場合は1か月半で、人員の確保、前指定管理者との引き継ぎ、自治体への年度事業計画書等の提出、4月に実施するイベント等の企画・立案など多くの準備作業を行なわなければなりません。

 これらを2か月くらいの間に行なうことは日程的に非常にタイトなので、今からでも、準備を行ないたいと考えている方もいらっしゃるでしょうが、正式な指定管理者となる前の準備行為は、必ず、自治体担当者と協議した上で、実施する必要があります。(以前、自治体に無断で12月に施設で働く職員の募集した企業が内定を取り消されかけたケースがありました。)                 

 このあたりは非常に大切な話で、民間感覚で言えば、できる限り早く準備にとりかかることが「利用者サービス」にほかならないのですが、役所的に言うと、手続きが終了していない段階での準備行為(役所用語で「事前着手」と言います。)は原則として認められないということになるのです。

 したがって、基本協定書を締結するまでは、法人内での社員研修や内部検討会議などを除けば、準備行為はできないということになるのですが、これでは、あまりに日程的に厳しいので、自治体担当者と協議して、なんとか準備行為の一部だけでも認めてもらうように努める必要があります。
 
 自治体担当者も、日程が厳しいことは十分承知していますので、私の感覚で言えば、議会の議決を得た後(つまり12月下旬以降)であれば、認めらもらえる可能性が高いと思います。

 例えば、「講師の日程を押さえる必要があるので、4月に実施するイベントの業務委託契約を1月中に締結させてください。委託業者には、基本協定書を締結するまで、当社との契約を実績としてホームページで掲載する等の行為を行なわないようきちんと指導します。」というように、事前着手について配慮した言い方で依頼をすれば、議会の議決日以降は、ほとんどのことは認めてもらえるはずです。

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 議会の議決が得られれば、次は、基本協定書の締結です。基本協定書の内容は、指定管理期間中の指定管理料の総額や指定管理者の義務(安全確保、自治体への報告義務など)、撤退する場合のペナルティなどで、極端に言えば(撤退する気がないなら)、指定管理料の総額部分だけ確認すれば十分と言って過言でありません。                                                                             
          

 むしろ、重要なのは、基本協定書を締結するまでのプロセスです。通常、基本協定書を締結する前に、自治体から事業計画書の内容について指示があります。つまり、「事業計画書の○○○部分は、施設の趣旨にそぐわないので、実施しないでほしい。」とか、「事業計画書の○○○部分は、これまでのサービス水準を下回っているので、もっと充実してほしい」とかの指示(自治体から言うと要望)があります。

 基本協定書締結前は、正式な指定管理者ではないので、率直に言って、よほどの無茶な内容でない限りは、自治体からの指示を拒否することは難しいのが現実です(拒否すれば、自治体は第2交渉権者と交渉を行なう可能性が出てきます。)。このため、ある程度は自治体の要求を受け入れるしかありませんが、自治体の指示の目的や趣旨をよく理解する必要があります。

 以前にご紹介した(自治体からの要求(その1))で紹介したように「受付カウンターと受付スタッフを新たに設置してください。」という自治体の指示を「電話子機設置など」を逆提案して認めてもらった事例など、自治体の指示が具体的である場合ほど、目的や趣旨を探れば、妥協できる範囲での解決策が見つかる可能性が高まります。自治体からの指示を鵜呑みにして、イエスかノーか回答するのではなく、ぜひ第3の解決方法も模索してみてください。

 なお、以前にも説明したのですが、基本協定書は、法律上は契約書ではありません。したがって、印紙は添付する必要はなく、万一、自治体担当者から、印紙を添付するよう求められた場合は、国税庁が「印紙の添付は不要」という正式見解を出している旨を説明してください。

                         
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 指定管理者に指定されると、基本協定書とは別に、毎年、自治体と年度協定書を締結する必要があります。一部の自治体では、年度協定書の中に、1年間で実施するイベントや達成すべき目標などを記載する事例もあるのですが、多くの場合は、指定管理料の支払金額及び時期を定めるだけと言っても過言でない、簡単な様式に過ぎません。    

 このため、通常は、自治体から、具体的な年度協定書の様式が示され、「これに押印してください。」のような自治体職員の説明で、簡単に押印させられる場合も多々あるのですが、少なくとも、指定管理料の支払時期については変更できる余地があるので、「第1回目の支払時期が遅い」とか、「支払い回数が少なすぎる」などの支払条件が十分とは言えない場合は、交渉するべきです。

 自治体が指定管理料を支払うに当たって、「何回に分けて支払うか」とか「いつ支払うか」とかに関して、条例や規則等でルールが決まっているわけではありません(ただし、前金払いができないというルールは多くの自治体であります。)。ほとんどの場合、支払時期や回数は、例えば、「年6回も支払うのは手間がかかりすぎるので年3回にする」ように、ルールではなく、担当者の裁量で決めているので、交渉の余地があるのです。

 ただ、一般に前金払いは認めてもらえない場合が多い、すなわち、「4月、5月にこれだけ使う予定があるから、5月末にこの分を支払ってください。」というように、支払額の根拠がないと支払ってもらえないことがほとんどです。したがって4月末に第1回目の支払いを依頼しても、4月の支払予定額相当のみしか請求できないので、大きな金額を支払ってもらえるわけではありません。また、自治体にも、企業ほどではないにせよ、資金繰りの問題があり、4月、5月は旧年度の最終支払いの資金需要がたくさんあるため、さまざまな理由をつけて支払いが行なわれない可能性もあります。

 逆に言うと、6月に入ると、資金需要も少なくなり、かつ、固定資産税や自動車税などの税収が入るので、自治体が支払いしやすい条件が整います。したがって、第1回の支払いを6月上旬とし、以後、2か月に1回、すなわち年6回の支払いくらいまでの条件なら、自治体担当者が認める余地は十分にあるということになります。(ただし、指定管理料の金額が少ない場合は、2〜3回くらいにしか分割して支もらえない可能性があります。)

 なお、基本協定書と同様、印紙の貼付は必要ありません。

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 初めて指定管理者になったみなさんが注意しなければならないことはたくさんあるのですが、最も慎重にならなければならない事項のひとつが、貸出施設の政治目的(選挙目的)利用です。特に、来年4月は統一地方選挙があるので、いきなり、トラブルに巻き込まれないよう細心の注意を払う必要があります。

  貸出施設の政治目的(選挙目的)利用とは、貸出施設を選挙の立候補者の演説会や集会のために貸し出せるかどうかという問題で、通常はホールや会議室などの有料の貸出施設を指しますが、これとは別に、例えば、公園や広場のような誰でも利用できる無料施設での集会や出陣式でもよくトラブルが発生します。

  政治利用(選挙利用)目的でのトラブル、特に施設を貸出してはならないケースで、誤って利用許可を出してしまった場合は、許可を取り消せば当該政治家(政党)から、許可を散り消さなければ反対陣営の政治家(政党)からの反感を買い、あとあとまで大きな禍根を残しますので、絶対に避けなければなりません。

   あくまで一般論ですが、選挙期間中の多目的ホールなどの大規模な貸出施設は、名目上は選挙管理委員会が会場を予約し、候補者は選挙管理委員会が事前に作成したリスト(A施設は○月○日に利用可能、B施設は○月○日に利用可能という一覧表)の中から、それぞれの陣営が都合のいい日を選んで施設に予約を入れます。つまり、選挙管理委員会のリストの中に入っている施設・日時から選んだのであれば、貸出してもよいということです。

   ただし、これは、「選挙期間(公示期間)中の大規模な貸出施設」であって、これに当てはまらない場合の対応は、自治体によっても、施設によってもばらばらなので、どのような場合には貸し出せて、どのような場合は貸し出せないか、自治体担当者に事前に必ず確認すべきです。

   また、あってはならないことですが、公式なルールとは別に、例えば、「与党と野党の利用希望日時が重なった場合は、与党を抽選で必ず勝たせる」などの非公式ルールを押しつけられる場合もあります。原則を言えば、このような理不尽なルールには従う必要はありませんが、正論を振りかざして自治体担当者と対決することだけが解決策ではありません。「今回は、指定管理者に指定していただいたばかりなのでご指導に従いますが、いつまでもこのような理不尽なルールが続くとは思えません。次回からはご指導に従えない場合もありますので、ぜひ、今回限りにするようにしてください。」と自治体に「貸し」をつくるのも十分ありうる対応だと思います。

 

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  施設の政治(選挙)利用で難しいのは、「申請書には政治(選挙)利用とは書いてなかったので利用許可を出したが、貸出日当日に見てみると政治(選挙)利用でした」という場合です。

  原則論を言うと、申請が虚偽だったわけですから、利用許可を取り消して、施設利用を認めないということになるのですが、利用日当日に利用許可を取り消して、施設利用を中止させることは大きな混乱を招くので、現実問題としては難しいでしょう。自治体に報告することは当然ですが、自治体担当者も政治関連のトラブルには巻き込まれたくないので、ほとんどの場合は、みなさんの事前調査不足という批判をするだけで、積極的に「利用許可を取り消せ」とか「黙認してよい」とかいう指示はしないでしょう。

   この問題では、よほど悪質な場合を除いて、施設利用を中止させることは難しいことを前提に、事後処理をいかに適切に行うかということが重要です。つまり、当該政治家陣営にも反対陣営にもある程度納得してもらえるペナルティを申請者(政治家ではない)に課すことが必要になります。どの程度のペナルティを課すかは、申請者の背後の政治家が与党か野党か、あるいはどの程度の大物かなどの要素で異なります。これは、自治体担当者ではとても判断できることではないので、なんとか自治体幹部(部長以上)に接触して、アドバイスをもらうことを考えてください。

   このようなトラブルに巻き込まれないためにも、少なくとも、選挙の投票日の1か月前くらいからは、新聞や候補者(政党)のパンフレット等を真剣にチェックしてください。そして、もし、みなさんが管理運営する施設で演説会や決起集会等が開催されるという記事があれば、提出されている利用許可申請が政治(選挙)目的と記載されているか、また、利用許可が適正か(利用許可を出してよい案件か)を再チェックしてください。利用日当日でなければ、特に利用許可申請が虚偽の場合は、利用許可を取り消すということも可能だからです。(この場合でも、自治体担当者とは必ず事前に協議してください。)

 

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  指定管理者が交代する場合、業務の引き継ぎが行なわれます。よくあるのは、4月に入ってすぐに施設・設備に不具合が発生した場合や3月に不具合が発生していたのに放置されていた場合など、前の指定管理者の管理運営の怠慢のツケをなぜ負担しなければならないのかというトラブルです。

   落選が決まった指定管理者の管理運営は、言わば消化試合で、いい加減な管理運営がまかり通っており、特に、利用者からは見えにくい保守点検や維持管理に手抜きが行なわれることが多々あります。

 4月に入って手抜きを発見したとしても、自治体は前の指定管理者を指導することが難しく、みなさんに、「指定管理者として引き継ぎをした以上、前の指定管理者の瑕疵や手抜きの結果もすべて引き継いでいる」と理屈で、新しい指定管理者に負担を求めます。このため業務の引き継ぎは慎重かつ十分に行なうことが必要で、主なポイントは以下のとおりです。

1.自治体担当者を交えた引き継ぎ

 通常、業務引継は、まず、新旧の指定管理担当者が役所に呼び出され、そこで、自治体担当者を交えて引き継ぎを行ない、詳細については、「新旧担当者で随時実施してほしい。」と自治体担当者から指示されます。
  
  引き継ぎに関して、自治体担当者が間に入るのはこの1回長くて2時間くらいなので、ここで、後に現場でできる話をするのは非常にもったいない話です。自治体担当者も3月末までは旧指定管理者にきちんと管理運営してほしいと考えていますので、自治体担当者とタッグを組んで、旧指定管理者が3月31日まで手を抜かないよう牽制を行うことが最大の目的だと考えてください。

2.事前準備と確認

  旧指定管理者に手抜きをされないようにすることが目的ですから、旧指定管理者が何をすべきかをまず知る必要があります。以前の指定管理者公募の際の仕様書があれば一番よいのですが、基本的に仕様書はそんなに変わらないので、なければ、今回の公募の仕様書で、保守点検や維持管理で実施しなければならない項目をあらかじめピックアップしておき、ひとつひとつ、「すでに終了しているのか」、「終了していないものについては、いつ実施するのか」を自治体担当者の前で、確認してください。

   また、すでに終了しているものについては、保守点検や維持管理の報告書を必ず後日見せてもらうようその場で約束を取りつけてください。保守点検していても、交換が必要な部品や修繕が必要な箇所があるとの報告書に記載されているにもかかわらず、放置されていることが多々あるからです。このような報告書を発見したら、自治体担当者に対し、指定管理者に交換や修繕を行うよう指示してもらってください。

3.引き継ぎ要員の派遣

  自治体を交えての引き継ぎが終わったら、担当者を現場に派遣し、実際の業務を見る必要があります。この場合、業務内容を見学することも大切ですが、どの職員が中心となって管理運営が行われているかをチェックしてください。

   通常、4月1日から、全職員を入れ替えて業務を行うことは非常に難しいことです。このため、できれば、最低1人は、これまでの職員を雇用することが望ましいと思います。ただ、だれを雇用するかは非常に重要な問題で、ここで戦力にもならない職員を雇用しては、あとあとまで多大な苦労をしなければなりません。なんとか、中心となる職員を割り出すことが必要です。社員を何日も現場に派遣することは厳しい場合もあるでしょうが、ここで、手間を惜しむことは避けるべきだと私は思います。

4.3月下旬に行うこと

 3月下旬は、4月に実施するイベントや職員の事前研修、自治体への各種提出書類や新規雇用者の社会保険手続きなどなどやることがたくさんあり、とても忙しくなります。このような時期に大変だとは思いますが、ぜひ、施設のあらゆる部分の写真を撮るようにしてください。これは、4月以降に、施設・設備に不具合が発生した場合に、前指定管理者の瑕疵や怠慢の証拠となる可能性があるからです。引き継ぎが終了すれば、不具合の処理は引き継いだ側がやらざるを得ませんが、もし、万一、事故が発生した場合に、写真が残っていれば、責任者を明確にできる可能性があります。刑事責任などのリスクを軽減するためにも、多くの写真を残しておくべきです。

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  年金問題で一時期、社会保険庁が「分母対策」を実施していました。これは、国民年金の納付率を上げる対策として、納付者(「分子」)を増やすのではなく、年金納付義務の免除などにより、支払義務者(「分母」)を減らして、納付率を上げようということを意味します。年金未納問題の解決には全くつながらない方法なのですが(見かけの納付率が上がり)、国会対策などで意味があるということで、真剣に行われていたようです。  
 

 文化施設や展示場を管理運営されているみなさんは、社会保険庁のやり方を真似できます。つまり、予約が入っていない日に清掃やメンテナンス業務を入れることにより、その日はそもそも貸し出すことが出来なかった、つまり、稼働率の分母には入らないという理屈づけを行った上で、稼働率の計算を行うのです。

  大ホールや大型展示場をご利用いただこうと思えば、どんなに遅くとも、2か月前には予約が入る必要があるでしょう。つまり、現時点(2月)で入って予約が入っていない今年度の営業日にはもう予約が入る可能性はほとんどないはずです。このような場合に、予約が入っていない日を清掃やメンテナンスに充てれば、稼働率計算の分母から外すことができ、稼働率を上げることができます。

  例えば、年間218日の利用があった場合に、分母が365日なら、稼働率は59.7%ですが、清掃やメンテナンス等を理由に5日を分母から除けば、稼働率を60.6%に上げることができます。

   管理運営の本質とは全く関係がないことですが、この例のように、分母対策で、稼働率の十の位の数字を変えられる場合や前年度の稼働率を上回れる場合などは、次回公募対策やモニタリング対策として、ある程度の意味があることだと思います。

 なお、稼働率を上げるために実施するだけなのですから、清掃等を外部業者に委託して経費をかける必要はありません。職員が行ってください。
 

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  仕事柄、多くの施設の先進事例をさまざまなルートで集めています。情報を集めていて思うのですが、とてもよい取組みを行っているにもかかわらず、全く報道されていない施設もあれば、そんなにすごい内容ではないのに「○○イベントが開催されました。」のような報道が日常的に行われている施設もあります。 

   みなさんは、マスコミの報道を「施設のイベント等を無料でPRしてもらえるのでありがたい。」と考えているだけかもしれませんが、実際には、それと同じくらい大きなメリットがあります。それは、自治体職員、特に幹部職員の印象が良くなるということです。

  私がかつて担当していた施設でも、新聞の地域版に小さい記事がたまに掲載されている施設は、他のほとんど報道されない施設より、管理運営の実態以上に役所内で高く評価されていました。自治体職員はマスコミから批判されることがほとんどなので、自分のことではないにせよ、所属する部局の施設がよい意味で報道されることは、たとえ小さな記事でも喜ばしいという発想が多くの職員にあるのだと思います。

   このことは、新聞やテレビなどにみなさんの施設のイベントや自主事業が報道されるということが次期公募対策として大きな意味を持つということになります。多くの自治体では庁舎内に記者室があって、そこに、自治体職員以外でも、イベントの案内などを提出することができます(役所用語で「資料提供」または「資料の投げ込み」と呼ばれます。)。

   もちろん、資料提供すれば、必ず報道されるとは限らないのですが、マスコミもいつも豊富に記事のネタを持っているわけではないので、こまめに資料提供していけば、年に何回かは報道されるでしょう。おそらく、冒頭に記載した、そんなにすごい内容でもないのによく報道されている施設は、日常的に資料提供を行っているはずです。これも、指定管理者の努力のひとつだと私は思います。

 なお、記者室に資料提供する場合は、必ず、事前に「このような資料を記者室に提供します。」と自治体担当者に報告してください。

 

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  利用者数の増加や減少は指定管理者の評価の重要な指標ですが、みなさんは、いつの時点と比較して増減を判断すべきかをご存じですか。実は、自治体が議会対策としてみなさんを評価する場合と指定管理者選定(つまり公募)のために評価する場合とでは基準になる年度が異っており、この違いを知ることは非常に重要です。

(1) 議会対策

 ほとんどの指定管理者はセルフモニタリングやモニタリングの一環として、毎月の利用者数や稼働率を自治体に報告しています。毎月の数字がなぜ必要かというと、建前は別にして、自治体の本音は議会対策です。議会で質問されるのは、ほとんどが前年度との比較なので、毎月のセルフモニタリングやモニタリングでの自治体担当者の関心は「前年度と比較して利用者数や稼働率がどうなっているか。」すなわち、比較の対象は前年度ということになります。

(2) 指定管理者選定

   指定管理者選定のための評価に使用する場合の基準年度は、今回の指定管理期間が始まる直前の年度、すなわち、平成21年度から管理運営が始まっているのであれば、平成20年度の数字ということになります。これは、例えば、今回の指定管理期間が平成21年度〜23年度であり、その前の指定管理期間である平成18年度〜20年度も同一法人が指定管理者となっていたとしても、やはり、20年度の数字が基準となります。

 一般的に言うと、自治体は、毎月の報告書は議会対策として、年度報告書は指定管理者の評価の基礎資料として使用しています。したがって、毎月の報告では前年同月との比較が、年度報告書では、今回の指定管理期間が始まる前との比較が重要であるということになります。

  特に、23年度に公募を控えている指定管理者のみなさんにとって、この4月に提出する年度報告書は、公募の勝敗に直結する重要書類です。万一、22年度の利用者数や稼働率が指定管理開始の直前の年度と比較して減少しているのであれば、22年度もあと1か月あるのですから、なんとか、挽回するよう最大限の努力をしてください。

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  東日本を巨大地震が襲いました。阪神大震災が発生した際、少しの間、兵庫県庁の事務をお手伝いした経験があるのですが、その時の惨状は今でもはっきり覚えています。今回は、津波と原子力発電所の事故というあの時にはなかった要素が加わっているのですから、住民のみなさんの苦悩は尋常ではないと思います。1日も早い復興を祈らずにはいられません。

   ところで、福島第1、第2原子力発電所の停止により、関東では計画停電が行われるようです。まだ、情報が混乱しており、詳細は判明していませんが、関東地区をいくつかのグループに分け、3時間程度ずつに区切って順番に停電が行われると報道されています。これは、施設を管理運営するみなさんにとっては一大事です。   

   報道によると、福島第1原子力発電所の1〜3号機には海水が注入されています。私は原子力の知識は全くないのですが、塩分や不純物が含まれる海水を注入した原子炉が再び稼働するのは相当な時間が必要なことは間違いないでしょう。停止中の火力発電所や点検中の福島第1原子力発電所4号機〜6号機が稼働すれば、計画停電はいったん終了するかもしれませんが(注:その後4号機にもトラブルが発生しているようです。)、ただでさえ、地球温暖化の影響で首都圏の夏の電力需要は供給上限ぎりぎりなので、普通に考えると、今年の夏に計画停電が行われる可能性はかなりあるように思います。

   最も多くのお客様が見込める夏休みに1日3時間もの計画停電が行われるとすれば、施設の利用者数に大きな影響が出ることは避けられないでしょう。

   ちょうど、今は、自治体と23年度の年度協定書の締結作業を行っている時期だと思います。今回の計画停電の範囲に入っている施設の指定管理者のみなさん、特に利用料金制度が導入されている施設のみなさんは、計画停電が行われて大幅に利用者数が減少した場合の対応を取り決めるよう自治体に申し入れを行うべきです。

  自治体から「詳細がわからないことを協定には入れられない」と言われるかもしれませんが、「計画停電があった場合は、指定管理料、開館日、開館時間などを別途協議する。」という条項を入れるだけでも意味がありますので、ぜひ主張するようにしてください。

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 年度末は、施設賠償総合保険の更新時期です。保険業界では、指定管理者制度は新しい制度なので、保険の種類は少ないにも関わらず、保険料は本当にバラバラです。ある指定管理者が、つい最近、保険会社から見積もりをとったのですが、5ヘクタールほどの野鳥公園の保険料が年間140万円というものでした。    

 これは明らかに高すぎるので、保険会社に確認したところ、野鳥公園を「サファリパーク」というカテゴリーに当てはめて保険料を計算していたとのことで、猛獣がいないことはもちろん、普通の公園と何ら変わらないことを説明すると、保険料が年間10万円弱に下がりました。

 これは極端な例ですが、まだまだ、多くの保険会社で指定管理者制度の認知度は低く、おそらくは、既存のなんらかのカテゴリーに無理やり当てはめて保険料を計算しているのが実態です。このため、私の経験で言うと、事故を起しやすい小さな子どもがあまり利用しない施設は、施設の利用状況を詳しく説明すると保険料が下がることが多いようです。更新を機会に一度保険料の積算根拠を詳しく聞いてみると、保険料が下がるかもしれません。多額の保険料を支払っている指定管理者の方は一度トライしてみてください。

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  少し遅くなりましたが、平成23年度になりました。今年度も当社のホームページをご覧いただいている多くのみなさんにできる限り役に立つ情報をご紹介しようと思います。よろしくお願いします。

  東日本大震災による計画停電や原子力発電所の事故など、関東地方や東北地方の指定管理者のみなさんは、予想もしなかった問題に直面しています。当社にも、つい最近まで、利用料金制度が導入されている施設の計画停電による利用者(利用料金)減少の問題に関するご質問をたくさんいただきました。

 最近の報道によると、政府では、この夏は計画停電ではなく、どうも輪番制などによる節電でなんとかしようと考えているようです。今のところ、自動車産業や百貨店などが輪番制を検討しているようですが、民間企業が対象になる以上、公の施設、特に文化施設、貸館施設、温水プールなどは、休館日を増やす、または営業時間を短縮するよう求められることを覚悟しなければなりません。

  夏休みのような利用者の多い時期に休館日を増やしたり、営業時間を短縮することは、利用料金の減収につながり、特に、利用料金制度が導入されている施設には大問題です。

  もしかしたら、みなさんは、募集要項の天災時のリスク負担の規定を根拠に利用料金の減少分を自治体が補てんしてくれると考えているかもしれませんが、難しいことの方が圧倒的に多いと私は思います。

   例えば、神奈川県のある施設の募集要項のリスク分担表です。

 「県のリスク負担:不可抗力に伴う施設・設備の復旧経費及び業務履行不能」

  この規定では、神奈川県がリスクを負担するのは、不可抗力による施設・設備の復旧経費及び業務履行不能としか記載されていません。損失補てんは「復旧経費」ではありませんし、営業時間が週に1日程度短くなったことをもって「業務履行不能状態」とは解釈できないでしょう。つまり、この規定を根拠にして損失補てんを行うのは、まず無理です。

  もちろん、自治体職員の中には、みなさんの立場に理解を示してくれる方も少なくはありません。ただ、一方で、もし、民間の体育施設や貸館施設が輪番制により利用者が減少したとしても、また、製造業や百貨店の売上げが減少したとしても、行政による補てんは一切ありません。その中で、たまたま公の施設を管理運営している指定管理者だけがなぜ補てんを受けるのかという議会や住民の疑問をクリアーするのは非常に難しいという事情があるのです。

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  輪番制による利用料金収入の減少を自治体に補てんしてもらうことが難しいことは前回ご説明しました。だからといって、多くの企業や家庭が協力する電力使用量の削減に協力しないという姿勢は、公の施設の管理者として許されません。なんとか、損失を最小限に食い止める方法を考えるしかありません。

   詳細が定まっていない現段階で、対策を立てるのは難しい面もありますが、直前になっってからでは、間に合わないこともありますので、できる準備はしておくべきだと思います。 

   もちろん、一番重要な検討事項は、休館日の増加と営業時間の減少のどちらの方法で節電するのかというだと思いますが、これは、施設によってさまざまですので、ここでは省略します。

   ただ、自治体と協議する以上は、根拠が必要です。休館日の増加と営業時間の減少のいくつかのパターンをシュミレーションして、「この方法が、利用者への迷惑を最小限に抑えることができる」という方法を、データで示す準備をしてください。(なお、自治体には「指定管理者の損害を最小限にする」ではなく、「利用者への迷惑を最小限に抑える」という言い方をしてください。)

   できることなら、検討していただきたいのが、電気を使用せずに営業する日や時間帯を設けることです。文化施設は無理でしょうが、貸館施設やスポーツ施設なら、日中は電気なしでも営業できるかもしれません。

   この場合、電灯や冷房が使えないのですから、利用料金を下げないと利用者に納得してもらえません。特に、利用料金が条例や規則で決まっている場合は、利用料金を下げることを自治体に認めてもらうだけでも相当な時間がかかります。(遅くとも5月中には自治体と協議を始める必要があります。)

   場合によっては、電池式のドライミストやのポータブル扇風機を購入したりすることも検討しなければなりませんが、これも6月や7月に発注するのでは、品薄状態になっている可能性が十分にあります。(そもそも電池が品薄になる可能性も否定できません。)

   いままでなかった事態ですから、どこで思わぬ事態が待ち受けているか想像もつきません。このような中で、早め早めに対応を行い、マイナスの影響を最小限に抑えることができれば、指定管理者としての評価を高めることは間違いありません。

 

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 東日本大震災で、宮城城県内の海岸線からわずか500mの所にある保育所の園児が全員、津波から逃れることができたことが報道されていました。その保育園では、毎月1回避難訓練を実施しており、訓練を行う中で、市道を通って定められた避難場所に行くのでは、園児にとって距離が長すぎると感じ、畑を横切って近道するべきと判断して、事前に当該農家の了解を得ていたそうです。震災当日は畑を横切って避難したそうですが、これでも津波到来とタッチの差だったというのですから、市道を通って避難したのでは間違いなく被害が出ていたでしょう。訓練から学んで、よりよい方法を模索したことが全員無事という結果につながりました。  

  公の施設でも、通常、指定管理者が危機管理(緊急対応、防災)マニュアルを作成しているはずです(万一、ないのであれば早急に作成してください。)。私がモニタリングを行っていた時は、指定管理者の方にマニュアルを見せてもらい、それがいつ最終改訂されたかを確認していました。

 防災訓練や研修を真摯に行えば、うまくいかなかったり、もっと改善できたりする点が見えてくるはずです。にもかかわらず、1年以上マニュアルの改訂が行われていないということは「防災訓練や研修の実施内容や検証が十分でない」ということだと、指定管理者にはいつも言うようにしていました。ずいぶん乱暴な判断のように思われるかもしれませんが、現実にマニュアルを改訂していない指定管理者の方に防災訓練を行っての反省点や改善点を聞いても詳しい回答が返ってきたことがないので、ある程度は当たっていると考えています。

 
みなさんも、マニュアルの改訂状況を一度チェックしてみてください。危機管理マニュアルに限らず、定期的に改訂が行われていないマニュアルは形骸化したマニュアルと言っても過言でないと私は思っています。

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  ここ数年、誰もが知っているような有名な銀行、病院、検索サイトなどでの個人情報流出事件が報道されており、最近でも、某大手電機(ゲーム)メーカーでの大量の個人情報流出が日本だけでなく、世界中で問題になっています。このケースは、高度な技術を駆使したハッカーの侵入が流出の原因のようですが、通常、流出原因のほとんどは、USB等の紛失・破棄、職員による持ち出しなどで、注意を払っていれば、基本的には防止することが可能なものです。

  ただ、言うのは簡単ですが、それなりにセキュリティがしっかりしている大手企業でも流出がなかなか防止できないのですから、不特定多数の住民の方が利用する公の施設で、個人情報を保護するのは簡単でないという現実は、ぜひ認識すべきです。1年に1回の研修だけでなく、普段からの努力が必要な事項だと思います。

   特に増加傾向にあるのが、ブログやツイッターによる個人情報の流出です。最近も、有名ホテルのアルバイトが個人のブログで某サッカー選手と女性アイドルが一緒にホテルに来ていたことを記載してしまい、問題となりました。内容は「〇〇選手はかっこいい」「〇〇さんはテレビで見るよりかわいい」など悪意のあるものではありませんでしたが、結果として、ホテルの信用が大きく失われる重大な個人情報流出となってしまいました。

   みなさんの施設の職員にもブログやツイッターを行っている方がたくさんいらっしゃると思います。施設でのできごとを個人的にブログやツイッターに載せる場合には、個人情報保護に細心の注意を払う必要があることを、職員全員で一度は確認してください。

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  最近、老眼の症状が出てきました。結構ショックなことでしたが、自分が当事者となって、新たに感じること、見えてくることもあります。例えば、JRの指定席券ですが、券面の座席表示の「1A」とかの文字が小さくて読めません。新幹線を予約するエクスプレスカードの会員番号はさらに小さくて、パソコンや携帯電話から入力する時に本当に苦労します。

   一方、関西のある私鉄では、座席指定の文字が、JRの2倍以上の大きさで印刷されており、今の私なら老眼鏡がなくても十分に見えます。私が学生のころ(20年以上も前)からこの大きさでしたから、ずいぶん前から行き届いた配慮がなされていたのだとあらためて感心しました。これが理由のすべてではないですが、以前とは異なり、関西国際空港に行く場合などは、この私鉄を利用することが多くなりました。

   高齢化社会を迎えみなさんの施設でも、多くの老眼の方の利用があるはずですが、それにしては、利用許可申請書やパンフレットなどの文字や記載欄が小さすぎるという公の施設がまだまだ多いように思います。(記載欄が小さいと必然的に記載する文字が小さくなり、自分で書いた文字が見えないため、きれいに字が書けません。)

   「受付に老眼鏡を設置してある」という施設も多数あります。、私もこれで十分と思っていたのですが、自分が当事者となってそうではないことに気づきました。眼科の先生に聞いたのですが、ほとんどの人が最初は老眼を受け入れられません(私もそうでした。)。このため、本当に日常生活に支障が出るまで老眼鏡をつくろうとはしませんし、ましてや受付に置いてある老眼鏡を堂々と使うことなどあり得ないことです。「老眼鏡を準備しているのだからこれを使えばよい」という施設側の論理を押しつけるのではなく、「他人の目がある場所で老眼鏡は使いたくない」というお客様の心情を理解することも指定管理者として必要なことだと思います。

   なお、利用許可申請書の様式は自治体の規則や要領等で決まっている場合が多く、みなさんで勝手に変更できませんが、様式の余白や施設側使用欄などのサイズをできる限り小さくして、その分、文字やお客様記載欄を大きくするなどの工夫はできます。(余白や文字のサイズを変えることは、規則・要綱違反ではありません。)

  このような小さな努力が施設の評価を高め、場合によっては、最初に紹介したJRと私鉄の例のように利用者の拡大にまで結びつくことまで可能性があります。みなさんもぜひ検討してみてください。

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 上場企業である光学機器メーカーや製紙会社の不祥事が報道されています。あまりに話が大きいので、別世界のできごとと考えがちですが、自治体の担当者から見ると、「上場企業でもあのようなことが起こるのだから、指定管理者でいつ発生しても不思議でない」というのが率直な感想で、特に民間企業については、これを機会に厳しく指導した方がよいと考えている担当者が数多くいるはずです。 

  かつて、私も指定管理者のコーポレートガバナンスや内部統制について、モニタリングでチェックした経験があるのですが、正直、自治体が考えている水準にはほど遠いレベルでした。指定管理者のみなさんも今後、自治体からチェックされる可能性があると思うので、一度見直してみたらと思います。

  コーポレートガバナンスで重要なことは、「業務規定・マニュアルの整備」、「承認システムの整備」、「分業の実施」、「定期的な人事異動」「外部人材による監査」などたくさんあるのですが、民間企業の指定管理者で、私が一番欠けていると感じるのは「承認システムの整備」です。例えば、業務を外部委託する場合、1人の担当者が業者を選定し、契約金額・内容等を決めて契約書を締結し、支払いを行うというようなことがあってはなりません。

   まず、契約を締結する場合は、例えば、20万円未満は施設長、20万円以上100万円以下は本社総務部長、100万円以上は本社社長というように決裁権限を定め、必ず上席者が担当者のチェックを行わなければなりません。ほとんどの民間企業の方は口頭で報告しているとおっしゃるのですが、それは、少なくとも自治体が考えている水準ではなく、きちんと稟議文書を作成し、チェックした証拠を残しておくことが求められています。
 

   また、「契約締結」と「支払い」は別の事務処理です。すなわち、契約を締結していても、外部委託業者が契約どおりの仕事をしたことを確認し、それを上席者がチェックしてはじめて支払いができます。これも、口頭ではなく文書等で残すことが重要で、結論として、小口現金で消耗品を購入するような契約と支払いが同時に行われるものを除けば、物品購入や外部委託などは契約時と支払時の最低2回、稟議文書が必要ということになります。(「最低2回」と書いたのは、大規模な委託業務などで中間払、概算払などを行う場合は、支払いごとに稟議文書が必要という意味です。)

   正直、自治体が考えている水準での内部統制システムが確立している民間企業は少ないと思います。当然ですが、コストや手間の問題があるので、なにもかも自治体が求める水準で行う必要はありませんが、できる限り自治体の考える水準に近づけることで、自治体担当者の評価を上げることができますので、検討してみてください。

  なお、どのような承認システムを構築すればよいかは自治体担当者に聞けばある程度は教えてくれます。モニタリングで指摘されるよりは、それ以前にたずねる方が心証がよいので、自治体担当者に相談するのもひとつの方法だと思います。

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  たまたま読んでいた本で、次のような武田信玄の言葉を目にしました。
 「戦いは、六分か七分勝てばよい。八分の勝利はすでに危険であり、九分、十分の勝利は、味方の大敗を招く下地となる。」 学生時代、大河ドラマの武田信玄を欠かさず見ていたので、はじめて聞くフレーズではないと思うのですが、心にも残らなかった昔とは違い、今はその意味がよくわかるような気がします。 

  指定管理の公募でも大差で勝つことがあります(今年、弊社がお世話した案件でも4件は大差で指定管理者に選定されました。)。おそらく多くの方が、接戦よりも大差が望ましいと考えていると思いますが、冒頭の言葉のとおり、勝ちすぎたことによるリスクあることを知っておくべきです。

  おそらく、武田信玄は、勝ちすぎることが次の戦いで、武将や兵士の油断を誘発しやすいということを言っているのでしょう。これは指定管理でも全く同じで、特に今年度(23年度)は、前回大差で勝った法人が今回の公募で敗れるということが、私の把握している事例だけでも結構ありました。

  もちろん、敗れた要因はさまざまと思いますが、前回の公募結果を過信して管理運営の努力や次期公募対策を怠ったというケースもあったはずです。また、審査で評価が高かったということは、その分、自治体側の期待も大きいということです。期待が大きい分、例えば、事業計画書に記載した事項の一部を実施しない等の不手際があれば、失望も大きくなり、結果的にその指定管理者の実力よりも低く評価され、公募でマイナスに働いたということもあったのではないかと考えられます。

 いくら大差で勝っても、その点数を次回公募に繰り越せるわけではありません。むしろ、「役職員の油断が生じやすい」、「自治体の期待値が高く、一歩間違うと大きな期待が大きな失望につながりやすい」という大差勝ちゆえのリスクがあることを役職員のみなさんで共有して、次期公募に向け努力していただきたいと思います。

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  あけましておめでとうございます。昨年は、本当にたくさんの仕事をいただき、その影響で、なかなかホームページの更新ができませんでした。今年は、少なくとも、月2回は更新しようと思っています。時間があるときに読んでいただければ幸いです。

   少し早いのですが、24年度の指定管理公募の傾向について、私が思っていることをご紹介します。24年度は公募件数が非常に少なく、22年度や23年度の半分以下です。これは、指定管理期間が3年もしくは5年の施設が非常に多いことが原因で、多くの施設で指定管理者制度が導入された平成18年度から7年目となる24年度は、3の倍数の年でも5の倍数にも当たらないからです。(25年度も3や5の倍数の年ではないですが、こちらは、当初3年だった施設が20年度の更新時に指定管理期間を5年に延ばしたケースがかなりあるので、公募件数は、24年度よりはるかに多くなります。)

   公募件数が少ないと、参入側のチャンスが少なくなることは容易に想像ができますが、24年度に更新を迎える現在の指定管理者の方にも少なからず影響があると考えるべきです。

   指定管理業務を全国展開している大手企業には、指定管理専門部署があって、毎年、指定管理の新規案件(もしくは、指定管理料)のノルマが決まっています。このノルマは、公募件数が少なくなるからといって減るわけではありませんから、これまで大手企業が見向きもしなかった地方都市の小さな案件にまで大手企業が応募するという事態が24年度は激増することが考えられます。つまり、強力なライバルが現われることをある程度覚悟しなければならないということです。

  もちろん、大手企業が応募する可能性があるからといって、過度に恐れる必要はありませんが、少なくとも、利用者が減少しているようでは苦戦は免れません。23年度もあと3か月あります。今年度の利用者が減少傾向にあるのであれば、この3か月、極端に言えば、職員が自ら利用してでも利用者を増やすという姿勢で臨むべきだと思います。

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  最近、全国各地の指定管理者のみなさんから職員研修のご依頼をいただき、指定管理者の基礎知識や全国の動向・先進事例など、さまざまな内容でお話をさせていただいています。その時、研修に参加している方、特に現場の方に、「自らの施設がどのような事業計画書を自治体に提出し、どのような業務を行うことを提案しているのか」をお伺いするのですが、驚くほど答えが返ってきません。「事業計画書を見たことがない」という方も多数いらっしゃいます。 

   警備や清掃に携わるスタッフならまだしも、現場の主要な業務を担う方が事業計画書を見たことがないというのは、自治体職員からすると、自分の党が作成したマニュフェストを読んだことがない国会議員がいるのと同じくらいショックなことです。

   おそらく、事業計画書は、法人のノウハウが多数含まれているので、外部流出のリスクを考えてすべての職員に見せていないのでしょうが、そうであっても、外部に出ても支障がない範囲のダイジェスト版を作成し、現場職員に周知すべきです。

   私は現指定管理者の指定管理応募のコンサルティングを行う場合に、現場の方のアイディアをできる限り引き出すよう努めています。それは、本部や私が思いつくアイディアは所詮、外野で考えたアイディアに過ぎず、参入しようとする側も思いつく可能性があるからです。その点、現場から出てきたアイディアは、現場ならではの視点で、外野で思いつくことは困難なものが多数あり、これを活用することで、確実に他の応募者との差別化を図ることができるからです。

   現場から多くのアイディアが上がってくるための第一歩は、現在の管理運営の全体像を伝えることです。管理運営の改善はもちろんですが、次期公募対策のためにも、現場の方に今の 事業計画書の内容を理解してもらうことは大切だと思います。

                              
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 24年4月からはじめて指定管理者となる団体の方から以下のようなご質問をいただきました。

 年中無休の施設の中に、軽食レストランがあり、従来は、レストランのみ水曜日は休業していました。事業計画書で、レストランも年中無休にするよう提案しましたが、指定管理者同士の 引継ぎで、「水曜日のお客様はそもそも少なく、その上、ほとんどが遠足(弁当持参)なので、 レストランを営業してもお客様は期待できない。」との説明を受けました。自治体と交渉してこれまでどおり水曜日をレストラン休業日とすることは可能でしょうか。 

  事業計画書に記載した内容は選挙の公約と同じで簡単に反故にすることはできません。事業計画書で提案したサービス水準の切り下げを自治体と交渉することは、できる限り避けなければなりませんし、交渉せざるを得ない場合でも慎重な対応が必要です。

  今回の場合、これまでのサービス水準は維持されるのですから条例や規則上の問題はないと考えられますが、基本協定書を締結したすぐ後に、サービス水準の切り下げを交渉するのは 自治体職員の心証を悪くすることは間違いありません。

  私は、以下のように回答しました。

   事業計画書に記載した以上、まずは、少なくとも3か月、水曜日もレストランを営業し、利用促進の努力をするべきです。3か月、水曜日の施設の利用者数、遠足の利用者数、遠足のうち 弁当持参の割合、レストランの利用者数などのデータをできる限り集め、「このデータで見る限り、仮に水曜日の施設の利用者数が2倍になっても、水曜日のレストランを黒字にすることはできません」というようなデータを作成した上でないと、自治体と実質的な交渉はできないでしょう。

  施設のサービス水準切り下げは、自治体担当者も上司の決裁を得なければなりません。何のデータや根拠もなく、単に引継ぎの話だけを持って行っても、自治体担当者も上司を説得する材料がないので、交渉のテーブルにも着けない可能性が非常に高く、単に自治体の心証を損ねただけという結果になりかねません。なんとか「やむを得ない」というデーターを無理矢理にでも作成した上で交渉するのが基本だと考えてください。(2012.3.9)

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  指定管理者のみなさんは年度が終了すると、年度報告書(年次報告書)を自治体に提出しなければなりません。締め切りが年度当初の多忙な時期に当たるので、ついつい手抜きしがちですが、年度報告書は自治体職員が指定管理者を評価する基礎となる資料です。ですから、ぜひ、自治体職員の評価を高めるような報告書を提出して、次期公募を有利に導いてください。

1.締切日までに提出する

   私はかつて6施設の指定管理担当係長でしたが、年度報告書に限らず、さまざまな資料作成依頼も含めて、常に締切日までに提出する指定管理者から、一度も締切日までに提出したことがない指定管理者までほんとうにいろいろでした。当然のことですが、締切日までに  提出しない指定管理者の評価は下がります。4月は、役所の人事異動があり、特に、新たに担当係長や担当者になった職員は、まだまだ知識が乏しいため、提出が遅れると業務(上司に提出する資料など)に大きな支障が生じます。自治体から要求された資料やデータは締め切りまでに提出することが大原則です。特に自治体職員の異動がある4月は絶対に締め切りを守るべきですし、1日でもよいので締切日前に提出するとかなりの確率で印象がアップします。


2.利用者数・稼働率の報告

   23年度は震災による自粛ムード、計画停電や節電、猛暑、大雪など、非常に厳しい要因が多かったので、利用者数や稼働率が前年度に比べて下がっている施設も相当数あるのではないかと思います。このような場合に、利用者数・稼働率が下がったという事実だけを報告書に記載するのは、評価を落とします。当然ですが、利用者数・稼働率が落ちた原因の分析が必要です。東北地方や関東地方の一部を除けば、震災による自粛ムードによる減少は23年4月、5月くらいまでが限界で、6月以降も利用者数・稼働率が減少しているのであれば、年間を通した減少理由としては無理があります。

 猛暑や大雪は「これまでの例では、最高気温が35度を超えた日は、利用者数が○○%程度減少します。今年度は、夏休み期間中35度を超えた日が○○日ありました。これは、22年度に比べ、○○日多く、これにより、○○○人程度の減少があったと考えられます。」というように数字を入れた具体的な説明が必要です。

   また、減少の理由を説明するだけでは十分ではありません。いかなる理由があるにせよ、利用者・稼働率が減少したという結果が出ているのですから、何らかの対策を記載する必要があります。新たなイベントの開催、新たなサービス向上策の実施、広報の充実など、多額の経費をかける必要はないので、23年度とは違う新規事業を実施することを報告することが必要です。

3.アンケート結果

   アンケート結果は、月次報告書で報告しているかもしれませんが、重複しても構わないので、年次報告書にも記載してください。ほかのコラムでも書いたのですが、自治体は、みなさんが考えている以上に利用者アンケートの結果を重視しています。このため、利用者数・稼働率が下がっている場合でも、利用者アンケートの結果が前年度よりも向上していると、「もう少し見てから評価しよう」という結論になりやすいことは事実です。

   言い換えると、利用者数・稼働率が下がった年度ほど、利用者アンケートの結果は重要です。このような場合は、利用者アンケートの結果を前年度分と比較してみてください。万一、アンケート結果も22年度に比べて芳しくないということであれば、まだ3月31日まで時間があるのですから、アンケートをやり直してください。利用者アンケートの回数に制限はないのですから、芳しくない結果をそのまま報告するのは無策です。(2012.3.19)

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 政府が消費税増税案を閣議決定し、まもなく国会審議がはじまるようです。法案では、約2年後の平成26年4月に8%、その1年半後の平成27年10月に10%というように2段階で引き上げられるようになっています。まだ先の話と考えているかもしれませんが、今年度、指定管理者の公募がある施設のほとんどは、公募期間中に消費税引き上げがあることになるので、注意が  必要です。   

   消費税率本体の引き上げ分は自治体が間違いなく予算措置するでしょうから心配することはありません。平成27年度は年度途中の引き上げとなり、少し複雑な問題が発生する可能性がありますが、これは、指定管理業務だけでなく、自治体の他の業務(業務委託や公共事業等)でも同様なので、なんらかの経過措置が講じられるでしょう。

  気をつけなければならないのは、主に指定管理業務特有の問題です。例えば、レジや券売機がある施設は利用料金も変更されるのですから、料金の変更作業を行う必要があり、費用が発生します。特に、平成10年前後のITバブル期に設置された施設では、ポスレジが導入されていることが多々あり、これを変更するのは相当な経費が必要です。ほかにも、利用料金が記載されているパンフレット、入場券、利用許可申請書、案内板などの印刷やり直しの経費についても想定しておかなければなりません。

  今年度、公募がある指定管理者の方は、自治体担当者の方にこれら経費を考慮した指定管理料の上限の設定を要請すべきですし、参入しようとされる方は、これら費用を自治体がどの程度想定しているかを質問等で確認すべきだと思います。
 
  なお、消費税が3%から5%に上がった時には、指定管理者制度はまだありませんでしたが、自治体が委託管理を行っている施設のほとんどで、消費税増税に伴い発生する費用を   委託料の増額という形で自治体が負担しています。当時とは自治体の財政状況が違うので、 何とも言えない部分がありますが、前回は自治体が負担しているのであれば、今回も一義的には自治体に負担を要請するべきだと思います。(2012.4.30)

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 ありがたいことに今年も多くのご依頼をいただきました。ようやく一区切りついたので、コンテンツの更新を再開させていただきます。

 突然の衆議院解散でした。参議院や地方選挙は日程がほぼ読めますが、衆議院選挙はいつ実施されるかわかりません。投票所や開票センターとなる施設は、日曜日なので、通常利用の予約が入っていると思いますが、公の施設である以上、選挙が優先です。大変だと思いますが、なんとか予約されている方のご理解をいただいて、選挙で使用できるようにするのも指定管理者の仕事だと考えるしかありません。がんばってください。

 また、投票所や開票センターにはならない施設にもややこしい問題が発生する可能性があります。公の施設で選挙運動ができるかどうかという問題で、会議室のような有料施設を利用する場合から、公園の園路を自転車で通過しながら投票を呼びかけるようなケースまで、さまざまな選挙運動としての利用が考えられます。

 特に今回は突然の解散でしたので、選挙運動の場所を十分に確保していない陣営が多数あると考えられることや、結党から歴史が浅い政党が選挙に参加するので、公の施設での選挙運動の制限を十分に理解していない陣営もありうることから、利用が認められるがどうか微妙な案件やルール違反の利用が発生する可能性が通常の選挙より高いと考えるべきでしょう。

 選挙運動で、認められない利用に許可を出してしまったり、逆に、利用許可を出せる案件を断ったりすれば、大きな問題に発展しやすく、指定管理者としての評価にもマイナスがつきます。もし、選挙運動の利用について、どのようなケースが認められ、どのようなケースは認めることができないか自信がないという方は、早急に自治体の担当者に過去の事例などを確認することをお薦めします。


追伸
 今回の衆議院選挙期間は、地方自治体の11月議会(12月議会)と日程が重複します。このため、(本当はあってはならないことですが)地方議員の多くは選挙の応援に精一杯で、議会活動まではなかなか手が回りません。これまで、地方議会で指定管理者指定の議案が否決される事例が毎年10件程度はあったのですが、今年はこのような事情ですので、否決される案件は大幅に減少し、ほぼゼロになるのではないかと思います。(2012.11.18)

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  笹子トンネルの事故は本当に痛ましいものでした。原因はこれから明らかになると思いますが、自動車を運転していた方に責任が全くない以上、管理会社に責任があることは間違いありません。報道によると、笹子トンネルだけ、打音検査が行なわれていなかったのこと。打音
検査で今回の事故が防げたかどうかはまだ何とも言えませんが、他のトンネルで実施している検査を行なっていなかったのは、大きなマイナス要因で、民事責任だけでなく、刑事責任にも発展する可能性が出てきました。

   このような事故が発生したときに、他人事と考えないことが非常に重要です。公の施設でも、トンネルと構造は異なりますが、ボルトで天井を吊っている「吊り天井」はみなさんが考えている以上にたくさんあります。東日本大震災でも、東北地方ほどは激しく揺れなかった神奈川県内の公の施設の吊り天井が落下しましたが、新しい施設でも吊り天井が落ちたという事例は結構あります。

   かつて、平成17年に東北地方のプールで、吊り天井が落下し、20人以上が負傷した際に、全国の公共施設の吊り天井が一斉点検されたのですが、その後、吊り天井の点検についてあまりうるさく言われていませんし、指定管理の仕様書等を見ても吊り天井の点検が明記されているものは、私の知る限りほとんどありません。

  けれども、今回のように事故が発生してしまうと、かつて実施していた点検を行なっていなかったということで、仮に仕様書等に明記されていなくても、指定管理者としての責任を問われる可能性は十分あります。まず、みなさんの管理する施設に吊り天井があるかどうか確認し、ある場合は「前回、いつ点検したのか」を確認してください。もし、点検がしばらく行なわれていないのであれば、自治体に点検を行なうよう依頼してください。(仕様書等に指定管理者の業務として明記されていないことが前提です。)

   確認のために記載しますが、仕様書等に記載されていることを履行していれば、指定管理者が事故等の責任を免れるという考え方は誤りです。指定管理者には施設管理の一義的な責任があり、仮に自治体の守備範囲に当たる業務であったとしても、お客様に対する危険性等をいち早く察知し、自治体に報告するのも業務に含まれていると解釈されているからです。(2012.12.5)

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  あけましておめでとうございます。2013年もできる限りサイトの更新を行いたいと思いますので、時間のあるときにご覧いただければ幸いです。昨年の指定管理公募の結果がほぼ出そろったのですが、私が一番感じたのは、1施設のみを管理運営している指定管理者、その中でも、NPO法人や企業が結構敗れたことでした。

    当然ですが、1施設を管理運営しているのと、多くの施設を管理運営しているのでは、効率が明らかに違います。例えば、大規模な公園では、緑地管理にパッカー車が必要ですが、1施設だけだとどうしても減価償却費(またはリース費用)が割高になります。もちろん、総務部門やイベント開催などの企画部門でも同じで、たくさん施設を管理して、「規模のメリット」を優位性のひとつにして戦うという傾向が出てきているように思います。

  また、NPO法人については油断が敗因になった例も少なからずあるのではないかと思います。たまたま、公募で敗れたあるNPO法人の施設データを見る機会があったのですが、利用者数も利用料金収入も低下傾向にあり、自治体の評価が高くないことは明らかでした。

   審査結果が自治体から公表されているのですが、このNPO法人については、「指定管理者としての経験を活かした工夫があまりなされていなかった」という評価でした。つまり、利用者数や利用料金収入が低下しているにもかかわらず、新たな提案をほとんど行なっていないということで、これでは、敗れても仕方がないのではないかと思います。

   ちなみに敗れたNPO法人は、地元新聞に対し、「利益優先の民間企業が○○会館を運営できるのか。」というような趣旨のコメントを発表していますが、本当にこのように考えているなら、それは大きな油断で、現在は、公的な立場を理解して公の施設を運営できる民間企業がたくさんあることを認識すべきです。

   NPO法人については、住民協働や新しい公共の担い手として、特に、指定管理者制度が導入されてからしばらくは、少なくとも民間企業よりは採択されやすい環境にありました。その流れが少しずつ変化し、現在は、民間企業と同列に近くまでなってきているように思います。「民間企業にはできない」と考えることは油断でしかありません。

  特に、NPO法人は、多数の施設を管理運営しているということは少なく、ほとんどの場合は、1施設のみの管理運営でしょうから、最初にご説明した「規模のメリット」という観点から考えると不利な条件にあることは否定できません。NPO法人としての特性を活かしつつ、民間企業と対等以上のレベルで企画や維持管理が行える水準を目指さなければ、退場させられてしまうという厳しい認識をもつべきだと思います。(2013.1.3)

                          
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  指定管理施設で働く職員が同一法人の他業務に従事できるかどうかというご質問を何件かいただきました。例えば、社会福祉法人に勤める職員が指定管理施設の事務局長としてフルタイムで働いている場合に、同じ職員が全く別の自治体補助事業の業務に携われるかどうかという問題です。(ほかにも、建設業である指定管理者の職員が、指定管理等は別の公共工事の主任技術者になる場合などがあります。)  

  現実問題として、こっそりと手伝うだけならまずわかりませんが、例えば、指定管理施設でフルタイムで働く職員であるにもかかわらず、補助事業の業務責任者や業務担当者として自治体に届け出たりすると、書類が残るので、同一人物が両方の業務を行えるのかということを自治体も判断せざるを得ません。

   指定管理業務は行政の一部ですが、働く職員には公務員のような職務専念義務(兼業の禁止)はありません(財団などで組織の内規で職務専念義務が定められていることはあります。)。したがって、指定管理者制度の理屈の上では、フルタイムで働く職員が全く異なる業務を行うことについての制限はありません。

 ただ、指定管理の事業計画書でフルタイムで働くと記載しているとすれば、「事業計画書に記載したことを守らなかった」ということで評価を下げられる可能性はあり、法的に問題がないからと言って、自治体の意向に逆らってまで強行するというのは、リスクの高い行動であることは事実です。あくまで目安として、私の考え方を言うと、フルタイムというのは、自治体の常識としては週休2日、つまり週5日勤務です。職務専念義務がないのですから、1週間に2日は、他の業務に従事しても、アルバイトをしても法的には何の問題もありませんし、基本的には、自治体担当者の心証を下げる可能性もほとんどないでしょう。

  ですから、他の業務と兼務する場合は、他の業務を週2日にとどめ、自治体に対しては、「フルタイムなので週5日は指定管理業務に従事させます。ただし、残りの週2日は自由に過ごしてもよいはずで、本人の了解得た上で、週2日は他業務(補助事業など)に従事させたいのですが・・・・。もし、指定管理業務の方で休日出勤などが必要になった場合は、本社で必ず代替要員を確保します。」というように自治体に事前に協議すると、ほとんどの場合は、認めてもらえるのではないかと思います。

 1週間まるまる働きづめというのが望ましい形でないことはもちろんですが、埼玉県で年間2,000時間を超える超過勤務が報道されたことがあったように、自治体職員でも休みなしで長期間働いている方がいるのですから、「望ましくない」ということだけで、認めないのはあまりにも無理があるというのが多くの自治体職員の感覚だと思います。(2013.1.26) 

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  指定管理者制度が導入されている施設で、利用者数が増えているか減っているかが自治体にとって非常に重要であることは何回かこのホームページでもご説明しました。なぜ、大切かというと、利用者数が前年度より減少した場合、自治体担当者は、その理由を説明した資料を作成しなければならないからです。(「指定管理者の努力不足」というような理由は、自治体の監督責任に発展するので、議会対策上認められません。無理矢理にでも、「努力したけれども○○が原因で減少してしまった」という理由を考えなければなりません。)

 
   これが結構大変な作業で、利用者が増えていればこのような作業をしなくてすむため、毎年のように利用者が減少している施設の心証は非常に悪くなってしまいます。また、少し別の見方をすると、利用者が増えていれば、増加率が1%であっても5%であっても、資料を作成しなくてよいというのは同じですから、大きな評価の差はないということになります。むしろ、増加率が高すぎると、次年度の利用者を増やすことが難しくなりますから、指定管理者としては、逆に首を絞める結果になる可能性さえあります。    

   ところで、話は全く変わるのですが、サクラの開花が早まっています。当社がある徳島市でも、通常は4月の第1週・2週くらいが満開時期なのですが、おそらく、見ごろは今日・明日(3月末)までで、4月に入ると散ってしまうのではないかと思います。

  開花時期が早まったことで、サクラがある公園の指定管理者の方は、微妙な影響を受ける可能性があります。つまり、本来、4月(新年度)に入って大幅に増える花見客が3月(旧年度)に増えてしまうという現象です。  

   24年度の利用者が減っている施設は、これで、減少分が穴埋めできれば、とりあえずはラッキーという話になります。問題は24年度の利用者がすでに前年度を上回ることが確実な場合で、24年度の利用者がこれ以上増えることはあまり意味がありません。それどころか、この増加は「25年度の需要の先食い」ですから、例えば、花見で3月末の利用者が3,000人増えたとすると、4月の第1週は3,000人減少することを覚悟しなければなりません。つまり、24年度で利用者が3,000人増えたことで、25年度の利用者増加のためのハードルが上がり、加えて、25年度の利用者が4月の第1週で3,000人減るのですから、通年で利用者を24年度よりも増やそうとすれば、6,000人分の穴埋めが必要になります。ですから、このような現象が発生している公園の指定管理者の方は、25年度はよほど努力しないと利用者を増やすことが難しいことを職員全員で認識してください。 

   なお、自治体に提出する年度報告書ですが、花見利用客の増加を差し引いても24年度よりも利用者数が増加しているのであれば、「24年度は約7,000人の利用者増加がありましたが、このうち約3,000人はサクラの開花が早まったことによる花見客の増加です。」というような注釈をつけてください。これを記載しておくと、もし、25年度に利用者数が減った場合でも、減少幅が6,000人までであれば、自治体担当者に納得してもらえるはずです。逆に記載していないと「都合の悪い事実(=指定管理者の努力ではなく、サクラの開花時期で利用者が増えた)は報告書に記載せず、自分に都合のよい事実だけを主張する」という心証を自治体担当者に持たれてしまいます。(2013.3.29)

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 今年は、指定管理はもちろん、公益法人制度改革でも多くのご依頼をいただいたため、長らく、コンテンツの更新ができませんでした。やっと少し落ち着いたので、更新を行います。気軽に読んでいただければ幸いです。
 
 今年度の指定管理者公募もそろそろ終わりに近づいていますが、私の所に入ってきている情報では、今年のプレゼンで、結構質問があったのは施設賠償総合保険の関係で、原因は、8月に福知山市で発生した屋台の爆発事故です。 

   報道によると、主催者は限度額10億円の保険に加入していますが、被害者の数からすると、10億円で足りるかどうか微妙な上に、そもそも、屋台業者が起こした事故について、主催者が加入している保険が適用されるかどうかも現時点では、はっきりしないようです。
 
 福知山市の事故は河川敷の花火大会で施設ではありませんが、指定管理者制度が導入されている公園などでは、屋台が出店することも少なくなく、同様の事故が発生する可能があるということで、指定管理者選定のプレゼンでの質問が増えたのではないかと考えられます。

 屋台が出店する公園などを管理運営する指定管理者のみなさんは、同様の事故を防止する対策を検討するとともに、万一、事故が発生した場合に、どのような場合に保険が適用されて、どのような場合は適用されないか整理することをお薦めします。また、1事故当たり5,000万円とか、1億円というような限度額の施設総合賠償保険に加入している指定管理者の方もいらっしゃいますが、保険料との兼ね合いがあるとは言え、もう少し、大きな額の保険に加入することを検討してもよいのではないかとも思います。(2013.11.10)

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1円単位の消費税の取り扱い

  4月からの消費税増税を前に、JRや缶ジュースなどの様々な業種で消費税の転稼が発表されています。ただ、公の施設は、来年の2月(3月)議会で条例改正することが多いとので、現在、自治体内部で検討中という状況がほとんどではないかと思います。条例改正は、自治体が実施するので、指定管理者のみなさんが口を挟めることは少ないのですが、特に、利用料金が100円、200円といった少額の場合、1円単位の消費税をどのように取り扱うかが、問題のひとつになります。

   多くの場合、利用料金を1円単位にすることは、利用者の利便性や指定管理側の釣り銭準備などの手間を考えると、非常にハードルが高いのが現実で、このため、1円単位の切り上げ・切り捨てが検討されています。1円単位を切り捨てしても、税務署には1円単位で消費税を算出して納税する必要がありますから、指定管理者としては、1円単位を切り上げてもらうほうが望ましいでしょう。ただ、ほとんどの自治体担当者は、議会などから「便乗値上げ」と批判されたくないので、できれば切り下げたいと考えています 。

    この問題は、自治体と協議するしかありませんが、最終的には、自治体の決定に従わざるを得ません。ただ、指定管理者のみなさんが自治体に確認しておくべきことがあります。例えば、現在、利用料金が消費税込みで210円だとします。これを消費税8%にすると216円になるのですが、自治体の意向で1円単位を切り捨てると210円のまま据え置きということになります。これはやむを得ないのですが、この時に利用料金本体は200円であることを(できれば文書で)確認してください。

   これを確認しておかないと、今度、消費税が10%に上がったとき、利用料金本体が194円(210円÷1.08)と解釈される可能性があります。これに消費税10%をかけても213.9円にしかなりませんので、再び1円単位を切り捨てられ、210円のまま据え置かれることになりかねません。今回、利用料金本体が200円であることを確認しておけば10%になった場合に、自治体に対し、消費税法の趣旨に沿って、220円に利用料金を上げるよう要求することができます。(2013.12.20)

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職員研修

  あけましておめでとうございます。昨年はホームページの更新がなかなか進まず、また、無料相談会もあまり開催できませんでした。今年は、昨年のようなことはないと思います。気軽にご覧いただければ幸いです。
 
  平成25年度もあと3か月になりましたが、多くの指定管理者で、この3か月の間に職員研修が行なわれます。この時期に職員研修が行なわれることが多いのは、4月から遠足シーズン、夏休み、秋と多くの事業・集客イベントなどが続き、なかなか時間が取れないということなのだと思います。職員研修をどう位置づけているかは、それぞれの指定管理者で異なるでしょうか、上手に職員研修を行なうことで、自治体の評価を上げることができます。

                                                        
 

   実は、自治体職員も、毎年、非常にたくさんの研修を受けています。しかしながら、私の経験では、実際に役に立つ研修は少なく、正直、大半の研修は、企画する側も受講する側も「仕事だからやむを得ず企画・受講している」というのが実態でした。

   ですから、指定管理者が行なう職員研修についても、自治体担当者は「事業計画書に記載したからやむを得ず実施している」という先入観で見ていることがほとんどで、自治体担当者の期待値はそんなに高くはありません。ということは、逆に、効果が上がるように工夫した職員研修を行なうと、それだけで指定管理者の評価が高まり、モニタリングや次期公募にも好影響を及ぼします。

   では、どのような工夫を行なえばよいかということですが、もちろん、施設や研修科目によって異なり、一概には言えないのですが、実際に効果が上がっているかどうかは別にして、自治体担当者に「効果的な職員研修を行なっている」と感じさせるためには、まず、ある程度(10〜20ページくらい)の研修資料を作成することです。私もかつて、指定管理者に研修資料を提出してもらったことがあるのですが、ほとんどは1〜3枚のレジュメでした。自治体職員は資料があると安心する傾向がありますので、ある程度の分量があるだけでも心証が良くなります。

   また、事前に自治体担当者に職員研修の日程を連絡し、職員研修の一部だけでもよいので出席を依頼するという手もあります。自治体職員が来れば、研修内容をアピールできますし、仮に欠席でも、きちんと職員研修を行なっているということは自治体担当者にアピールできます(欠席の場合は、月次報告書などで、研修の写真や資料を添付してください。)。もし、研修内容に自信がなく、自治体職員が来れば逆効果になりかねないと考えているなら、費用はかかりますが、外部講師に依頼するという方法もあると思います。

    あと、もし、4月の人事異動で担当係長や担当者が異動になった場合は、できれば、4月(上旬は自治体職員が忙しいので、中旬か下旬)に職員研修を企画してみてください。異動したばかりの係長や担当者は業務に詳しくないので、指定管理者が職員研修を行なうことを知れば、自分の勉強のためにできる限り出席したいと考えるはずです。また、業務に詳しくないのですから、「自分が役にたった → 効果的な研修を行なっている」と感じる可能性が強く、比較的容易に評価を高めることができます。(2014.1.9)

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外部委託業者の変更

  ある指定管理者から「募集要項や仕様書などには一切記載がないにもかかわらず、自治体から、現在の外部委託業者と引き続き契約するよう、圧力がかかっており、これをなんとか拒否できないのでしょうか。」とのご相談をいただきました。

   この指定管理者によると、現在の外部委託企業とは別の地元企業から営業があり、現在よりも価格などの条件が良く、また、業務の質についても、地元でも評判の企業なので、現在の業者に、今後は契約を行なわない旨を通告したところ、(当該業者ではなく)自治体担当者から、「次の公募に響く」という言い方をされたとのことです。県外企業に変更するならともかく、
地元企業という枠内で変更するのがなぜいけないのかというのがご相談の趣旨でした。  

  業者変更するのが万一、募集要項や仕様書などに違反するなら、直ちに是正指導するので自治体担当者が「次期公募で・・・」などという言い方はしません。ということは、「ルール違反ではないけれども黙って従ってくれ」という意味です。

   自治体が施設を建設する場合、土地の取得、交通混雑、騒音など、周辺住民に様々な負担や迷惑をかけます。現在は、まずあり得ないのですが、バブル崩壊前に建設が始まった施設では、周辺住民との協議の中で、公表できない約束(「当該施設の○○業務は○○さんの会社を使う」など)を行なうことが少なからずありました。自治体担当者が「次期公募」を持ち出してまで圧力をかけるのは、おそらく、このような表に出せない約束があるのではないかと思います。自治体の立場を言うと「直営から指定管理者制度に変ったとは言え、過去の約束を反故にはできない」ということになります。(他にも、天下り先の法人を守ろうとする場合なども考えられます。)

    正直、この自治体の指導を拒否するのは、相当な覚悟が必要です。現在の外部委託業者がまずまず価格で、まずまずの質があるなら、次期公募で外されるリスクを背負っての業者
変更は危険が大きすぎるように思います。

   ただ、外部委託業者の仕事の質が低く、利用者の安全にも悪影響を与えるのであれば話は別です。万一、事故が発生しても、自治体は業者選定に関して、圧力をかけたことを絶対に認めず、指定管理者の責任にするからです。このため、なんとか、自治体がやむを得ないという理由を、手順を踏んで収集・説明し、業者変更を認めさせなければなりません。

   このような場合は、まず、当該委託業者の業務の質が低く、利用者の安全確保にも支障があるとの客観的な証拠をつかまなくてはなりません。費用はかかるのですが、当該外部委託業者の業務内容を別の業者に点検してもらい、業務の不備事項を報告させるくらいのことを行なう必要があるでしょう。(報告には、不備が事故発生の可能性や利用者の安全確保にも支障があることを記載させる必要があります。)
 
   その上で、当該委託業者に報告書を提示し、期限を切って不備事項を補正するよう指示します(同時に自治体担当者にも報告書および指示の内容を報告してください。)。そして、期限までに補正できなかった場合、当該委託業者を呼んで弁明の機会を与え、弁明に合理的な理由がない(証拠となるよう弁明の内容を録音してください。)と判断できる場合に、自治体に対し、当初からの経緯をまとめた報告書を文書で提出した上で、外部委託業者の変更を協議してください。ここまで行なえれば、よほどの場合でない限り、業者変更が認められるでしょう。
 
  そもそも、自治体の担当者は、過去の約束や天下り先確保などを理由に特定の業者を保護するような業務は、非常に迷惑な業務で、できればやりたくないと考えていますが、一方で、過去から経緯があるので、明確な理由がない以上、やらざるを得ないとも考えています。

   ですから、指定管理者が、利用者の安全確保に支障があるという動かぬ証拠を集めてくれれば、明確な理由をもとにその業者を切ることができ、迷惑な業務から解放されるので、指定管理者に対する心証も悪くならないでしょう。残念ですが、過去の悪習をひっくり返すにはこれくらいの手間と費用が必要なのです。(2014.2.9)

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消費税増税の影響

 4月から消費税が8%になります。「今は、消費税増税前の駆け込み需要が活発で、逆に4月からは反動で需要が落ち込む」というような報道が数多くあります。自動車や家電などはそうなのでしょうが、私には、施設の利用者数は必ずしも報道のとおりではないという経験があります。

  前回の消費増税時、私は、県庁である施設の担当者をしていました。当時はまだ指定管理者制度はなかったのですが、4月からの消費税増税でどれくらい利用者数が減少するかを、
施設の担当者として危惧していました。ところがふたを開けてみると、4月はむしろ利用者数がむしろ増えており、「利用料金が10円、20円上がるくらいでは大きな影響はなかった」と安堵したのを覚えています。 

   けれども、ゴールデンウィークを過ぎてから、雲行きが怪しくなり、5月は利用者数が減少し、4月の貯金などあっという間に使い果たしてしまいました。当時、金融危機により景気が低迷していたので、これが理由だと考えていたのですが、6月初旬の同窓会で某大手シンクタンクに勤めている友人の話を聞いて「はっと」思いました。 

   その友人の話によると、「消費税が上がってもすぐには実感が湧かないので、消費を減らさない家庭もかなりある。ましてや、自動車を2月、3月に購入した家庭などは、新車を使いたいので、観光施設や郊外にある施設などの売上は増える可能性まである。けれども、1か月経過して、4月の家計簿をチェックすると、想定以上に負担が増えていて、5月から一般的な支出を減らす家庭が激増する。このため、特に、観光やレジャーなどは5月以降に本格的に増税の影響が現われる。」ということなのだそうです。 

   私が担当していた施設も、まさにこの友人の話のとおりだと思ったので、現場の職員にこの話をして、2月や3月に新たに自動車を購入した層に働きかける利用促進活動(施設から5〜20km程度離れた地域を重点とした広報など)と7月、8月の親子向けイベントの拡大を依頼しました。これがある程度功を奏し、年間トータルでは、前年度よりも少しですが利用者数を増やすことができました。 

   ちなみに、この年度の県内のほとんどの施設は、利用者数が減少しました。ということは、県民がレジャーなどに使う全体の支出額は消費税増税により減少しているわけで、言い方は悪いですが、4月の利用者数が想定ほど落ちなかった(むしろ増えた)ことに安心してしまった施設から利用者を奪うことで、年度トータルでの利用者数を増やすことができたのではないかと思います。 

   今年もアベノミクスで経済は堅調なので、4月は利用者数が増える施設があると思いますが、それをもって「消費税増税の影響はない」と判断することは早計です。4月が増えても、5月が減少したら、消費税増税の影響だと考え、夏に向けて対策を講じるべきだと思います。


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自治体との交渉

  仕事柄、指定管理者の方から相談をよくいただくのですが、その中に、「業務改善の新たな方策を自治体に提案し、交渉しているけれども、担当者が動かない」というものがあります。話をお伺いすると、「なるほど」と思う改善提案も結構あって、まだまだ新たなアイディアは数多くあるのだと感心します。では、なぜ、よいアイディアに自治体担当者が動かないのでしょうか。

  

  自治体担当者が今までと異なること行なうのは非常に大きなエネルギーが必要です。担当者の裁量の範囲は小さいので、効果が上がるようなよいアイディアであるほど、部長や局長などの高いレベルの上司の了解を得なければなりません。

  最近は、自治体職員も高齢化しており、部長に説明する前に、次長、参事、課長、副課長など数多くの上司を通す必要ありますから、1人くらいは超保守的な人物がいて、了解を得るために莫大な資料作成と説明する時間が必要になります。担当者のやる気が乏しいのは、上司の了解を得るために莫大な業務が発生するからで、本音では「指定管理者が余計な提案をしてきた」と考えている場合も少なくなく、ひどい場合は、担当者が時間稼ぎや無茶な資料を指定管理者に要求したりして、門前払いしようとします。

  これをなんとか説得する必要があるのですが、正直、なかなか難しいのが現状です。ただ、ひとつだけ説得できる可能性を高める方法があって、それは「安全性の向上」または「サービス向上」を主目的にすることです。

  私の経験で言うと、多くの場合、指定管理者が持ってくる提案は、「経費の削減」や「利用料金収入の増加」です。指定管理者から見ると、これらは非常に重要なことですが、自治体から見ると、「利用料金が増えたり、経費が削減されても指定管理者が儲けるだけ」のが正直な感想で、「指定管理者が儲けるためになんで苦労しなければならないのか」という被害妄想に陥ることが少なくありません。これを説得して自治体職員を動かすのは困難ですから、何としても、提案の目的を「安全性の向上」や「サービスの向上」に的を絞り、「住民のために行なう」ということを強調することが大切です。

  例えば、事務処理の改善を提案する場合に、「職員の手間が軽減される」という理由では自治体職員のモチベーションが上がりません。これを、同じ提案内容でも、「職員の事務処理時間が短くなり、その分、○○教室を2回余分に開催することができます。(または施設内の巡回を2回増やすことができます。)」などと説明すれば、「サービスの向上」や「安全性の向上」が図られるわけですから、自治体職員がはるかに動きやすくなります。

  特に、安全性の向上を主目的にした提案は、それを役所が否定すると、万一、事故が発生した場合に、役所の責任になる可能性があるので、担当課に超保守的な人物がいる場合には有効な説明方法だと思います。(2014.4.20)

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公募についての自治体への要望

 今年は、指定管理者の方から、指定管理者制度に関する自治体の知識不足・理解不足を訴えるご相談を数多くいただきました。中でも公募に関する相談が顕著で、例えば、ある関東地方の自治体の収支計画書は、普通に記載すれば、支出合計とその内訳が一致しない形式になっており、応募者の不安をあおる様式になっていました。

  

 また、北陸地方のある自治体では、収支計画書の様式がなく、私は、事業計画書の「経費の削減」の項目に無理矢理にでも収支計画全体を入れるようアドバイスしたのですが、締め切り直前になって、自治体から収支計画書を様式自由の別紙に作成するよう追加指示があり、いったん事業計画書本文中に入れた収支計画を別紙に移し替えるなど、直前で大きな手間がかかってしまいました。

  審査でも、中国地方のある自治体では、ほとんどの項目でA社がB社を上回っているのに、指定管理料が1年約30万円高いだけでB社が指定管理者に選定されているなど、入札と勘違いしているのではと言いたくなるような事例もありました。

   このような事態の発生について、私には思い当たる理由があります。役所内で「国勢調査問題」と呼ばれているのと同じ問題です。国勢調査は5年に1回しか業務がありません。自治体担当者の移動周期は概ね3年ですから、人事異動の周期の関係で、前任者が国勢調査業務を経験していない場合は、法律や条例などがたくさん掲載されている分厚い書籍を渡されて「この本を読んでおいて」というような一言で引継ぎが終了することが多々あります。指定管理者の公募についても、最近は、指定管理期間が5年のケースが増えていますから、同じような引継ぎが行われているのではないかと思います。
 
  こうなると後任者は、手探りで業務を行なわざるを得ません。自治体で、指定管理業務だけを担当している職員はほとんどいないでしょうから、手探りの上に、他の業務の片手間で公募業務を行うわけで、どうしても知識不足・理解不足が発生しやすくなります。

 
   これが、管理運営に関する事項なら、自治体担当者に事情を説明すれば、ある程度、議論する余地がありますが、公募は、指定管理者といえども応募者の中の1者に過ぎませんから、公募直前や公募が始まってからでは、自治体担当者と議論さえ出来ず、理不尽なルールや決定に従わざるを得ないというようなことが起こります。

 
  この対策は、ひとつしかありません。それは、みなさんが、前回公募で理不尽と思ったり、改善してほしいと考えていることを、できるだけ早く文書にして自治体担当者に要望することです。公募の準備作業は、公募実施年度の4月〜5月に始まることがほとんどですから、この時期の前である12月〜2月末までに、改善してほしい点、改善してほしい理由、改善案の3つを簡単な文書にして、自治体担当者に要望すれば、ある程度は聞き入れてもらえるのではないかと思います。


    デットラインが2月末までなのは、3月は自治体職員が忙しくて余裕がないこと及び4月、5月は、もし、人事異動があれば、赴任したばかりの新任担当者が、前回のルールを変更することは(心理的に)相当難しいことが理由です。
 
   特に、事業計画書や収支計画書の様式の「重複して記載する部分が多すぎる」とか「○○○○について記載する様式の項目がない」などについては(自治体で統一様式となっている場合は別ですが)、この時期に要望すれば、比較的容易に変更してもらえるのではないかと思います。来年度公募があり、前回の事業計画書が書きづらかったという方は、トライしてみてください。(2014.12.9)

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100周年記念 Suica

  東京駅100周年記念Suicaの販売で大きなトラブルが発生しました。トラブルの原因はいろいろあると思いまが、私が気になった点を言うと、「3年前に記念Suicaを発売した際は、問題なく対応できた」と報道されたJR東日本のコメントです。 

  

   冷静に考えれば分かることですが、3年前に問題なく対応できたからと言って、今回上手くいく保証はありません。以前とは状況が違う部分があるかもしれませんし、また、東京駅100周年というプレミア度を考えれば、過去に経験したことがない問題が発生する可能性も決して低くはありません。

  少し厳しい言い方ですが、「前回、上手くいったので、今回も同じやり方で大丈夫」と多くの社員が思い込み、購入希望者の誘導方法や安全対策などについて、新たな工夫や改善の検討をほとんど行わなかったことが一番根本の原因ではないかと私は思います。

   みなさんの施設も同じです。初めて行うイベント等は、真剣に安全対策などを詳細に検討していると思いますが、毎年、実施するイベント等はどうでしょうか。「去年も上手くいったから、同様の措置を行なえばよい」というように、ほとんど検討もせずに安易に結論を出していませんか。
   
   過去の成功体験が、新たな検討や工夫を妨げることは決して珍しくありません(JR東日本のような優秀な社員が集まっている企業でも発生します。)。毎年実施しているからといって、安易に「去年どおり」というような結論を出すことがいかに危険であるかということを、今回のSuicaのトラブルで学ぶべきだと思います。
 
   せっかく、資金やマンパワーを投入して、よいイベント等を企画し、多くのお客様にお越しいただいたのに、大きなトラブル発生により、お客様や自治体の評価を下げてしまったといような事態を起こさないためにも、ぜひ、考えてみてください。(2014.12.24)

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「議員に言う」と言われたら

   あけましておめでとうございます。昨年は、ホームページの更新があまりできませんでした。今年は、月1回以上は更新したいと思っています。時間の空いたときにでも読んでいただけると幸いです。

  統一地方選挙が近いせいか、昨年末から議員に関係する質問をいただくことが増えています。中でも結構あるのが、苦情対応などで「知り合いの議員に言うぞ!」と、利用者などに責められた場合の対応です。
 
  まず、大原則ですが、利用者などに「議員に言う(相談する)」と責められても恐れてはなりません。地方議会の議員に指定管理者を直接指導する権限はありません。議員も権限がないことは分かっているので、相談を受けると、ほとんどの場合、指定管理者ではなく、自治体に事情聴取や抗議に行きます。では、議員が自治体に行った場合に指定管理者の評価が下がるのかといえば、そんなことはほとんどありません。

  

  もちろん、指定管理者の利用者等への対応に大きな問題があり、それが苦情につながっているのであれば、評価は下がりますが、議員が役所に来たことと指定管理者評価は、直接的には関係ありません。自治体の業務遂行にあたって、議員からの要望や叱責等があることは、むしろ日常茶飯事であり、そんなことでいちいち評価を下げていたらキリがないからです。

  ただ、ひとつ重要なことがあります。それは、議員が役所に行く前に指定管理者から報告を上げるということです。もし、議員から問題提起があった事項について、担当者が問題を把握していなければ、「こんな重要な問題を把握していないのか。」と一喝され、担当者の面目が丸つぶれになるからです。こうなると、議員の理解を求めるのに、役所幹部が対応することになり、時間と手間がかかりますし、自治体担当者は自分の不手際にしたくないので、(指定管理者に不手際があったことにして)指定管理者の評価を大きく下げざるを得なくなります。
 
  したがって、利用者から「議員に相談する」という言葉が出たり、あるいは、普段から議員と近い位置にある利用者から苦情を受けた場合などは、月次報告でなどと考えずに、少しでも早く、苦情内容と対応策を文書にまとめ、自治体担当者に報告してください。大切なのは、議員が役所に行くことを恐れるのではなく、特定の案件で議員が役所に行く可能性があることを1秒でも早く自治体担当者に報告することです。


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後継者の育成

  仕事でたくさんの指定管理者とおつきあいさせていただきますが、中心となって働く職員の高齢化が進んでいる企業・団体等が少なくありません。多くの自治体で指定管理者制度が導入された平成18年度に50歳代だった方のほとんどが60歳代になっているわけですから、やむを得ない面があります。 もちろん、高齢者が活躍していてもかまわないのですが、指定管理者の選定という点から考えると問題がないわけではありません。
   

  多くの自治体は、指定管理業務の善し悪しが、法人の規模や事業計画書の内容などではなく、最終的には「人」で決まると考えています。このため、現在の職員が優秀であればあるほど、職員が交代した場合に、同じように業務をやってもらえるかどうか不安に思っています。

   特に、最近は、指定管理期間が長くなる傾向にあり、5年が一般的になりつつありますから、指定管理の申請時に中心的な職員の年齢が65歳以上であると、「70歳まで活躍してもらえるのだろうか」と考え、公募で指定管理者に選定するのにかなりの抵抗があることも事実です。 

   このような理由で指定管理者から外されることを防止するためにも、計画的に後継者の育成を進めるとともに、後継者が育っていることを自治体に積極的にアピールしなければなりません。後継者の育成は難しいこともたくさんありますが、「後継者を育成している」と自治体にアピールすることはそんなに難しいことではありません。
 
   後継者を一度、自治体に連れて行き、担当者に対し、「後継者の育成を図っており、今後、県(市)との連絡窓口はこの○○に任せます。不手際等もあるかと思いますが、私もフォローします。○○様(自治体職員)も、ご指導をよろしくお願いします。」と宣言すれば、自治体担当者も後継者が育ってほしいと考えていますから、多少の不手際があっても、我慢しながら指導するはずです。

   もちろん、指定管理業務のメインは、自治体との連絡調整業務ではありませんが、後継者を育成する場合は、まず、自治体との連絡調整役を任せ、これがある程度うまくいった段階で他の業務も覚えてもらうという手順を踏むと、自治体に後継者が育っていることをアピールできるので、効率的だと思います。(2015.1.26)


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新規利用者を集める重要性

  所沢市で市内の小中学校にエアコンを設置するかどうかの住民投票が行われました。結果は、報道されているように、賛成が約5万6,000票と反対の約3万票を上回りましたが、市長が投票結果に従うとしていた「有権者の3分の1以上の賛成」である9万票には届きませんでした。(そもそも投票率が3分の1に届いていません。)
  

   住民投票は、住民側がほぼ自由に投票依頼運動ができるのに対し、役所側はほとんど何もできませんので、一般的には住民側が有利です。いろいろ見方はあると思いますが、住民投票という有利な舞台で、しかも、子どもたちの学習環境を改善するというテーマで行われたことを考えると、賛成票が有権者全体の5分の1程度しかないというのは、「伸び悩んだ」というのが多数意見なのではないかと思います。

   ちなみに、所沢市の人口統計によると、小中学生の人口は、1学年あたり2,900人前後で、9学年(小学校1年生から中学校3年生)で約2万6,000人となります。ここから先の推論は、間違っている可能性もあるという前提で読んでいただきたいのですが、少し乱暴に積算してみると、おおざっぱに言って、両親は、(2万6,000人×2)から、兄弟が小中学生という場合の両親の重複分やシングルマザー(ファーザー)などを差し引いて3万〜3万5千人前後ではないかと推測できます。

   エアコンが導入されない小中学校もあるので、小中学生の両親全員が賛成するとは限りませんが、それにしても、両親に加え、賛成する可能性が高い祖父母、学校の先生、近い将来に受益がある0歳児から5歳児の保護者などをプラスすると5万票くらいの賛成票を獲得するメドは十分に立ちます。ということは、「受益を受ける関係者以外の賛成票は極めて少なかった」ということも言えるのではないかと思います。

  善悪は別にして、最近の多くの公共施設には、このような傾向があります。いくら、社会的に意義のある業務を実施していても、また、重要な役割を果たしていたとしても、住民が、自分の利用していない施設(=自分にとって受益がない施設)への税金投入に賛成することは希だと考なければならない時代になったのかもしれません。

   学校でさえ、税金投入に否定的な意見も少なくないわけですから、公園、スポーツ施設、文化施設、会館施設などはこの傾向がもっと顕著であると考えるべきです。私の経験では、「利用者はほとんど常連客」がという施設が少なくありません。このような施設は、ヘビーユーザーがいるので、延べの利用者数は確保できるかもしれませんが、人口全体から見ると、「ほとんどの住民は利用した経験がない」ことから、施設への税金投入を支持する住民が極めて少ないという結果になりがちです。

   ところで、役所内で予算折衝を行う際、住民の声は、みなさんが考えている以上に、大きな影響があります。国の予算折衝でも、「はちまき」を身に付けた各種団体が役所に陳情するニュースを見たことがあると思いますが、あれは、多くの国民の支持があることを少しでも役所側にデモンストレーションすることが、自分に恩恵がある予算確保に役立つことをわかっているからこそ(多人数が高い旅費を払って上京してまで)行われています。都道府県や市町村でも、基本的には全く同じです。
   
   少し極端な例ですが、年間の利用者が10万人の施設でも、常連客1,000人が年間100回利用している場合、施設への税金投入の支持者は1,000人ということになりますが、年1回の利用者が10万人の場合は10万人が施設への税金投入を支持する可能性があります。選挙を強く意識せざるを得ない首長や議員がどちらの施設に優先的に予算をつけたいかは明らかで、その意向を受けざるを得ない役所幹部も同じような判断をしがちです。このため、指定管理料や大規模修繕など、みなさんの管理運営と関係の深い予算がどの程度確保できるかも、実は、人口全体の中で、どの程度の割合の住民が利用しているかと密接に関係しているのです。

   利用者をできる限り増やすことはもちろん重要ですが、できれば、その内訳、すなわち、幅広い層の住民に利用されているかどうかにもぜひ注意を払ってください。常連客を囲い込むことで安心するのではなく、新規利用者をいかに集めているか、もしくは、新規利用者を集める工夫をどのように行っているかは、予算の確保しやすさに関係しています。担当課も、予算確保の苦労が少ない方がよいので、結果として、自治体の評価や指定管理者選定にも大きな影響を与える重要事項であることを再認識していただきたいと思います。(2015.2.22)

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不祥事への対応

  毎年同じことを書くのですが、今年度もたくさんの仕事をいただき、なかなかホームページの更新ができませんでした。やっと落ち着いたので、これから、少しずつ、コンテンツを増やしていきます。

 今年は、マンションの杭打ちメーカー、建築用免震ゴムのメーカー、エアバックのメーカーなど、企業の不祥事が多かった印象があります。指定管理者の不祥事も、大きくは報道されていませんが、私の知る限り、着服、虚偽報告、労働関係法令違反などの不祥事が、例年と同じくらいありました。

  その中で、ある不祥事が発生してしまった指定管理者の方からアドバイスを求められました。具体的な内容は控えますが、駐車場施設で、職員がプライベートで、利用料金を支払わずに駐車場を利用していたことが、市への電話による通報で発覚したという案件でした。市は 「指定管理の取り消しもあり得る」 という非常に厳しい態度で、なんとか、最悪の事態を回避できないかというご相談でした。

   

   不祥事が発生した場合、自治体が最初に判断するのは、「組織ぐるみ」であるかどうかです。基本的には、「組織ぐるみ」でなければ、「指定管理の取り消し」 という結論にはなりません。指定管理者からのお話をお伺する範囲では、「個人の行為」 という印象が強く、むしろ、不祥事発生後の対応に自治体が不満を持っており、「指定管理の取り消し」 という言葉を使って、さらに踏み込んだ業務の改善を求めている可能性が強いように私には感じられました。
 
    特に、私が気になったのは、不祥事が市への電話で発覚していることです。これは、間違いなく内部告発で、市は、「本来は、上司に報告すべき内容を、上司が不祥事を握りつぶす可能性がある(=上司が信頼できない)から市に電話した。」と解釈しています。
 
   この点について、なんら改善策を示していないことが、市の態度を厳しくしている可能性があると私は考えました。そして、当面の対応として、弁護士事務所を不祥事の外部通報窓口とすること、中期的な対応として、指定管理者幹部と現場職員の個別面談や対話集会を定期的に開催し、信頼関係の構築に努めることを、市に報告するようアドバイスしました。(もちろん、不祥事の当事者・上司の処分、再発防止のためのチェック体制強化なども報告しています。)
 
    私の考えがどこまで当たっていたかはわかりませんが、結果的には、指定管理者に対しては、「厳重注意」ということで一段落しました。
 
    ただし、これは「指定管理の取り消し」という処分を免れただけに過ぎません。つまり、次回公募で、不祥事を理由に指定管理者に選定されないというリスクは、以前として高い確率で残っており、今後、管理運営で大きな成果をあげなければ、次回公募での苦戦は免れないということには留意する必要があります。(2015.11.17)


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高齢者の利用促進

  明けましておめでとうございます。今年も、できる限り、コンテンツを増やしていきたいと思います。すき間時間に読んでいただければ幸いです。

  昨年も、多くの指定管理者のみなさん現場をご訪問させていただきました。高齢化社会になったことで、ほとんどの施設で高齢者の利用が増えています。高齢者は平日に活動できることや、比較的時間に恵まれており、リピーターとなる確率が高いことなど、高齢者の利用を促進することは、施設にとっても大きなメリットがあります。
   
   ただ、私には気になる点がありました。それは、男性の高齢者の利用割合が極端に少ない施設が結構あることです。


   もちろん、女性の高齢者の利用が増えることはよいことですが、あまりに割合が大きくなりすぎると、男性が遠慮してしまい、ついには、利用しなくなってしまいます。こうなると、これからも増え続ける高齢者の約半分を占める男性に「敷居の高い施設」であると思われてしまいます。

    今やほとんどの企業や施設等が高齢者をターゲットとしており、高齢者が増えているからといって、簡単に高齢者の利用が増えるわけではありません、むしろ、増えているからこそ競争が激化している面があり、多くのライバルが存在する中で、男性の高齢者の利用がターゲットから外れてしまうのは非常にもったいない話だと思います。

   みなさんの施設も、一度、このような観点からチェックしてみてください。そして、高齢者の男性の利用が少なければ、「夫婦でヨガにチャレンジ」とか、「男の料理教室」などのような形で、少しで良いので、利用促進に努めてみてください。(2016.1.4)

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  今年度は、ガソリン、重油などの燃料価格が想定よりもはるかに低い価格で推移しました。このため、これらを大量に使用する施設では、想定外の利益が出ていることが珍しくありません。これが主な理由と思いますが、利益に関するご質問を数多くいただいています。

   ご質問で多いのは、「利益が出ているので、指定管理料の減額に応じてほしい」という自治体の要請にどのように対応したらよいのかということです。

 

 

    原則を言うと、ほとんどの場合、募集要項等に「リスク負担」という項目があり、「物価変動」は指定管理者が負担すべきリスクになっています。表現は「リスク」負担ですが、「リスク」を負担する以上は「リターン」を享受できるのは当然のことであり、自治体の要請に応じる法的義務はありません。
 
    とはいえ、自治体には指定管理者を選定する事実上の権限がありますから、「拒否すれば解決」というように簡単な問題でないことも確かです。


    このような要請には、「担当部局の判断による場合」と「自治体幹部(総務部長や財政課長など)の判断による場合」の2種類があって、まずは、どちらのパターンかを判断する必要があります。(担当部局が違う指定管理者に同様の要請が出ていれば、自治体幹部の判断です)

   自治体からは、「燃料費が上がった場合は考慮するから、指定管理料の引き下げに応じてほしい」というような形で要請されると思いますが、自治体職員が将来の指定管理料引き上げを約束することはできません。「考慮する」・「努力する」など表現は、「約束する」とは全く違う意味で、現実には、いったん引き下げた指定管理料を元に戻すことは相当困難と考えるべきです。

   このため、担当部局の判断による要請であれば、指定管理料引き下げ以外の手法を交渉すべきです。具体的には、「今年度は、想定外の利益が出たので、この分は住民のみなさんに○○○で還元させてください。」という言い方で、指定管理料の減額をサービスの向上に置き換えることを交渉してください。

   「○○○」には、新たなイベントや自主事業の実施や本来自治体が行うべき修繕などを入れることが考えられます。(利益還元は、27年度中に実施する必要はなく、28年度の早い時期であれば問題ありません。)


    ほとんどの場合、担当部局の判断による指定管理料の減額要請は議会対策上の理由です。したがって、議会に説明ができればよいのですから、指定管理料の減額の代わりにサービスの向上が実現するのであれば、自治体を納得させることができるでしょう。(利益が出なければ、翌年度以降は、中止してもかまいません。)

    一方、自治体幹部の判断による場合は、担当部局の裁量の余地が少ないので、サービスの向上に置き換えることは難しいでしょう。担当部局にも協力してもらって、燃料価格下落の影響をできる限り小さく積算してもらい、最低限の指定管理料の減額に応じるのはやむを得ないと思います。
 
    この場合、将来、燃料価格が高騰した際に、指定管理料を増額する可能性を高める作業を行うようにしてください。具体的には、引き下げに応じた他の指定管理者と連名で、自治体トップに対して、燃料費の価格が上昇した場合は、指定管理料を増額することを要請する文書を提出するとともに、知り合いの議員にも議会で質問してもらって、「燃料費が高騰した場合は指定管理料増額を検討する」などの前向きな答弁を引き出すようにしておくと、燃料費が高騰した際に、指定管理料増額を自治体に要請する根拠にすることができます。(2016.3.17)

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  東北のある施設で、指定管理者が利用者を 「水増し」 していたことが報道されていました。入場者を数えるカウンターの前を施設職員が何度も往復していたことが利用者の通報により発覚したとのことで、2010年度から2015年度までで合計2,380人程度の水増しがあったようです(何年も前の「水増し」の数をどのように調べたかは非常に不思議ですが・・・。)
 
   報道の中に 「指定管理者側は利用者数の実績が評価につながると思い込んでいたが、自治体は利用者数の目標を求めていない」 という記載(=自治体のコメント)がありました。けれども、これを額面どおりに受け取ることはできません。

  

 

  私は県庁時代、6施設の指定管理施設を担当していましたが、  カウンターで利用者数を数えていたのは1施設だけでした(残りは、利用許可証に記載された人数、有料入場者数、駐車場の台数などから推定していました)。


 なぜ、1施設だけカウンターが設置されていたかというと、その施設の利用者数が特に重要だとの共通認識が役所内にあったからです。(だからこそ、多額の税金を投入してセンサー式のカウンターを導入しています)

   東北の施設も、報道によると、カウンターがあるフロアは限られているということのようなので、当該自治体がこのフロアの利用者数に高い関心を寄せている(=指定管理者の評価に直結する)項目であることは、間違いないでしょう。

   なぜ、「利用者数の目標は求めていない」というコメントを自治体が出したかというと、それは、もし、「重要な項目」という趣旨で報道されれば、この指定管理者の過去の高い評価や今回の指定管理者の選定(この施設は平成27年度末で指定管理期が切れ、28年度以降も同じ指定管理者が管理運営することが決まっています)の見直しを行わなければならない可能性が出てくるからです。

   自治体にとって、過去の評価や指定管理者の選定を見直すことは 「ゆゆしき」 事態で、担当課は 「水増し」 を激怒しているはずですが、過去の業務にまで影響が及ぶことを避けるため、あえて、「指定管理者の思い違い」 を強調し、深刻な問題ではないという雰囲気を醸成しているのです。(したがって、次期公募での当該自治体の指定管理者に対する姿勢は、このコメントとは全く異なる可能性が強いと考えなければなりません。)


   利用者数が指定管理者の評価と関係ないのは、斎場や公営住宅などの一部の特殊な施設に限られ、そのほかの施設は決して無関係ではありません。中でも、カウンターで実数を数えている施設は、特に重要視されていると認識すべきです。

   また、自治体のマスコミに対するコメントや公表されるモニタリングの評価などは、様々な自治体の裏事情が影響を及ぼしており、これを鵜呑みにすることは非常に危険だと考えてください。(2016.3.28)

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  前回、地域連携やボランティアの重要性を記載しましたが、私の経験では、施設管理の最前線で働く方ほど、ボランティア活用について、消極的なことが少なくありません。原因はいろいろあるようですが、私がお伺いする範囲では、「業務の水準が低い」、「業務を指導するのに手間がかかる= (自分でやった方が早い)」、「態度に問題がある」など、ボランティアの資質に不信感を持っていることが多いように感じます。 

    

   もちろん現場の苦労は理解できますが、自治体の立場から見ると、上記の理由は、ボランティア活用ができない理由にはなりません。 

   極端な言い方をすれば、誰をボランティアとして受け入れるかは、誰を職員として採用するかとほとんど同じ行為で、施設利用における平等利用の適用がありません。つまり、無給とはいえ、施設の管理運営の一翼を担うわけですから、高いレベルで業務を行うことができると判断した方や今後の成長が期待できる方のみを選んで受け入れること (=応募者を必ずボランティアとして受け入れる義務はないこと) が認められているのです。(ただし、「ボランティア活動センター」など、ボランティア活用が施設の設置目的と密接な関係がある場合等は例外です。)

   したがって、「ボランティアの資質に問題がある」 というような抗弁は、自治体から見ると、
「指定管理者に、優秀な業務を行うボランティアを集めたり、育てたりする能力がない」 という
評価につながってしまう可能性が高いと考えるべきです。
 
   職員だって、採用当初から100点満点の仕事をしているということはほとんどないはずで、見込みのある者を採用し、手間をかけて育てていると思います。ましてや、無給のボランティアなのですから、最初から期待通りに動いてもらえないのはやむを得ません。これを言い訳にせず、積極的にボランティアを募集するとともに、応募者が求める水準に達していなくても、真摯
に取り組む姿勢があるなど、見込みがあるのであれば、手間をかけて育てていくという努力が指定管理者には求められていると私は思います。(2017.2.5)


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 最近、ボランティアの登録制度が増えています。あらかじめボランティア希望者を登録しておくことで、指定管理者から見るとボランティアを集めやすくなりますし、希望者から見ると電子メールでボランティア募集情報が送付され、募集情報に気づかなかったということがなくなるので、双方にメリットがあるということで増えているのだと思います。

 私も、ボランティア登録制度の要綱や募集チラシなどを見る機会が結構あるのですが、「登録に際して収集した個人情報については (施設名) で実施するボランティア募集等にのみ使用します」 という記載が多くにあります。

 これは、個人情報保護法の趣旨からすると妥当な記載ですが、指定管理者公募という観点から見ると、少し損な記載方法でもあります。ではどうすればよいかというと「登録に際して収集した個人情報については (法人名) が行う指定管理業務において実施するボランティア募集等にのみ使用します」 と記載する方がベターです。

 なぜかというと「施設で実施するボランティア募集時にのみ使用する」 ということは、指定管理者が交代した場合、ボランティア登録の名簿は、理論上、次の指定管理者に引き継ぐことができます。ところが、「法人が行う指定管理業務において実施するボランティア」 とすると、個人情報の使用目的が当該法人の業務に限定されるので、指定管理者が交代した場合、新たな指定管理者がボランティア登録名簿を引き継ぐことは個人情報の目的外使用となり、個々の登録者の同意が必要になります。(事実上、次期指定管理者がボランティア登録名簿を入手・活用することは不可能です)

 
  つまり、個人情報の取得目的が、施設ではなく、法人業務に限定されている場合、指定管理者の交代は、ボランティア登録制度のゼロからのやり直しを意味し、「うまく機能しているボランティ登録制度をなくすわけにはいかない」 というプレッシャーを自治体に、与えることができるのです。(あくまでボランティア登録制度がうまく機能していることが前提です。)

 ここまで考えなくても、管理運営する施設が増えることもあるのですから、ボランティア登録制度を創設するのなら、特定の施設に限定せず、他の施設でも、名簿を活用してボランティア募集ができるように、柔軟性のある 「個人情報取得目的」 にする方がよいのではないかと思います。(2017.12.1) 

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 あけましておめでとうございます。今年もできる限りホームページの更新を行いたいと考えています。時間があるときに読んでいただければ幸いです。

 昨年、私に相談があった案件です。「常連利用者が仮予約だけを行ってテニスコートを利用し、利用後に管理事務所へ来て、利用許可申請や利用料金支払いを行うという事態が横行しており、これを、本来の手続き(事前に利用許可申請や利用料金支払いを行う)に戻したいけれども、常連利用者の反発が強いことが想定され、自治体にまで苦情を言いかねない。どのように対応したらよいか。」 という内容です。

  

 「仮予約を行って無断で利用しなかった」ということであれば、実害が出ているので話は異なりますが、手続きを後回しにしているだけで、実害が生じていない状況では、無理に正規のルールの遵守を求めると、「杓子定規な規程を押しつける」 とか「利用者の利便性を無視した対応」 などとの批判を受けかねません。ほとんどの場合、正規のルールを無視するのは常連利用者でしょうから、声も大きく、自治体担当課まで悪い評判が届くことも覚悟しなければならないでしょう。  

  私は、いきなり正規のルールを遵守するよう求めるのではなく、まず、自治体に相談することをお薦めしました。ルールを遵守していない利用者がいることを報告することは自らの評価を下げてしまうと考える指定管理者の方もいるのですが、そんなことはありません。むしろ、マスコミ等に報道される等、問題が大きくなってしまってから報告する方がずっと心証を悪くします。
 
   その上で、自治体担当者が「実害もないのだから無理に現状を変える必要はない」という態度であれば、放置しておいてかまいません。また、「直ちに正常化すべき」という態度であれば、常連利用者の反発があっても、「自治体の指示に基づいて行うので理解してほしい」 と言うことができます。

  ただ、あまり深入りしたくないので「指定管理者の判断で対応してほしい」というような態度をとる自治体担当者も少なくありません。このような場合は、「では、時期を見ながら、徐々に正常な状態に戻していくということにさせていただきます。」 と回答してください。これにより、「自治体にルール違反があることを報告した」、「直ちに正常化すべきとは言われなかった。すなわち一時的なルール違反を自治体も黙認した」 という事実が残り、万一、後で問題が大きくなったとしても、すべての責任を指定管理者が負うことはなくなります。

  以上のことを済ませた上で、常連利用者には、ルールの遵守を求めます。すぐには従ってもらえないでしょうし、反発も大きいでしょうが、私が把握している事例のほとんどは、「公の施設には平等利用という原則があり、常連利用者だからと言って特別扱いはできない」 ということを、利用ごとに 「しつこく」 要請すると、いつも言われるのが 「うっとおしい」 ので、いずれは、ルールに従うようになります。また、自治体に苦情を伝える常連利用者もいるでしょうが、事前に報告しているので、自治体の評価が下がることはありません。 

   ただ、常連利用者が利用しなくなる、すなわち利用者数や利用料金収入が減少するという可能性はあります。「ルールを守るのは当たり前で、利用者がルール遵守することを前提に利用者数を増やすのが指定管理者の役割」というのが自治体の論理で、ルールを遵守することを求めた結果、利用者数が減少した」 いうような利用者数減少の要因を自治体が認めることはできません。このため、利用者数の減少により、指定管理者の評価が下がる可能性はあります。 

   したがって、このようなルールの是正を行う場合には、当該年度の利用者数が増えていて、多少、常連利用者が減少しても、年間トータルでは利用者数を増やせる見込みがあるという時期を選ぶということも考慮する必要があるのではないかと思います。(2018.1.6)

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 一昨年くらいから、「自治体と指定管理料の増額を交渉する方法」 についての質問をよくいただくようになりました。指定管理者制度が導入されてからしばらくは、デフレ経済で物価が下落しており、指定管理料が変わらなくてもなんとかやりくりできていたのでしょうが、最近は人件費の高騰が著しく、コスト削減が限界に達していることが要因なのだと思います。  

 みなさんも実感していると思いますが、多くの自治体は財政難で、指定管理料の増額は非常に困難なのが現実です。募集要項に 「著しい物価上昇」 を自治体負担としているケースが結構ありますが、人件費はともかく、日本全体の物価上昇率は日本銀行が目標としている2%に及ばない状況であり、リスク分担表のみを根拠に指定管理料の増額を求めても、ほぼ間違いなく門前払いされるでしょう。

 けれども、だからといって 「あきらめる」 のがよいとは言えません。黙っていると、今までの流れで、次期公募の際に指定管理料の上限額がさらに下がる可能性があるからです。指定管理者が経費アップに困窮していることを正確に伝えることで、少なくとも、担当課が次期公募での指定管理料の上限額引き下げを回避する努力を最大限行うという効果は十分期待できます。
 
 ただ、自治体に要望を行う際は、指定管理者としての評価を下げられないためにも、適正な形で要望を行う必要があり、この手法を簡単にご紹介します。

                                

1.収支を赤字にする。  

 指定管理業務の収支決算が黒字なのに指定管理料増額を要望しても説得力がありません。経費が増えていることを反映させて収支を赤字にすることが必要です。以前は、収支を赤字にすると、「当初の見積もりが甘かった」 として指定管理者の評価を下げる自治体が結構ありましたが、最近は、明確な理由があればそうでもありません。ただ、前期まで指定管理部門の収支が黒字なのに、いきなり大きな赤字が出れば、収支の信憑性が疑われる可能性があります。 「顧問税理士から部門ごとの収支をできる限り正確に算出するように指導されました」 などの理由を添えて自治体に報告する必要があります。

2.良好な管理運営を行う。  

 自治体が指定管理者の赤字のみを理由に指定管理料を増額することは困難です。 首長のトップダウンなら話は別ですが、通常は 「良好な管理運営を行っている指定管理者に引き続き応募してもらうため」 という理論構成が求められます。したがって、利用者数の増加や利用者アンケートでの良好な結果が必要になります。(この条件が満たされない場合は、増額要望を行うこと自体で、自治体の評価を下げてしまう可能性があります。)

3.資料を作成する。 

 

 

 口頭での要望は意味がありません(担当者が上司に報告しないことがほとんどです)。資料を作成し、資料をもとに要望を行うことが必要です。資料には、以前 (原則として前回の指定管理期間の最終年度) か、または、募集要項に自治体の積算額が記載されている場合は当該積算額と比較して、経費がどの程度上昇しているかを経費項目ことに記載してください。 4.自助努力を見せる。

 

 

 

 「経費増加分をすべて指定管理料で補てんしてください」という要望は無責任というのが自治体の論理です。例えば、経費が200万円増加している場合、「100万円は当社の経営努力で対応しますので、残りの100万円については、指定管理料の増額をお願いします。」というように、自助努力があることが指定管理料増額の大前提です。  

 自治体職員の感覚からすると、増額できる場合でも 「折半」 すなわち、やむを得ない経費増加額の半分くらいが相場観のように思います。ただし、最初から半額を要望する必要はありません。交渉ですから、経費が200万円増えているのであれば、最初は150万円の増額を要望して最終的に100万円で妥協することを目指すというストーリも十分あり得るでしょう。  

 経費増加の全額が認められない可能性が強いのですから、例えば、本社で指定管理業務に従事する職員の人件費なども含めて、経費増加額を (虚偽と言われない範囲で幅広く解釈し)増やすことが重要だと思います。(2018.1.29)

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前回の「指定管理料の増額」で、同様の質問を複数の方からいただいたので、ご紹介します。

1.要望の時期  

 公募年度に 「次期指定管理期間の指定管理料を増額してください」 と要望するのが基本です。みなさんご存じのとおり、指定管理期間中の指定管理料総額は、議会で議決されています。したがって、指定管理期間中に指定管理料を増額することは、議会の議決をやり直すことになり、自治体の心理的抵抗は相当強いと言わざるを得ません。ハイパーインフレや大規模な災害などが発生しない限りは難しいというのが多くの自治体職員の感覚だと思います。 

   また、多くの自治体では、募集要項発表の2〜3か月前くらいから (8月に公募があるのであれば5月または6月) 担当課と財政当局で指定管理料上限の協議が始まります。担当課が資料を作成して財政当局と協議に入るので、担当課が資料を作成する前(すなわち、遅くとも、募集要項発表の3か月前) に要望する必要があります。


 

2.要望の内容  

   単純に 「職員の給与を上げたい」 という理由で指定管理料の増額が認められることは、まずあり得ないと考えてください。指定管理業務に従事する職員の給与が低いのは他の指定管理者も同じです。この理由で増額すれば、他の指定管理者の指定管理料も増額しなければならないからです。

   自治体内の他の指定管理者に波及するような増額を判断できるのは、知事 (市長)、副知事 (副市長)、総務部長くらいまでで、その他の自治体幹部では、判断できない事項 (権限外)なのです。(法令により、有期雇用を無期雇用に転換しなければならないという要望内容も、同様の理由で認められないと考えるべきです。) 

   したがって、「良好な管理運営を行っている指定管理者が次回も応募できるようにするために増額する」 という理論構成を行い、少なくとも 「良好な管理運営を行っていない指定管理者は増額の対象外」 にしないと、担当部局レベルでは、指定管理料の増額を認めることはできないという事情を知っておいてください。

   このため、要望の内容は、「良好な管理運営を行うためには現在の職員に引き続き勤務してもらわなければならないが、給与水準が低いために転職を希望する職員が少なくなく、このままでは引き留めることが難しい」 という趣旨を書面で記載し、さらに、「現在の職員が残れば、○○○○○○○○のような新たなサービス向上策(自主事業や安全水準の向上でもかまいません。)を実施することができる。」 と記載すれば、増額の確率を上げることができます。

3.自治体トップへの要望   

   もし、知事 (市長)、副知事 (副市長)と直談判できるルートがあるのであれば、直接要望するのもひとつの手です (自治体トップであれば、「現場で働く職員の給与を上げたい」 という理由でも要望できます。)。ただ、この場合、事前に担当部局に要望内容を伝えておいてください。担当部局に無断で要望するのは、著しく心証を害する可能性があります。また、自治体トップは単独の指定管理者の要望では動きにくい面があります。できれば、他の指定管理者にも声をかけ、できるだけ多くの指定管理者で要望することも重要です。 (この場合、公募年度ではない指定管理者が入ってもかまいません。)

4.その他   

    要望書を作成する際には、事業計画書に記載していないけれども実施した事項、自治体負担の修繕(備品更新) を自治体に変わって実施した実績、利用者数や利用料金が増加傾向であるという実績なども記載し、「良好な管理運営を行っている」 ことをアピールしてください。 (2018.3.8)

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  このコラムで他者の批判はしたくないのですが、今回だけはご容赦ください。正直、倒れた
舞鶴市長に救命処置を実施しようとした女性を 「土俵から下りて」 とアナウンスした相撲協会の対応にはあきれました。もちろん、このアナウンスや現場にいた協会幹部の対応には大きな問題がありますが、これについては、多くの批判報道がメディアで行われているので言及するのはやめておきます。このアナウンスと同じくらい問題が大きいのが相撲協会の危機管理対応でしょう。

   

   そもそも、この出来事は、マスコミで大きく報道されることが想定される危機管理案件だと
一報を受けた段階で瞬時に判断しなくてはなりません。そして、まずは直ちに危機管理担当の協会幹部を舞鶴に派遣し、市役所に謝罪に行く(救命措置を行った女性にも連絡し、了解が得られれば、謝罪に行くべきです。)とともに、協会本部でもトップが謝罪会見を行わなければなりません。

  ところが、実際には、理事長が謝罪の談話を公式サイトで発表しただけで、報道によると、
翌日になって、協会幹部が取材に応じる形で、それも最初は 「必要があれば救命措置を実施した女性を探す」 とコメントし、後で、「適切な時期に市長と救命措置を実施した女性に理事長が謝罪に行く」 というように微妙に修正しています。(取材対応は理事長ではなく、事業部長など
が行っているようです。)
 
   相撲協会は、元横綱の暴行事件でも初期対応が遅れ、暴行事件を起こした力士を神聖な
土俵に上げています(犯罪容疑者が土俵に上がれるにもかかわらず、女性が土俵に上がれない理由が私には理解できません)。あれから数か月しか経過していないのに、また、危機管理の初期対応で問題が発生するのは、協会幹部の資質に問題があると言われてもやむを得ないように私は思います。
 
   伝統ある相撲協会とは異なり、万一、指定管理者のみなさんがこのような杜撰な対応を行えば、組織の存続が脅かされます。もちろん、危機管理案件などは発生しないことがベストですが、どんなに努力しても、事故や不祥事などのリスクをゼロにすることはできません。万一、発生した場合に、どのように対応すべきなのかを、冷静に判断できる普段からシュミレーション
しておくことが大切だと思います。(2018.4.5)

 

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 自治体が実施するモニタリングの評価は、本音が記載されていないことが少なくありません。これは、あまり低い評価にしてしまうと、自治体職員も監督責任を問われかねないからです。ですから、以前、自治体のモニタリングは額面通りに信じることはできない」という趣旨のコラムを掲載しました。

 この自治体のモニタリングをうまく活用する方法があります。それは、公募の際の事業計画書に、例えば、「清掃状況については、市のモニタリングでも 『細部にわたって丁寧に清掃が実施されている』との高い評価をいただいています。」とか、「サービスの向上については、市のモニタリングで 『S』 評価をいただいています。」 というように、自治体のコメントやモニタリング結果を引用して、良い管理運営を行っていることをアピールすることです。

 自治体はモニタリング結果を、甘めにせざるを得ない事情がありますが、一方で、公式見解ですので、否定することはできませんし、外部から見れば、かなりの信憑性があります。ほとんどの場合、指定管理の審査には、自治体職員以外の外部委員が入っていますが、外部委員は 「自治体の評価が高いのなら・・・」 と、高い点数を付ける傾向が間違いなくあります。(もちろん、自治体職員の委員も、モニタリングで高い評価が出ているのに、公募の審査で評価低くすることは、よほどのことがない限りできません。)  

 多くの指定管理者のみなさんは、モニタリングを 「面倒だ」 と考えていると思いますが、そもそもの評価が甘いので、少し努力すれば、少なくとも部分的に良い評価を得ることは決して難しくありません。自治体が否定できない記載内容にとして事業計画書に使えるのですから、公募対策としては、コストパフォーマンスが高いと思います。これから年度末にかけて、モニタリングがある施設も多いと思いますが、特に、来年度に公募がある施設は、モニタリング対策を今まで以上に真剣に実施してみてください。(2018.11.23)

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  遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。新年早々、仕事のオファーをいただき、多忙でサイトの更新が遅れてしまいました。申し訳ありません。

   一昨日(1月28日)の国会で、総理大臣が10月からの消費税増税を明言しました。さすがに、今回は延期はしないのかなあと思います。年度途中で消費税が上がるので、ややこしい問題があるのですが、一方で(1年限りですが)消費税増税対策も可能です。

 具体的に言うと、10月や11月に実施している保守点検の外部委託などは、9月に実施することで、消費税を2%節約できます。当たり前のことですが、多くの指定管理者が、年度後半の支出をできる限り年度前半に移すようにしているので、発注が遅くなると、外部委託業者に断られる可能性が高まります。必ず実施しなければならない保守点検は、できる限り、年度前半に行うことができるよう早めに発注するべきでしょう。

 ただ、何事にも例外はあって、業者によっては、年度後半の業務が極端に少なってしまうのを避けるため、結果として、10月以降は2%よりも高い割引を受けることができる可能性もあります。年度後半に発注することで、高い割引を受ける可能性があるかどうかも確認すべきだと思います。
 
 加えて、中小企業との取引があるのであれば、キャッシュレスで支払うことでポイントを獲得することができます。5%のポイントは大きいので、検討してみる価値はあるでしょう。(しかもポイントは自治体に報告しなくてもわからないので、帳簿外で資金を確保することができます。)
 
 なお、ある筋から聞いただけなので、正確でないかもしれませんが、平成31年度の指定管理料は8%でも問題ないという趣旨の通達が財務省から都道府県に出ていると情報があります。

 詳しい説明は省略しますが、通達どおりの取り扱いが行われれば、指定管理者が損害を被ることはありません。ただし、税務の世界では指定管理はマイナー分野なので、地方の税務署職員が知っているとは限りません。もし、自治体から「平成31年度は8%で問題ない」との説明があった場合には、財務省から出ている文書のコピーをもらうようにしておくと、税務調査が入った場合などに円滑に対応できるのではないかと思います。(2019.1.30)

 

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  現指定管理者の方にとって、公募が近づいてくると気になるのが、競合先があるかどうかでしょう。特に、全国規模の大手企業や地元の有力企業がが競合先になる可能性があるかどうかは、最大の関心事と思います。今回は、競合先が出現する考えるべき前兆をまとめてみました。


1.情報公開請求   
  全国規模の大手企業は、応募する前に、通常、当該施設の事業計画書の情報公開請求を自治体に行います。自治体は、誰が情報公開請求を行っているかは教えてくれませんが、ほとんどの場合、内容をどこまで出すかについては、現指定管理者に確認しますので、情報公開請求が出ているかどうかを知ることはできます。一般住民が情報公開請求を行うことはほとんど考えられないので、情報公開請求が出されている場合は、応募を検討している法人・団体等があると考えるべきでしょう。私の知る限り、大手企業は公募がある年の2月から5月くらいに情報公開請求を行いますので、公募年の6月に入っても情報公開請求がない場合は、少しは安心できるのかもしれません。

2.スーツを着用した人物の来館(来園)  
  全国規模の大手企業が、施設を全然見ないで応募することはほとんどありません。応募を検討している場合は、4月から7月くらいに視察を行います。たいていの場合、平日にスーツを着用して、かつ、メモ用紙を持って施設内を歩いており、通常の利用者と比較すれば、明らかに違和感があります。現場スタッフには、このような人物が来館(来園)しているのを発見したら、連絡するように指示しておくとよいでしょう。 また、4月から7月に駐車場にレンタカー(通常、「わ」 ではじまるナンバープレート)があった場合も要注意です。レンタカーでの来館(来園)は、一般住民ではなく、首都圏などに本社を置く企業の社員と考えるべきでしょう。

3.ホームページの閲覧数の増加   
  応募を検討する場合、ホームページを何度も閲覧します。特に、利用料金一覧や過去の自主事業の実施結果などの閲覧が増えた場合は要注意です。通常の利用者は利用料金一覧表をホームページで見ることはめったにありませんし、過去の自主事業の開催結果にもほとんど興味がありません。これらは、応募を検討している法人・団体等が収支計画や自主事業計画を作成する場合に必要な情報ですので、閲覧数が増えている場合は要注意です。

4.外部委託先企業への問い合わせ     
     新たに指定管理者になる場合も、業務に精通している現在の外部委託先に依頼することを一番に考えることが多いため、現在の外部委託先に対して、委託金額や業務内容に関する電話での問い合わせや見積書の提出依頼があることがほとんどです。依頼時期が遅い(通常は公募開始前後)のが欠点ですが、依頼された内容で応募に対する本気度を推測することができます(依頼内容が細かいほど本気度が強い)。依頼した法人・団体等は、「現指定管理者には内密に」 と釘を刺していますが、外部委託先は現指定管理者にも「いい顔」をしたいので、「他法人・団体等から金額の照会や見積もり依頼があった場合には報告してほしい」 と要請すると、多くの場合、了解してもらえます。

    もちろん、よい管理運営を行い、競争力の高い事業計画書を作成すれば、実績がある分、敗れることはまずありませんので、競合先の有無を過度に気にする必要はありません。けれども、競合先の有無や相手の素性などの情報をできる限り集めることも、勝つ確率を高めるために、ある程度は必要なのかなあとは思います。(2019.4.1)

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 毎年、同じことを書くのですが、今年も多くの仕事をいただき、特に、公募が最盛期となる夏期は多忙で、多くの仕事依頼をお断りせざるをえず、ましてや、サイトの更新にまでは、手が回りませんでした。やっと落ち着いてきたので、サイトの更新を行います。時間のある時に読んでいただければ幸いです。  

 最近は、毎年のように大規模な災害が発生します。今年も、台風15号や19号で、大規模な風水害や停電が発生しました。大規模災害が発生した場合、指定管理者制度が導入されている公の施設も避難所となる場合が少なくありません。

 避難所の運営は、一義的には自治体が行うべき業務ですが、自治体職員のみによる運営は現実的ではなく、指定管理者も協力せざるを得ません。総務省の報告などによると熊本地震の際、特に、避難所開設当初には、責任の所在、行政と指定管理者の意思疎通、避難者同士のトラブルへの対応などで、相当な混乱があったようです。

 このようなことから、総務省は、平成29年4月25日に都道府県に対して通達を出し(都道府
県を経由して市町村にも届いています)、避難所はもちろん、避難所でなくても住民の避難が想定される公の施設も含め、事前に、受け入れ人数、安全管理、自治体や他の期間との連絡調整方法などを定めておくことを求めています。

 また、併せて、避難所等(「等」は、避難所でなくでも、住民の避難が想定される施設のこと)として施設を活用することとなった場合の、新たに必要となる費用負担、通常利用できないことによる利用料金収入の補填などについて、その方針や協議方法(協議開始時期や協議対象事項など)を、基本協定書等の書面において、可能な限り具体的に定めるよう求めています。

 つい最近、避難所運営に関する自治体と指定管理者の役割分担が定められていないケースが今年4月の段階で、44%あるとの報道がありました。また、役割分担が定められている場合でも、総務省の通達の趣旨に沿った内容となっていないケースも多いと考えられます。

 総務省の通達は、ホームページで閲覧することができます(HP内で「通達:平成29年4月25日」で検索できます)ので、特に、役割分担が決まっていない指定管理者の方は、この通達を根拠に、自治体に対し、役割分担を書面で定めるよう求めることも検討してみたらと思います。(例外もあるのですが、自治体は、基本的には、国からの通達を無視できません)
 
 なお、自治体担当者にとって、災害時の役割分担を定めることは(災害が発生していない状況では)、急ぐ業務ではなく、後回しになりがちです。このため、できれば、課長などの幹部に話をするほうがよいと思います。(2019.10.16)

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 東京オリンピックのマラソンと競歩の開催会場が札幌に変更されることとなりました。様々な事情があることは理解できますが、これまで懸命に準備してきた東京都の心情は察するに余りあります。

 この報道でふと思い出したのは、役所用語で 「敗戦処理」 という業務です。例えば、ある大企業の工場が閉鎖されることとなった場合に、自治体としては、簡単に 「やむを得ません。」 などと言うことはできません。規模の大きい工場ほど、雇用や取引先を失う従業員や地元企業など、地域に及ぼす影響が大きく、簡単に了承したのでは、議会やマスコミから大きな批判を受けるからです。

 このため、役所用語で言う「敗戦処理」という業務、つまり、「自治体として最大限に努力したけれども残念な結果になった」 というアリバイをづくりが行われます。おそらく、一番多いのは、自治体幹部が企業の経営陣と面会し、工場存続を要請するという手法です。もちろん、何の材料も持たずに面会することはできないので、支援策をまとめ、「このような支援を行うので工場を存続してください」と要請するのですが、そもそも、大企業が生き残りをかけて行った意思決定を覆すことは、まず、不可能です。不可能なことを十分承知していながら、業務を行うので、「敗戦処理」と呼ばれているのでしょう。

   報道によると、オリンピックの競技開催場所の最終決定権は、IOCにあるとのことなので、東京都職員の方も、札幌開催をひっくり返すことはできないことを、多分、承知していたと思います。けれども、都内でもマラソンや競歩が安全に開催できるとの資料を作成し、IOCなどとの協議に臨みました。そして、予想どおり、マラソンと競歩の札幌開催が決定してしまい、東京都職員の方にとって、資料づくりは「敗戦処理業務」となってしまいました。

  ただ、協議の結果、札幌開催分を東京都が負担しなくてよいことや、これまでの支出した額の一部も(条件付きですが)東京都負担でなくなることなど、費用負担面では、当初想定よりも東京都に有利な条件となったので、完全な意味での「敗戦処理業務」ではなく、(あくまで私の想像ですが、)資料づくりに携わった東京都の職員の方も、少しは安堵しているのではないかと思います。

   話は変わるのですが、数年前、ある市営多目的ホールの指定管理者から相談を受けました。このホールでは、毎年、地元の大企業が育児向けの大規模なイベントを実施していましたが、次回からは、近隣の県営多目的ホールに会場を変更するとの電話連絡を受けたそうです。このイベントは、開催日4日間、準備日2日間の合計6日間の利用があるほか、来場者数も延べ1万人を超え、これがなくなるだけで、年間の稼働率、来場者数にも大きな影響が避けられません。

 変更の理由は、県営多目的ホールの指定管理者から何度も営業を受けたそうで、「県営施設が市営施設の顧客を強引に奪っていくような手法が許されるのか」というのが相談の趣旨でした。
 
   相談いただいた方の趣旨が全く理解できないわけでありませんが、少なくとも、県営多目的ホールの指定管理者の営業活動に違法性はありません。もちろん、両施設の指定管理者が何度も主催者を訪問するなど、過度に営業活動が過熱すれば、県と市(指定管理者ではなく、自治体)が話し合う必要がありますが、そこまでの状況でもないようです。
 
 ですから、私は、相談いただいた方に「大口顧客を失ったという現実を受け入れざるを得ない」ことと、「これ以上、顧客を失うことがないよう、また、一部の県営施設の顧客を奪えるよう努力すべき」ことを申し上げました。
 
 そして、その上で、市役所担当者に「ただ漫然と大口顧客を失った」というような評価をされないためにも、当該地元企業を訪問し、(形だけですが)引き続き、市営多目的ホールで開催していただくよう要請する、つまり、「敗戦処理業務」を行い、その結果を、市役所に書面で報告することを助言しました。
 
 相談いただいた方は、早速、当該企業を訪問し、経緯を市役所に報告したようで、市役所も「やむを得ない」という結論になったようでした。その後の公募でも、競合があった中で指定管理者に選定されていますので、市役所の評価もあまり下がらなかったのだと思います。
 
 特に、民間企業の方は、このような生産性のない「敗戦処理業務」は「ムダ」と感じると思いますが、指定管理の世界では、年間の稼働率や利用者数にかなりの影響がある大口顧客を失った場合は、少しは考えた方がよいと私は思います。(2019.11.3)

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 今年もひどい災害が発生しました。遅くなりましたが、被災された地域のみなさんにお見舞い申し上げます。
 
  報道によると、予備費や令和元年度補正で、グループ補助金の予算が確保され、中小企業の復興を支援するようです。グループ補助金は、被災した中小企業等がグループを結成し、被害を受けた施設や設備を復旧する場合に、費用の4分の3を補助する制度です。東日本大震災、熊本地震、昨年の西日本豪雨などの際にも予算化され、多くの中小企業グループが補助を受けました。当社も、本業は、指定管理者支援ですが、代表の東條が県庁在籍時代に、(国の補助金の担当省庁である) 中小企業庁関連の補助金業務を担当した経験があることから、熊本や広島では、申請のお手伝いを行わせていただきました。


 もともと、中小企業庁の補助金制度は、複雑で、手続きも難解なのですが、グループ補助金は、多くの中小企業の方々にとって、その上を行く 「わかりにくさ」 があり、その一番大きな理由は、この補助金の論理構成です。

   一般に、補助金には、個別企業や個人の資産増加につながってはならないという大原則があります。ただ、個別企業は無理でもグループなら認められる場合も例外的にあり、例えば、商店街のアーケード等は、個別企業ではなく商店街という企業の集合体 (=グループ) なので、資産価値の増加につながるとしても、補助金交付の対象となっています。

   グループ補助金は、論理的には、この例外を拡大解釈する形で創設されたという経緯があります。したがって、個々の中小企業に補助金を交付する前段階として、「まず、グループが復興計画を作成・申請して、県の認定を受けてください」 という段階(以下 「第1段階」 と記載します)があります。そして、グループが実施する事業という 「建前」 のもと、次の段階で、グループに所属する個々の企業が補助金交付申請書を作成して、申請を行い(以下 「第2段階」 と記載します)、交付決定を受けるという2段階での手続きが必要となっています。

   率直な言い方をすると、中小企業庁や県の 「本音」 は、個別企業の施設や設備に対する
補助金交付ですが、いきなり個別企業の資産増加につながる補助金を交付することは、これまでの補助金交付の論理と矛盾するので、「建前」 として、第1段階のワンクッションを置いているのです。

   すなわち、第1段階は、限りなくセレモニーに近いと考えてかまいません。このため、グループ結成や第1段階の復興事業計画作成に、いたずらに時間を費やすのは、誤解を恐れずに言うとムダな努力です。

   また、第1段階でも、施設・設備復旧のための見積書の写しが必要ですが、セレモニーに近いのですから、必要書類が整っていれば、ほとんど内容の審査は行われません。けれども、第2段階では、実際に補助金交付額を決定する (=税金の使い道を決定する) わけですから、詳細な審査が行われ、第1段階で、認定されていた金額が減らされたり、ゼロになったりすることが熊本や広島でも結構発生しています。この多くは、「第1段階で認定されたのだから第2段階でも問題ないだろう」 という 「思い込み」 で、細心の注意を払って補助金交付申請書の作成やその後の復旧作業を行わなかったことが原因であると考えられます。  

   指定管理の世界でも、グループ補助金ほどではないにしろ、役所の「建前」があります。例えば、公園 (土木部所管) の指定管理者が、農業関連の行政施策に積極的に協力したとします。同じ自治体なので、建前 (=言葉) では評価しますが、ほとんどの職員が、本音では 「そんなに他部局に協力する余裕があるのなら、もっと自分の所属部局の業務に協力してほしい」 と考えており、他部局への協力が、次期公募での有利な材料となる可能性は低いと考えるべきです。(ただし、知事(市長)が選挙で掲げている重要施策は例外です)(2019.11.24)

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 神奈川県庁が廃棄を依頼した大規模容量記録媒体が、業処理者 (再委託先) の社員によって不正に持ち出され、ネットオークションで転売されていました。報道によると、記録媒体内のデータは県庁職員によって消去されていましたが、復元ソフトでデータの復元ができるようになっており、個人情報や行政上の機密などが外部に流出した可能性が否定できない状況となっています。

                          

 先日、出張の際、ある首都圏から離れた地区のローカルテレビを見ると、□□県庁の担当者の「○○社 (問題を起こした処理業者) の支社がA県内にあり、□□県庁でも一部の記憶媒体などの処理を依頼している。ただ、不正持ち出しを行った社員が勤務している東京本社に記憶媒体をわざわざ送付して処理することは考えられないので、個人情報などが流出している可能性は低い」 というコメントが放送されていました。

 マスコミによる報道は、コメントの一部が切り取られて放送されている場合があるので、ここから先の内容は事実と異なる可能性があるという前提で読んでいただきたいのですが、この報道のコメントだけであるとすると、違和感があります。

 記者会見で問題を起こした処理業者の社長が認めているとおり、約4,000もの記憶媒体等が持ち出されたということは、業者の管理体制に大きな問題があったことは間違いありません。本社でさえ、このような状況ですから、支社の管理体制に問題があったとしても不思議ではありません。むしろ、支社も杜撰な管理体制である可能性が高いと考えるべきでしょう。とすれば、「逮捕された社員が東京に勤務している」 ということを根拠に 「△△支店からの情報流出の可能性は低い」 という結論を導くには、かなり無理があるように思います。

 なお、この業者は、防衛省の処理も受託していたそうです。報道によると、防衛省は処理業者に引き渡す前に、記憶媒体の中心部分に穴をあけて、物理的に破壊していたため、情報流出はないとのことでした。高い機密情報を取り扱う防衛省は、さすがに万全の措置を講じているなあと感心しました。

 みなさんの施設でもHDDはともかく、USBやCD−RAMなどを廃棄することがあると思いますが、この事件から考えると、出入庫管理台帳 (USBやCD−RAMの購入個数・廃棄個数・現在使用個数の記録簿) の作成や、廃棄時の物理的な破壊、破壊した日時・写真の保存などの措置を講じることが必要な時代になったのかもしれません。(2019.12.18)

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 福島で原発事故が発生した際、「拡散した放射能は自然に浴びる量とあまり変わらないので心配する必要はない」 と報道されていましたが、私は、このコメントに少し違和感を持っていました。理由は、自然に浴びる放射能がなくなるわけではないからです。つまり、「自然に浴びる放射能に拡散した放射能を加えて浴びたとしても心配ない」 というコメントであれば納得できますが、「自然に浴びる量と拡散して浴びる量が同じであること」 ということから 「心配ない」 という結論を導くのは論理の飛躍があり、数学なら間違いなく減点対象です。

                           

 今回の新型コロナウイルスについても、同様のことが言えると思います。もちろん、過剰対応は避けるべきですが、「通常のインフルエンザでも死者や重傷者が多数発生しており、毒性はあまり変わらないのだから心配しなくてよい」 という意見は少し違うように思います。

   通常のインフルエンザに加えて、新たに死亡や重症につながるリスクがあるウイルスによる感染者が国内で発生しているのですから、通常の年よりもリスクが少なくとも2倍に高まっていると受け止めるべきでしょう。私は専門家ではないので、間違っているかもしれませんが、新型コロナウイルスは、通常のインフルエンザとは異なり、誰も予防注射を接種していないので、感染リスクは通常のインフルエンザよりもかなり高く、結果として、トータルの感染リスクは、2倍ではとても収まらないように思います。 
   
   天皇誕生日の一般参賀が中止になり、東京マラソンも一般ランナーは走らないことになりました。今後も、中止や延期になるイベントが出てくると考えられ、特に、3月初旬から春休み終了期間までの、屋内の密閉された空間で多くの人数が集まるようなイベントは、開催が難しくなる可能性が高いように思います。「せっかくこれまでがんばって準備してきたのに」 という気持ちは十分理解できますが、中止せざるを得ないなら、余分な経費支出の軽減や参加希望者の混乱を避けるためにも、(自治体から指示を受ける前に) 早く決断するべきだと思います。 
   
   なお、このような状況ですから、2月、3月の利用者が減少しても、自治体の評価が下がる
ことないと考えてかまいません。仮に、現時点で春休みのイベントの中止を決断したにもかかわらず、新型コロナウイルスが早期に収束し、結果的に春休みにはイベントが開催できる状況に戻った (のに何のイベントも行わなかった) としても、中止に合理的な理由があるので、自治体がみなさんの評価を下げることはないでしょう。(2020.2.18)

 

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 新型コロナウイルス感染症の拡大は、ついに、政府が全国の学校に休校を要請する事態になってしまいました。3月のイベント、教室などを中止する公の施設が増えており、3月中に予定していた事業を実施することは、難しくなってしまったのではないかと思います。

 3月は、事業だけはでなく、職員研修を行う予定の施設も多いと思いますが、少人数の研修はともかく、学級規模 (35名〜40名程度) 以上で実施する集合研修も中止した方が無難だと思います (この状況で、令和元年度に職員研修が実施できなかったとしても、自治体の評価が下がることはないでしょう。)。


  また、一般利用のキャンセルが続出している施設も少なくないと思います。自治体の評価を下げないためにも、2月、3月のキャンセル数、キャンセルによって減少した利用者数・利用料金収入(利用許可申請を受理済みの案件だけでなく、電話などでの仮予約も含む)は、必ず
記録・集計しておいてください。  

  加えて、多くの公の施設では、令和2年度の年度事業計画書の作成・自治体への提出の時期を迎えていると思います。今後の状況が見通せない状況で、4月以降の年度計画書を
どのように作成するのがよいのかという趣旨のご質問を、複数の指定管理者の方からいただきました。

  結論から申し上げると、新型コロナウイルス感染症のことは考慮せず、通常の状況を前提に、年度事業計画書を作成することがよいと私は考えています。もちろん、いつごろ収束するのかを想定することが難しいのが一番の理由ですが、もうひとつの理由として、特に、多額の利用料金収入がある施設では、今後の自治体とのリスク負担の交渉を考える必要があるか
らです。
 
  私の知る限り、「感染症」 のリスク負担が募集要項に記載されている事例はあまりありません。したがって、新型コロナウイルス感染症による利用料金収入減少や、事業の中止・施設閉館の損失を自治体、指定管理者のどちらが負担するかは、「その他協議事項」 になっている場合が多いと思います。 

   このため、特に、利用料金収入が大きい施設の指定管理者のみなさんは、いずれかの時期に、リスク負担に関する協議を自治体と行うことになるのですが、もし、令和2年度の年度事業計画書が新型コロナウイルス感染症拡大によるや利用者数減少や事業中止を見込んでいるとすると、これを前提に年度収支計画書も作成しているはずですから、自治体から見ると、(令和元年度は別にして) 令和2年度については「リスクを見込んだ上で、事業計画および収支計画を作成している」 ことになり、理屈の上で、自治体が損失補てんを行う必要がなくなってしまいます。 

  言い方を変えると、「令和2年度も、通常どおりの年度事業計画を策定していたけれども、
新型コロナウイルス感染症の影響で、利用者数が減少したり事業が実施できなかったので
この損失の負担について協議させてください」 ということでなければ、そもそも自治体とリスク負担の協議にも入れないのです。
 
   もちろん、協議を行っても、「自治体は損失を負担しない」 とゼロ回答される可能性も結構
ありますが、「協議ができずに門前払いされる」のと 「少なくとも、自治体と協議はできる」 とは大きな違いがあると考えるべきでしょう。 
   
   なお、「現在の状況を考えると、通常どおりの年度事業計画書で設定する利用者数や利用料金収入はとても達成できない」 と考える方もいるかもしれませんが、それは、「新型コロナウイルス感染症拡大」 の影響であり、みなさんの責任ではありませんから、仮に、令和2年度末に目標を達成できていなくても、自治体の評価が下がることはありません。(2020.3.1)

 

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  新型コロナウイルス感染症の拡大が続いており、多くの施設が臨時休館となったり、教室・イベント等が中止されるなどの影響が出ています。2009年の新型インフルエンザの時は、5月当初に国内で感染が確認されてから、約1か月後に兵庫県で安心宣言が出されたので、
私は、正直、収束まで1〜2か月くらいと思っていたのですが、3月末時点でも、とても収束が見通せる状況ではなく、もしかしたら、長期戦を覚悟しなければならないかもしれません。とはいえ、いつかは教室やイベントを再開する時期が到来しますので、指定管理者のみなさんは、再開の考え方の整理や再開準備を少しずつ行う必要があります。


  再開の考え方ですが、おそらく、特に、感染者が少なく、最近はあまり出ていない自治体では、検討が行われていると思います。ただ、検討過程を詳細に教えてくれる自治体は少ないので、ある日突然、「来週からは3つの 『密』 を回避すれば、イベント等の再開を主催者の判断に委ねる  (注:多分 「認める」 ではなく 「委ねる」 という動詞が使われます)」 のような発表が行われる可能性が高いでしょう。このため、指定管理者側で、どのような考え方で教室・
イベントを再開するかを整理しておかなければなりません。


    私個人が考えている整理方法をご紹介します。もちろん、私は、感染症の専門家ではありませんので、最終的には自治体とよく協議してください。

    まず、考慮するのは、学校の再開時期です。学校が再開されるということは、学級規模
(35〜40名程度) までの教室・イベント等なら、学校と同じ感染防止措置を行うことを前提に、「再開が可能」 という理屈になります。また、報道では、高齢者の感染リスクや重症リスクが高いということなので、最初は、若い方やサラリーマン・OL等を対象とした教室・イベントから再開し、問題なければ、その後に高齢者向けも再開するという2段階で考えるのがよいように思います。

   屋外での40名を超える教室・イベントについては、プロ野球開幕やJリーグ再開がひとつ
のメドになるでしょう。これらのゲーム観戦者と同様の感染防止措置を講じることで屋外での
教室・イベントを再開できる十分な理由になります。
 
   屋内での40名を超える教室・イベントについては、大相撲5月場所が(無観客でない形で)開催されるかどうかがひとつの目安です。ただ、大相撲5月場所は(感染者の多い)東京開催
なので、3月場所同様、無観客になる可能性も十分にあります。現在、比較的感染者の少ない、東北、中国、四国などは、地元でコンサートや集会が再開されるのであれば、同様の感染防止措置を講じることで、再開できる理屈が整理できるのではないかと思います。

   いずれの場合も、みなさんの施設が先陣となって教室・イベント等を再開することは、おそらく難しいでしょう (多分、自治体が反対します。)。役所的な話になって申し訳ないのですが、「他の教室・イベント等が再開された時点で、同様の措置を講じることで、追随して再開する
環境が整う」 というのが、現実的な再開の考え方の整理だと思います。(2020.3.30)

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  全国に拡大した緊急事態宣言により、おそらく、多くの施設が休業していると思います。例年、最も忙しい時期であるゴールデンウィークを、今年は、自宅で過ごしている施設職員の方
も多いのではないでしょうか。少しくらいならよいと思いますが、いつまでも休業が続いている状況は、不安が重なるばかりです。緊急事態宣言が1か月程度、延長されるとの報道もありますが、早く、普通の日常生活が戻ってほしいと思います。


  現在、自治体は、新型コロナウィルス対応で、(テレワークも含め) 多くの職員が休日返上で業務を行っています。このため、(あまりよい話ではないのですが) 「自分たちはゴールデンウィークも多忙なのに、指定管理者の職員はずっと休んでいる」と考えている自治体職員が
みなさんが思っている以上にたくさんいます。
 
  正直、例年のゴールデンウィークは、多くの自治体職員が休んでいる中で、施設のみなさんがフル回転しているわけですから、1年くらい、逆転現象があっても問題ないと思いますが、現実問題として、「被害妄想的」 な発想をする自治体職員もいますし、(休んでばかりではなく) 少しは仕事のことも考えた方が精神衛生上もよいでしょう。

   私は、このような機会にこそ、日ごろはあまり時間を割けない業務、例えば、マニュアルの
作成や改訂など、取り組んでみてはと思っています。自治体は、指定管理者に「緊急対応」からはじまり、「苦情対応」、「接遇」、「個人情報保護」、「維持管理」など、たくさんのマニュアル
作成・活用を求めます。多くの指定管理者のみなさんは、管理運営がはじまる際に、必要最低限のマニュアルを作成して自治体に届け出ているだけで、その後の改訂作業や新たなマニュアルづくりは、多忙な日常業務の中で、「後回し」 になっているのではないでしょうか。

   新型コロナウイルス感染症による休業が終了した際に、「新たなマニュアルを作成しました」 とか 「既存のマニュアルを改訂しました」と自治体に報告すれば、「休業中も、可能な限り業務を行っていた」と、特に、今年度に公募がある施設では、評価が上がる可能性も結構あるのではと思います。

 

    なお、施設休業中にできる業務はマニュアル作成・改訂だけではありません。規程の整備、パンフレット・リーフレットの改善、ホームページの改善、備品台帳の整理など、メール等でやりとりしながら、自宅でできる業務も探せば、それなりにあると思いますので、この機会に少しでも実施してみるとよいと思います・(2020.5.2)

 


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  総理大臣が2月下旬から (承認手続きなどの条件付きですが) の新型コロナのワクチン接種を始めることを表明しました。(河野大臣は決まっていないと発言していますが) 報道されているスケジュールによると、まず、医療従事者、その後、3月下旬から65歳以上 (約3,600万人) の高齢者の接種が始まるとのことのようです。

   高齢者の接種は 「密」 を避けるためにも、病院以外で行われる可能性が高いと考えられます。海外では、大規模施設の駐車場などを活用している例があるようですが、日本では、特に、高齢者対象では、雨や寒さ対策を考えると、屋内施設、具体的には、文化会館や体育館が活用される可能性が高いでしょう。つまり、みなさんの中にも、接種会場として活用される可能性のある施設があるということです。

                   

  ところで、大規模なコンサートホールなどを除くと、2月に次年度以降の調整会議を開催する施設や1〜2か月前に予約を受け付ける施設が多いのではないのか思います。例年どおりに調整会議を開催したり、予約を受け付けてしまうと、自治体から 「ワクチン接種の会場として活用したい」と要請(事実上の強制)された場合に、大きな混乱や手間が生じます。

   特に、正式な利用許可を出した後では、ほとんどの施設の条例では、利用許可の取り消しは、利用者側の不法・不誠実な対応でしかできないことになっているでしょうから、強引に
利用許可を取り消して、万一、利用者から審査請求や裁判を提起された場合には、不利な
立場に追い込まれてしまいます。

   このようなことにならないためにも、ホールや体育館など、「密」 を避けられる大きな会場がある施設の方は、自治体に、ワクチン接種の会場になる可能性があるかどうかを、確認するべきだと思います。ただ、自治体も、まだ、決まっていないことの方が多く、「わからない」 というような回答しか出てこない可能性があります。この場合は、「3月下旬以降の利用許可には 『ワクチン接種の会場として利用されることが決定した場合には、利用許可を取り消すことがある』 との条件を付してもかまいませんか」 と提案して下さい。(ただし、条例に「利用許可に条件を付すことができる」との規定があることが前提です。多くの施設では規定があるはずです。)

   もちろん、利用許可時に説明し、条件を付したとしても、混乱や手間が生じますが、それでも、何もしていない場合に比べれば、少しは軽減できるでしょう。また、自治体にも、行政的・公益的な視点を持っている指定管理者として、評価を高めることができるように思います。(2021.1.21)

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  オリンピック組織委員会長の女性に対する発言が問題になっています。仮に、悪気がない発言であるとしても、厳しい批判があるのは当然ですが、批判だけで終わるのは生産的ではなく、自らの行動を再確認することが重要だと思います。

  指定管理者のみなさんは行政の一端を担っており、施設の管理運営で、あらゆる層の住民と接する機会があります。多種多様の人々に施設を利用していただくのですから、利用者の境遇に十分に配慮しないと、自分が意図していなくても、他人を傷つけたり、不快な想いにする可能性があり、特に、口頭ではなく、事業のタイトルように「文字」 になるものについては、細心の注意を払う必要があります。

         

    例えば、今でも、「お母さんと子どもの運動教室」 のような事業タイトルを見ることがたまにあります。現在は、政府をあげて、男性の育児参加を推進していますし、何よりも、このタイトルは、父子家庭は対象外と解釈される(= 父子家庭を傷つける)可能性がありますので、自治体が実施する事業では使うべきではありません。(したがって、「親子運動教室」 というようなタイトルにすべきです。一部の自治体では、(両親ともいない子どもに配慮して) 「保護者と子どもの運動教室」 というタイトルにするよう指導しているケースもあります。) 

    このように、行政では、日本語の普通名詞であっても、使うことができない表現がたくさんあります。一例をあげると「障害者」 の「害」 は、人間の表現としては不適切であるとの理由で、ほとんどの自治体では、「障がい者」 と表記しています。また、行政では、障がい者への配慮から、「目がない」 「手みじかに」 「片手落ち」 「手も足も出ない」 など、「体」の一部を使う表現は、ほとんどすべて、使えません。これら表現は、口頭で使うことはあっても、文書などに記載することはほとんどなかったので、これまではあまり問題になりませんでしたが、最近は、指定管理者のホームページでも、動画を使うことが増えてきており、(会話のように一瞬で消えるのではなく、何回も再生することが可能な)動画の中で、上記のような「体」 の一部を使う表現を使用しているのが問題となって、自治体から修正を指示される指定管理者も出てきています。 

    今回の問題を契機に、意図していなくても、住民を傷つけたり、不快な想いにする可能性がある表現について、ぜひ、職員のみなさんで情報共有してみてください。慎重になりすぎる必要はありませんが、もし、自治体が使えない文言をすべて知りたいということであれば、自治体には、文書作成のルールを定めた冊子(「文書実務」とか「公文書作成の手引き」のようなタイトルになっています)があります。多分、該当部分をコピーしてもらうことは可能だと思います。(2021.2.11)


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  令和2年度もあとわずかとなりました。今年度はコラムの内容もほとんどが新型コロナ関係でした。あまり新型コロナばかりでも、どうかと思いますので、今回は別の話題を紹介します。

    今年度に複数施設の指定管理更新の公募があった法人の話です。事業計画書を提出し、プレゼン実施日の直前に、更新施設のひとつで、偶然に職員の不祥事が判明しました。プレゼン日が直前に迫っているという状況で、自治体の担当課に不祥事を報告することは、指定管理者の審査にも悪影響を及ぼす可能性が強いので、かなりの躊躇があったと思いますが、当該指定管理者は、プレゼン日の到来前に直ちに自治体に報告しました。間違いなく正しい選択ですが、実際にこのような状況になった際に、同じ行動ができる指定管理者ばかりではないように思います。  

  結果から言うと、当該法人は応募したすべての施設で指定管理者に選定され、厳重注意という処分に留まりました。勇気ある決断の賜物だったと思います。

    だいぶ前ですが、全国的規模の指定管理者が、施設内で発生した不祥事を指定管理の審査終了時まで公表しなかった事例があり、この際は、複数施設で指定管理者選定を辞退せざるを得ない状況に追い込まれました。また、最近も、不祥事を長期間、自治体に報告していないことが発覚し、トップが謝罪会見に追い込まれる事例が発生しています。 

   現在、報道を賑わせている総務省の接待問題も大部分は内部告発でしょう。近年、SNSの普及などにより、以前と比べれば内部告発のハードル下がっており、いくら口止めしても内部告発を防止する(=隠蔽する)のは困難と考えるべきです。万一、報道や自治体への電話・メールなどで不祥事が発覚するようなことがあれば、厳しい処分は避けられず、少なくともトップの引責は不可避でしょう。

   誰しも指定管理公募期間中に、不祥事を報告することには躊躇があると思います。だからこそ、切羽詰まった状況で誤った判断をしないように、万一、不祥事が判明した場合には「公募期間中であったとしても、直ちに自治体に報告する」というルールを明確化し、幹部職員に周知徹底しておくことも必要なのではないかと思います。(2021.3.21) 

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  新型コロナがだいぶ落ち着いており、今月(11月) から、感染防止のための利用制限措置などを少しずつ緩和している施設も多いと思います。まだまだ、本格的な業務展開の準備期間と考えている施設も多いと思いますが、来年度(令和4年度) に公募がある施設については、来月(12月) は、とても重要な「月」 になる可能性が高いと考えてください。

                                                                                      

   通常、現在の指定管理者が事業計画書を作成する場合、(年度ベースの) 利用者数や利用料金が増加していることを強調します。けれども、令和2年3月以降、コロナ禍でほとんどの施設で利用者や利用料金収入が減少しており、令和4年度の公募で、利用促進の実績を強調できないという状況になっているはずです。

   もちろん、コロナ禍による利用者数・利用料金の減少はやむを得ない事情であり、指定管理者の評価が下がるわけではありませんが、利用者数・利用料金の増加という実績を強調できないのですから、このままでは、現指定管理者のアドバンテージのひとつがなくなることも事実です。

   これを補う手法として考えられるのが、今年(令和3年) 12月の利用者数・利用料金が増えていることを強調することです。すなわち、「新型コロナ感染者数が落ち着いた令和3年12月の利用者数・利用料金は、コロナ禍以前の令和元年12月と比較して〇%増加しており、コロナ禍が落ち着けば、今後も、高い水準の利用促進を実現する十分な素地があります。」と記載することで、実績をある程度強調することができます。

   このような手法は、12月に限らず、1〜3月でも可能ですが、ヨーロッパ等では、ワクチン接種がかなり進んでいるにもかかわらず、感染者数が増加していることから考えて、日本でも、1〜3月にいわゆる「第6波」が到来する可能性は否定できません。多くの専門家が、今年の11月、12月は、感染者数が低い水準にとどまると考えているようですから、できれば、12月に、次期公募に向けたアピール材料をつくっておくことが重要なのではないかと思います。(2021.11.22)

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   あけましておめでとうございます。適宜、内容を追加していきたいと考えていますので、時間があるときに読んでいただければ幸いです。

    岸田総理のスローガンである 「成長と分配」 に基づき、今年は、「賃上げ促進税制の拡充」、「看護師・保育士・看護師の賃上げ」、「大企業等に対する取引先中小企業の賃上げ分の購入価格転嫁の要請」 など、労働者の給与アップを目指す政策が数多く実施されます。おそらく、今年の最低賃金の改訂も、昨年と同様に、大幅な上昇となる可能性が高いでしょう。


  このように 「給与アップ」 がクローズアップされているにもかかわらず、スタッフ給与に直結する指定管理料については、相変わらず厳しい状況が続いており、コロナ禍による自治体の財政状況悪化等によって、さらに厳しい要求 (自治体側に立てば要請)をつきつけられる事例もあるようです。例えば、昨年、自治体から以下のような要請があり、どのように回答すべきか、指定管理者の方からご相談をいただきました。(いずれも、昨年秋に指定管理者更新の公募があった施設です。)
 

① 今回の公募では指定管理料を5年間で1,500万円削減したい。○○財団には、内部留保
   が約1,900万円あり、これを活用するということで、削減に協力してほしい。

② 市が市民に定期的に配布している入浴施設無料利用券は、新規利用者を増やすという
   当初の目的とは乖離していると考えられるので、次期指定管理期間では廃止したい。
    (注:無料利用分の料金を市が指定管理料とは別に支払うことになっており、 無料券が
     廃止されると指定管理者の収入が毎年百万円規模で少なくなる可能性がある)

   私は、それぞれ以下のような趣旨の回答をするようアドバイスしました。

① 例えば、T自動車は連結決算で5兆円近くの内部留保がありますが、○○市が自動車を
     購入する際、内部留保額を理由にディスカウントは要請していないはずです。また、内
     部留保を理由に指定管理料を削減できるのであれば、多額の貯金がある市職員の給
  料を下げることも理論的には可能なように思います。当財団に対して、内部留保を理由
  に削減
要請を行う法的な妥当性及び根拠をご教示ください。


② 無料利用券は市民に広く定着しており、「当初の目的と乖離していると考えられる」という
    ような、あたかも、個人の感想のように受け取られかねない理由で廃止することには、強
   い反発が想定されます。言うまでもなく、最終決定権者は主権者である市民であり、
    まず、市民への説明責任を果たせるようなデータを市が示した上で、市が責任を持って
    市民の理解を得ることが、混乱を回避するために最低限必要ではないでしょうか。


 結論を言うと、いずれの法人も自治体が要請を取り下げ、指定管理者に不利益はありませんでした。(指定管理者にも、無事、選定されました。なお、①の回答の「職員の給料」の部分は、少し過激なので削除してもよいともアドバイスしましたが、指定管理者側の判断で、削除しなかったようです。)

   私の経験では、自治体の要請に反論する際、「厳しい」とか「これでは運営できない」というような文言を使うことが多いようですが、このような文言だけで説得することはまず無理です。①の回答のように、他の事例を挙げる手法が効果的である可能性が高いと思いますし、利用者に不利益が及ぶ可能性があるのであれば、②の回答のように「主権者は市民」という原理原則を強調して、主権者(市民)の理解を得るデータを求めること(多忙な自治体職員が、データを収集・分析する余裕がないことが多い)で、説得できる可能性が高まるのではないかと考えられます。
 
    指定管理料や管理運営のルールは、本来 (公募時に) 自治体が自らの権限で一方的に定めることができます。これを指定管理者に要請 (相談) するのは、「指定管理者の応募がなくなると困る」 とか 「自治体負担を削減したいが、サービス水準が低下して住民から批判されるのは避けたい」 のような、何らかの懸念があるからです。ですから、丁寧かつ冷静に反論すれば、指定管理者側の不利益を避けたり、最小限に留めたりできる可能性が十分にあります。(2022.1.3)

 

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  国会に提出された予算書に誤りがあり、総理や担当大臣が陳謝したことが大きく報道されています。もちろん、ない方がよいことは言うまでもありませんが、とはいえ、膨大な量の資料の誤り・ミス・誤字・脱字などを 「ゼロ」 にすることはかなり大変で、正直、「そこまで大きく報道しなくても」 と思います。

    ところで、今年度(令和3年度)は、指定管理の公募でも、全国的に募集要項、仕様書の誤りが結構ありました。私の想像ですが、コロナ禍で突発的な業務が増えて多忙を極め、自治体担当者が十分なチェックを行う時間・余裕がなかったことが要因なのではないかと思います。 

                                                                                

    募集要項・仕様書の誤りを見つけた場合に「○○は□□の誤りではないでしょうか」という質問を、文書 (質問票) で行うケースをよく見かけますが、(誤りかどうか「あやふや」 な場合ではなく) 100%に近い確率で誤りであると考えられる場合は、文書ではなく、電話で担当者に知らせるのがよいでしょう。

   自治体担当者にとって、外部から「誤り」 を文書で指摘されるのは、「かっこ悪い」ことはもちろんですが、上司の評価が下がる可能性もあり、気分がよいものではありません。職員が落ち込むだけなら、指定管理者には何の不利益もありませんが、中には、「どこかで一矢報いてやる」というような感情を持つ職員もいますので、被害を受けるリスクも「ゼロ」ではありません。

  自治体職員にとって、同じ正誤訂正でも、外部から指摘されて行うのと、自らが誤りを発見して行うのでは、大きな差がありますので、電話で柔らかく知らせて 「職員が自ら気がついて訂正する」という形にしてあげることが大人の対応だと思います。(2022.1.28)

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  知床観光船で事故が発生しました。まだ、発見されてない方が10名以上いらっしゃるということで、1日も発見されることを祈っています。このニュースで、私が思い出したのは、今から12年前に静岡県浜名湖の指定管理者制度導入施設で発生したボート転覆による死亡事故です。      

   当時の新聞記事を読み返したのですが、事故原因として、「天候が悪いのに出港した(地元の漁師も出漁していなかった)」 「引き継ぎが十分でなかった」 「社員の訓練が十分でなかった」 「マニュアルが文書化されてなかった」 「浜名湖の天候を十分理解していなかった」 などがあげられており、(報道されている内容で判断すれば、今回の知床観光船の方が、はるかに悪質だとは思いますが)、基本的な原因はとてもよく似ています。

  このように事故の多くは、過去の事故から学び、過去の事故の教訓を活かすことで防止できる可能性を高めることができます。今回の事故を決して 「人ごと」 とは思わず、「過去の事故の原因・教訓から学び、その対策が適正に行われているかを常に確認する」という姿勢を持ってほしいと思います。

   「国土交通省の指導・監督にも問題がある」 との一部報道もあります。たまたまテレビで(事故を起こした会社とは別の会社の方が、緊急点検に来た国土交通省担当者に対して)「実際に衛星電話がつながるか操作して確認しろ。書類しかチェックしないから、事故が起こるんだ」という発言している場面を見ました。

    私も県庁在籍時代、指定管理者のモニタリングを行っていましたが、多くは書類のチェックで、自分の不手際を指摘されたような気持ちになりました。おそらく、私と同じ気持ちになった自治体職員も多いと思います。このため、今年度のモニタリングは、少し違った形、例えば、モニタリング時に「危機管理マニュアルを理解しているかどうか個々の職員に質問する」 とか 「緊急連絡網がきちんと機能するかを実際に試す」 などが行われる可能性があります。当然のことですが、規程・マニュアル・連絡網などは「作りっぱなし」 ではなく、実際に職員のみなさんがきちんと理解していることが重要です。ぜひ確認してほしいと思います。(2022.5.1)

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   政府の「新型コロナウイルス感染症対策本部」が、2月10日にマスク着用に関する考え方の見直しを発表しました。正直、内容が曖昧な部分がありますし、「3月13日からマスク着用は不要」という報道のみが大きく取り上げられているため、混乱やトラブルなどが発生する可能性も少なくないように思います。 

 まず、学校は3月13日ではなく、4月1日から適用です(卒業式を除く)。したがて、もっぱら児童が利用する学童保育や同伴する保護者以外は児童が利用する施設(子ども科学館、児童向け図書館等)などは、学校に準じて3月末まではマスク着用が基本になると理解すべきでしょう。

 また、屋内で他者との距離が2m以下しか確保できない場合や高齢者等の重症化リスクの高い方と接する場合は不織布マスクの着用が推奨(義務ではない)されており、コンサートホールや多くの高齢者や障がい者が利用する施設はマスク着用が推奨されていると考えるべきでしょう(ただし「義務」でなく「推奨」で、最終的には個人の判断に委ねられるとも明記されています)。


 なお、新幹線や高速バスなど、概ねすべての者が着席できる公共交通機関ではマスク着用が推奨されていません。新幹線や高速バスで前後左右2mの距離を確保することはできませんので、私は、上記と矛盾すると思うのですが、これについての明確な記載はありません。


 さらに、「事業者が利用者や従業員に対して、マスク着用を求めることは許容される」との記載がありますが、この「求める」という言葉が「義務」なのか「推奨」なのかという疑問が湧きます。役所の常識で考えると、同じ文書の中で同じ意味なら同じ言葉を使います。このため、「求める」は、おそらく「推奨」よりも強く「義務」よりは弱い表現であると考えられますが、どの程度の「強い要請の度合いがある」かは明確ではありません。

 指定管理者のみなさんは、混乱やトラブルをできる限り回避するために、3月13日以降、「利用者にマスク着用を(一律または部分的)に求めるかどうか」、「部分的にマスク着用を求めるとすれば、どのような場合か」、「利用者に拒否された場合の対応」などについての案を作成し、自治体と早急に協議するべきだと思います。「指定管理者に任せる」のように自治体としての判断を避ける担当者もいるでしょうが、トラブル等が発生した際に「指定管理者が勝手に判断した」と自治体に言わせないようにするだけでも協議する価値はあると思います。(2023.2.18)

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  最近、山陰のテレビ局幹部による寄付金の横領、コロナ関係の補助金・委託料の不正受給、関西の歌劇団のパワハラなど、不祥事の報道が結構目立っています。あくまで報道からのみの感想ですが、私には違和感があります。(多くの自治体職員も同じだと思います。)

 例えば、寄付金の横領については、「今回の事案を受けて、当委員会を構成する民間放送31社では、皆様からお預かりする寄付金について、さらなる厳重な管理を行い、徹底して再発防止に努めて参ります」とのコメントが発表されています。

 もちろん「さらなる厳重管理」や「再発防止」は重要ですが、寄付金の横領は10年間に渡って続けられていた(=10年間発見できなかった)のですから、山陰のテレビ局だけの問題ではない可能性、すなわち、他のテレビ局でも発生している可能性もゼロではありません。他の30社でも横領等がなかったのかの事実確認を実施することも再発防止策と同等以上に重要でしょう。

  不正受給も大手企業であれば他の支店などで、パワハラも特定の組だけでなく、他の組でも行われていた可能性を否定できないのですから、まず、当該支店や特定の組だけでなく、組織全体の事実確認を同時進行で行うべきだと思います。

 指定管理は自治体がパートナーですから、原則として、上記プロセス(組織全体の事実確認)を省略することはできません。万一、横領などの不祥事が発生してしまったら、仲間を疑うのは心理的には耐えがたいでしょうが、それでも、公の施設を管理運営する責任として(当該不祥事等の全容解明に加え)同じ施設の他部門や管理運営している他施設でも同様の不祥事等がないかどうかの確認も行い、その上で、再発防止策を検討、関係するすべての自治体に報告、迅速に実施するという手順が必要です。

 不祥事等は「発生しないこと」が一番ですが、職員の行動を24時間365日監視できない以上、発生リスクを「ゼロ」にすることは困難です。万一の際に、適正に対応することができれば、自治体や住民の信頼を保持することは不可能ではありません。発生してしまうと、冷静に行動できない可能性もありますので、特に、幹部の方は、万一、不祥事等が発生した際の対応を事前に明確化しておくことも大切だと思います。

 なお、今年度(令和5年度)に職員による横領が発覚した全国規模の指定管理者が、公表されている議事録に記載されている範囲では、審査の際に質問、議論、確認等もなく(当該施設以外の)3箇所で指定管理者に選定されています。万一、この指定管理者が選定された施設で同様の不祥事を起こせば、自治体や審査委員の責任問題にも発展しかねません。特に、外部審査委員の方は、事業計画書提出者の国内での不祥事等の有無について、審査委員会の前に自治体担当者に確認を要請することが安全策だと思います。(2023.12.3)

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  新年早々、能登半島で大地震が発生しました。被災された方などにお悔やみ申し上げるとともに、被災地の復興をお祈り申し上げます。

 令和5年度の指定管理者公募では、公益財団法人や第3セクターの株式会社等などのいわゆる「外郭団体」が民間企業に敗れるケースが結構目立っており、中には、自治体のメインとなるような施設で敗れている事例もかなりあります。

 ここ10年くらいは、外郭団体の事業計画書作成スキルや管理運営水準も向上し、特に、自治体の中心となる施設では、民間企業にも優位に戦うことできていたことを考えると、トレンドが変わった可能性があります。

 ここから先は私の想像ですが、もし、トレンドが変わったとすれば、その理由として考えられるのは公務員の定年延長です。例外も数多くあること前提に記載しますが、自治体が外郭団体を守ろうとする動機のひとつは、退職者の再就職先の確保です。

 地方公務員(特に幹部職員)は、定年に到達する前に、例えばですが、58歳時に「年度末で退職すれば6年間の再就職先を斡旋する」というように退職勧奨を受けます。断ると60歳までは勤務できますが、再就職先の斡旋はありません。再就職の際の年収は半分程度に下がりますが、それでも6年間勤めれば、公務員として残り2年間働くよりも合計収入額が多くなるため、かなりの職員が退職勧奨を受け入れます。この結果、人事部局は勧奨退職を受け入れた職員の再就職先を確保しなければならず「退職者を確実に受け入れてもらえる」という理由で外郭団体が守られているケースが結構あるのです。

 ところが、公務員の定年延長により、この構図が崩れているケースがあると考えられます。公務員の定年は、2023年度から2032年度まで10年間かけて60歳から65歳に延長されます(加えて経過措置があり、2023年度からは、希望すれば、いったん退職した上で65歳まで再雇用されます。)

 つまり、今後10年間は、定年延長により退職者が減少する関係で、退職者の再就職先を数多く確保しなくてもよくなったことが、今年度の公募結果に影響している可能性があるというのが私の想像です。これが当たっているとすれば、今後10年間、外郭団体は、これまで以上に公募で勝つことが厳しくなります。

 もちろん、民間企業に負けない水準の管理運営を行えば何ら問題はありません。ただ、自治体OBの再就職先となっている外郭団体の方は、今後10年間、これまで以上に公募での勝利が難しくなる可能性があるということを考慮して、管理運営や事業計画書作成に取り組む必要があります。(2024.1.4)

 

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   今年度の公募で、現指定管理者に勝ち、新たな指定管理者として令和6年4月から管理運営を始める当社クライアントが2社あるのですが、いずれも、人員の確保に苦労しています。新たに指定管理者に選定された場合、通常は、旧指定管理者の職員の多くを雇用することができるのですが、2月末現在、ある企業はオファーした旧指定管理者職員9名中2名、もう片方の企業も6名中2名しか雇用できていません。このため、人材紹介会社などに求人を依頼せざるを得なくなっています。

 このような状況は、上記2社だけでなく、当社が調べた範囲(と言ってもわずか3施設ですが)では、多かれ少なかれ、旧指定管理者職員を思うように雇用できていないようです。

 また、オファー断った旧指定管理者職員の多くが(指定管理ではない)一般企業に再就職しているようです。現在は、史上空前の人手不足であり、特に、大都市圏では、一般企業の再就職先も少なくありません。また、「賃金の大幅上昇」という報道が数多くありますが、指定管理者の職員にとっては(指定管理料が大幅に上昇することは考えにくいので)、別世界の話であり、公募での敗戦をきっかけに、指定管理施設で働くことに見切りをつけた方もいるのかもしれません。

 そして、このような傾向は(敗戦した法人だけではなく)かなりの指定管理施設に広がる可能性があります。ほとんどの指定管理事業計画書には「体制」の項目で、人員数を明記する必要があり、管理運営ではこれを遵守する必要があります。想定外の退職者が出た場合、迅速に後任を配置できなければ、指定管理者としての評価を下げてしまいます。

 今年度、大手の指定管理者が、自治体に配置人数を過大報告して、指定取り消しになったケースがありました。この法人は、短期間での人員の入れ替わりが結構あるとの噂があり(あくまで噂であり、正確でない可能性もあります)、以前であれば、すぐに後任を確保できたのでしょうが、なかなか新規採用ができないという状況が過大報告につながった可能性があると考えられます。

 このような状況が続くとすると、特に、現指定管理者については、長く勤務する職員が数多く在籍する法人の評価が高まると考えられます。これまで評価が高かった全国規模の大手指定管理者でも、短期間での人員入れ替わりが激しいような法人は、今後、これまで以上に評価が下がるでしょう。職員の入れ替わりが少ない施設は「勤続年数が長い職員が多数在籍している」というアピールを公募やモニタリングで行うと、評価を上げられる可能性が高いように思います(2024.3.3)

 

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会社概要

株式会社
指定管理者情報センター

本社:徳島県徳島市
東京:東京都港区浜松町

コラム

2024.3.28
自治体や自治体の外郭団体が独占的に運営・管理を行っていた公共施設。 これらを民間企業やNPO法人に委託することによって、管理運営の効率化を図る「指定管理者制度」。 指定管理者への応募や実際に指定管理者を務めていくに当たっての各種コンサルティングのご相談がありましたら、私ども指定管理者情報センターにお任せください。

2024.3.21
指定管理者を採択する自治体側の方にも、今行っている業務に対して問題意識を持ち、改善を実施していきたいとお考えの方は少なくないと思います。 私ども指定管理者情報センターでは、そのようなお考えをお持ちの自治体側の方向けのメニューもご用意しております。 コンサルティングをご希望の際は、お気軽にご相談ください。

2024.3.13
指定管理者制度を採択している施設を円滑に運営していくために必要な知識を身につけるためには、それを適切に指導できるコンサルタントの協力を仰ぐという方法があります。私ども指定管理者情報センターでは、代表者が実際に自治体で指定管理担当者として業務に携わった経験があり、その時に得た知見を提供することができる環境が整っております。指定管理者制度に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

2024.3.6
どのような資料においても取捨選択は肝心です。これは指定管理者選定の際に作成・提出を求められる事業計画書も例外ではありません。提出先が求めている情報をきちんと記載できていることがまず大前提となってきます。指定管理者情報センターでは、事業計画書作成において記載すべき内容のポイントの紹介をはじめ、様々なノウハウを提供しております。

2024.2.28
指定管理者公募のサポート・コンサルティングを行う指定管理者情報センターでは、ご相談いただく方の現状に合わせた支援メニューをご用意しております。事業計画書の企画立案のサポートを主軸としたプラン、プラスアルファで計画書の文書作成までトータルでサポートするプランなど、様々なプランがございます。ご相談いただくにあたって、現在の状況をお聞かせください。適切なプランをご提案致します。

2024.2.21
会社や法人には適切に運営を行っていく上で必要な様々なルールを設けています。それは地方自治体においても同じことで、自治体で管理している施設にもそのルールや慣習などが適用されているケースが少なくないため、それらを把握することが指定管理者を務める側には求められます。そのような施設管理運営のための知識やテクニックのことなら、指定管理者情報センターにお任せください。

2024.2.15
指定管理者の選定に用いられる事業計画書。その中身は提出先によって求める答えの部分が異なるため、一般的な試験問題のような必勝法の類は当然存在しません。しかし、応募を行っている自治体や指定管理者を採択したい施設の固有の事情を加味した上で、最適な内容を記載し、作成することは可能です。指定管理者情報センターは、それそれの個別の事情や状況に応じたオーダーメイド型の戦略を立てたコンサルティングを実施しております。

2024.2.7
私ども指定管理者情報センターにて手掛けている指定管理者応募コンサルティングを、ご相談いただくお客様に自信を持ってお勧めできる理由のひとつが、「活きた情報」を提供できるという点です。実際に地方自治体にて指定管理者制度の担当を務めた経験と実績に基づく知識、そして指定管理者に対しての考え方など、有益な情報を提供することが可能です。指定管理者への応募を検討中の方、またそれに伴うコンサルタント先をお探しの際は、お気軽にご相談ください。

2024.1.31
指定管理者制度選定の際に地方自治体側から提出を求められる「事業計画書」。自治体によって様式に多少の際はありますが、記載すべき内容には当然傾向のようなものが存在します。指定管理者情報センターでは、事業計画書に記載すべき内容など、計画書作成におけるポイントのアドバイスなども行っております。

2024.1.24
指定管理者として施設の管理・運営を実施していくためには、様々な知識やテクニックが必要となる場面が少なくありません。ご自身の技量ひとつでこの局面を乗り切るのは不可能とも言い切れませんが、やはり何かしらのサポートがあった方が安心できるのは間違いありません。指定管理者情報センターでは、管理・運営に必要な情報を現在の状況に照らし合わせ、適切にご案内させていただきます。

2024.1.17
指定管理者情報センターのご案内しているサポートは、3つのコースで構成されています。ひとつはこれから指定管理者制度に応募される方向けの応募サポート、もうひとつは今現在指定管理者を務めていらっしゃる方向けの管理運営にまつわるサポート、そして最後は指定管理者向けに特化した公益法人制度改革に関するコンサルティングのサポートです。いずれも指定管理者制度に関する深い知見を持った弊社代表が責任をもって対応致しますので、お気軽にご相談ください。

2024.1.10
決まりきった手順に沿った運用を是とすることが少なくない自治体においては、指定管理者を務める外郭団体等から提案された手法等を承認しないケースもそれなりにあるものです。進歩的な内容でありつつ、自治体からの承認も得やすい、自治体側の考えにも沿った落としどころのある提案や取り組みの立案などに関するノウハウの提供も、私ども指定管理者情報センターで行っております。

2023.12.20
「実のある知識」についての考え方・捉え方は人によって異なりますが、知識を有する人の持つ経験がその礎になっているものは、実のある知識と言って差し支えないのではないでしょうか。指定管理者情報センターは、指定管理者選定やモニタリングに従事した経験から得た、まさに実のある知識をご相談いただく方々に提供することができます。疑問点に対して尋ねたいこと、どのように対策を打てばよいかなど、指定管理者制度に関することでしたら何でもお気軽にお問い合わせください。

2023.12.13
指定管理者公募の場面において、募集をかけている自治体側に質問ができる期間というものが必ず設けられます。分からないこと・疑問に思うことはこういった機会を使ってどんどん質問したいところですが、この質問制度に関しても指定管理者制度独特のルールがあるために、質問の内容によっては良い印象を抱かれなくなってしまう恐れがあります。指定管理者情報センターでは、質問の尋ね方からそもそもの「良い質問」とは、という基本的な考え方までしっかりとアドバイス致しますので、お気軽にご相談ください。

2023.12.6
指定管理者情報センターでは、指定管理者制度に関する個別無料相談会を全国各地で開催しております。開催予定日や地域の情報は、予定が定まり次第随時ご案内しておりますので、こまめにチェックいただけると幸いです。また、zoomを活用してのオンライン相談会などにも対応しておりますので、ご希望の際はお気軽にご相談ください。

2023.11.29
指定管理者として施設を運営するに当たって求められるものは、格式ばった運営だけではありません。民間から業務に携わることによる、先進的、かつ実利的な運営方法を検討・立案し、それを実際に行うことも重要なポイントのひとつです。指定管理者情報センターでは、様々な先進事例を元に今現在管理の現場で何が求められているか、何をすべきかを伝えるため、確かな目線でのコンサルティングを行っております。

2023.11.22
現在指定管理者の任を務められている方の中にも、「自治体の担当者とうまくコミュニケーションがとれない」「地域の人々と施設との間に距離を感じる」といった様々なお悩みをお持ちの方がいらっしゃると思います。指定管理者情報センターでは、今現在務められている指定管理者業務における必要な知識やテクニックに関するアドバイスなどもお教えしております。お気軽にお問い合わせください。

2023.11.15
平成30年に行われた調査の結果、75,000を超える数の施設で指定管理者制度が導入されていることがわかりました。そしてその中の実に4割の施設で株式会社や各種法人といった民間企業等が指定管理者を務めていることもわかりました。私ども指定管理者情報センターでは、指定管理者への応募を検討されている企業・法人への情報提供やコンサルティングを行っております。

2023.11.8
コンサルティングにおいて重要なのは、どれだけ活きた、実のある情報を提供できるかということです。指定管理者情報センターは、かつて指定管理者として現場に従事し、その時の経験を元にしたノウハウを提供できる環境が整っております。また、時代の移り変わりによって変動が生じてきた部分に関しても、様々な情報源を活用してアップデートを行い、その時々に応じた確実性のある情報を都度伝え教えることができます。

2023.11.1
指定管理者の応募に欠かせない申請書や事業計画書。締め切りに設定されている日にギリギリ間に合えばよいのでは……とお考えになる方も少なくありませんが、期日が差し迫っている時に思わぬトラブルが発生し、結局提出に間に合わなかった、といった事態が起こらないとも限りません。不備なくしっかりと拵えた書類を万全の状態で提出する、これが一番ベストな選択と言えるでしょう。

2023.10.26
自治体やその外郭団体が独占的に管理していた公共施設の管理業務を民間企業やNPO法人などに委託し、管理運営の効率化を図る制度である「指定管理者制度」。指定管理者情報センターは、指定管理者を目指している、あるいは現在その任を務めている法人様へのアドバイスやサポートを行っております。指定管理者に関するご相談がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

2023.10.19
指定管理者の公募を行うに当たって、応募される団体向けの現地説明会が開催されるケースは少なくありません。中には現地説明会の参加が応募の絶対条件になることもありますので、参加される際には相応の準備をしておくに越したことはないでしょう。指定管理者情報センターでは、現地説明会への参加における心構えやすべきことなどもアドバイスを行っております。

2023.10.11
公益財団法人や公益社団法人の移行認定申請に関するコンサルティングや各種提出書類の作成代行は、その複雑さや文書量の多さ、そして指定管理者制度への豊富な知識が求められるため、税理士・行政書士といった士業の方であっても困難を極めるケースが少なくありません。指定管理者に関する豊富な知識を有する指定管理者情報センターでは、公益法人制度改革に向けたコンサルティングにも対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。

2023.10.4
指定管理者は、地域の住民のために開かれている施設の運営に携わる業務です。指定管理者に選定されるには、利用者である住民の方々はもちろんのこと、選定を行う自治体側に評価される必要があります。自治体が行う公募での高い評価を得るための対策に関するご相談は、指定管理者情報センターまでどうぞ。

2023.9.27
指定管理者の選定のために作成される事業計画書。事業計画書において大事なものとは一体何でしょうか。計画書のデザインや見栄え、訴求力のあるプレゼン、これらももちろん大切な要素ではありますが、何よりも大切にしていただきたいのは「どのような管理運営を行うことができるか」を的確にアピールすることにあります。指定管理者情報センターでは、重要なポイントにしっかりとウェイトを置いた事業計画書の執筆方法についてのレクチャー・アドバイスも行っております。どうぞお気軽にご相談ください。

2023.9.20
車両の輸送に陸送業者を使うメリットとは。それは、車の納車先まで業者が安全にノンストップで搬送してくれるので、効率よく輸送されること、また輸送中に事故、あるいは車上狙いなどの盗難被害などに遭いにくく安全であることなどが挙げられます。e-陸送では、最大20社までの見積もりを一括で取得できるので、お客様に最適な業者をかんたんに見つけることができます!

2023.9.13
指定管理者を選定するのは公募を行う地方自治体です。つまり、指定管理者に選ばれるためにはその考え方や提案が自治体側からどれだけ高い評価を得られるかにかかってきます。指定管理者情報センターは、指定管理者の選定・モニタリングに携わった経験から得た視点からより確かなコンサルティングを行っております。

2023.9.6
指定管理者制度は通常の管理委託が原則1年間の契約になることに対して、3~5年ほどの複数年の契約が締結されます。その契約期間が満了した後、再度公募を行い、新たな指定管理者を選定することもあれば、評価如何によっては引き続き前任の指定管理者が再び選定され、業務を継続することもあります。指定管理者情報センターは、これから指定管理者に応募されるというケースはもちろん、再選を目指す現職の管理者へのサポートも行っております。

2023.8.31
広く一般的に知れ渡っている子供向けの遊びやゲームなどに、地域独自のルールが付加されることを「ローカルルール」などと呼んだりします。こういったローカルルールは先に挙げたような遊びの場面だけでなく、大人の方が日々過ごす社会生活においても存在し、特に地方自治体の運営の中ではしばしこのローカルルールが重要な位置に登場することがあります。指定管理者として施設の管理運営を行うに当たって、その地方自治体が持っているローカルルールや習慣を知り、上手に活用することはテクニックとして持っておいて損はありません。

2023.8.23
「指定管理者への応募を検討している」という方でも、現在の状況は千差万別です。事業計画書の書き方からサポートが必要という方もいれば、作成は自身でも可能だが細部にアドバイスが欲しい、という方もいらっしゃいます。相談者の方それぞれの状況に応じたサポートができるのが指定管理者情報センターの強みです。

2023.8.9
指定管理者公募の場において高い頻度で開催される現地説明会。現地説明会は、指定管理者に応募してきた事業者の本気度を探り、測るための機会としての意味合いが非常に強い場所と言っても過言ではありません。指定管理者情報センターでは、現地説明会に臨むに当たってのアドバイスなども行っております。

2023.8.2
指定管理者の応募に欠かせない、自治体へ提出する事業計画書。事業計画書作成に当たって押さえておくべきポイントは様々です。ご覧のウェブサイトには事業計画書作成のポイントをまとめたページがございます。実際にご相談いただく前にそちらも併せてご覧ください。

2023.7.26
日本全国の各自治体で導入・運用されている指定管理者制度。指定管理者に任命されるために必要なノウハウを有しているのが、私ども指定管理者情報センターです。実際に指定管理者の選定・モニタリングに従事した経験があるからこそできる的確なサポートをお約束致します。どうぞお気軽にご相談ください。

2023.7.19
指定管理者制度は、応募される側の方だけでなく公募を出す側である各地方自治体の担当者の方にとっても考えていくべきポイント、知識を深めるべき箇所などが様々ございます。私ども指定管理者情報センターでは、そういった各自治体を対象としたメニューもご用意しております。現状の指定管理者制度について様々な問題意識を持っているけれど、どこに相談して良いかわからない……。そんな時はお気軽にお問い合わせください。

2023.7.12
ある事例に対してノウハウを有する専門家にコンサルティングを依頼するに当たって、依頼者の方がどの程度の知識を有しているかも大切なポイントのひとつになります。指定管理者情報センターは、ご相談いただくお客様のニーズに合わせた商品設計を可能としております。「事業計画書の書き方から教わりたい」「大枠は執筆できるので、細かなところを指摘・修正してほしい」など、現在の状況をお伝えください。

2023.7.5
私たち指定管理者情報センターが指定管理者応募に向けての質の高いコンサルティングを提供できる理由のひとつが、所有している情報量の豊富さにあります。自治体への情報公開請求はもちろんのこと、弊社独自で有するルートから入手した300種類以上の事業計画書、そして1,000種類を越える募集要項・仕様書などにより、全国の指定管理者選定の特徴や傾向を収集・分析することができます。その作業を通じて、それぞれの自治体の方針やライバルとなる他企業・団体が取るであろう戦略に応じたコンサルティングを提供することができるのです。

2023.6.28
現在、指定管理者制度を導入している施設は全国で7万以上あります。その中の実に4割の施設の指定管理者を民間企業やNPO法人などが務めています。これから指定管理者への応募を考えているけれど、そのための手順やノウハウが分からず悩んでいる……。そんな時は私ども指定管理者情報センターにご相談ください。

2023.6.21
施設を所有する自治体側の意向にも左右される面はありますが、指定管理者には管理する施設をより良い形で運営していくための先進的な対応が求められることがあります。そのためには、もちろんただむやみやたらと新しいこと、誰も実践していないことを推進するのではなく、現実的な落としどころを見極めながら一歩先を行った提案を行う必要があります。指定管理者情報センターでは、より良い形での先進的な対応の提案に関するご相談も承っております。

2023.6.14
新たに指定管理者に選出された際にほぼ間違いなく発生するのが、前任の指定管理者からの引継ぎです。引継ぎ対応は基本的には当事者同士で行うものですが、自治体側の担当を交えた席が少なくとも一度は設けられるので、その時には前任の担当者が任期の間は適切に業務を行ってくれるように自治体側と協力体制を敷いてアプローチをかけていくことが求められます。この他にも業務の引継ぎに関しては様々なポイントがあります。それらについてもアドバイスなどを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

2023.6.7
指定管理者応募のために作成が求められる事業計画書。計画書の中に盛り込まれるテーマやポイントは様々です。たとえば避けては通れないテーマであるコストの削減に関する事柄などは、削減すべきコストとそうでないものを適切に見極め、論説する必要があります。事業計画書の執筆・作成手法に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

2023.5.31
何かと分かりにくいことの多い指定管理者制度。皆様それぞれに聞いてみたいこと、知っておきたいことがあると思います。指定管理者情報センターでは、指定管理者制度に関する個別無料相談会を開催しております。zoomを利用したオンライン形式の相談会にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

2023.5.24
国や地方自治体が、公共施設や公共サービスの運営を民間の法人や団体に委託する制度、それが指定管理者制度です。指定管理者制度が導入された背景にはさまざまな理由がありますが、公共施設を運営するに当たってより効率的な運営を行うために民間側の持つノウハウや知識が役立てる要素が少なからずあるというのがその理由のひとつと言えるでしょう。私ども指定管理者情報センターでは、指定管理者の公募に対しての対策や各種サポートに関するご相談を承っております。

2023.5.17
指定管理者を民間から選出する施設は、選ばれた指定管理者、つまり民間団体と自治体側の協力体制によって運営されます。健全な施設運営のためには、それぞれが持てる力を持ちよって協力体制を整え、様々な課題に取り組んでいく必要があります。運営のためにどのような取り組みを行うかについてのサポート・コンサルティングに関するご相談は、指定管理者情報センターまでどうぞ。

2023.5.10
感謝のお声や苦言・苦情など、施設を利用される利用者の方々からいただくお声は、指定管理者公募の際の事業計画書に欠かせないポイントのひとつと言って良いでしょう。利用者の声を収集するために効果的なアンケート・ヒアリング調査を行うに当たっては、様々なコツやポイントが存在します。指定管理者情報センターでは、そういった細部に関するご相談やそれに対したアドバイスなども行っておりますので、お気軽にご相談ください。

2023.4.26
私ども指定管理者情報センターは、指定管理者への応募に関するサポート・コンサルティングを行っております。対応内容は応募に際してのアドバイスはもちろんのこと、公募を行っている施設への応募を勧めるか否かについてのジャッジなども行っております。指定管理者に関する物事でしたらどのようなことでも回答致しますので、お気軽にご相談ください。

2023.4.19
指定管理者業務は一般企業とは異なる考え方をベースにしていることもあるため、企業的な考え方では採用・評価してもらえないこともしばしばあります。指定管理者情報センターでは指定管理者の公募に対するサポートや施設運営をしていくうえでのアドバイスなどを行っております。これから指定管理者の公募に応募する場合や指定管理者として施設の維持にお困りの際には是非ご相談ください。

2023.4.12
施設の運営には営業的な面もあれば施設のメンテナンスなどの維持・管理に関する面も存在します。指定管理者情報センターでは、指定管理者の公募における事業計画書の執筆について幅広いサポートを行っております。施設の維持管理に関する記述についてのアドバイスももちろん対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

2023.4.5
難関な試験や課題を突破するためには勉強が不可欠です。とはいえ、闇雲に勉強をするよりも今現在どのような学習が必要なのか、そのためにはどんな取り組みを行えばよいのか、それらが明確になっていた方が目標がより定めやすくなるというものです。指定管理者情報センターでは「これから指定管理者制度の勉強をしたい」「来年の公募に向けて準備を始めたい」といった人によって異なるニーズに対応できる専用のセミナーを開講しております。

2023.3.29
指定管理者を公募する自治体・公共施設は全国津々浦々様々な場所にございます。そのどれにおいても管理者として求めている条件が完全に一致することはなく、いわゆる高校・大学受験のような共通の必勝法のようなものは存在しません。指定管理者情報センターでは、通り一遍のワンパターンなコンサルティングではなく、それぞれが持つ個別の事情を考慮したオーダーメイド式の戦略を策定し、指定管理者採択へのサポートを行います。

2023.3.15
指定管理者として運営を務める施設の形態によっては、イベントの開催などが業務の内容に含まれることがあります。開催するイベントの提案に関する内容も事業計画書を作成する上では欠かせないポイントのひとつです。施設を利用する地域住民のことをしっかりと見据えて提案することが、指定管理者採択に当たっての審査に重要な役割を果たすことも少なくありません。

2023.3.8
指定管理者情報センターでは、指定管理者制度に関する個別無料相談会を開催しております。公募や施設の管理運営に関するご相談でしたらどのようなことにもお答えしております。会場を利用しての開催のほか、zoomを活用したオンライン上での相談会も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

2023.3.1
指定管理者として運営に携わるに当たって、コストの削減と同等、もしくはそれ以上にしっかりと向き合わなければならないのが、利用される方や運営するスタッフ側の安心・安全の確保です。事故の未然防止措置と発生時の危機管理体制については特に詳細に、かつ間違いなく実現可能なものを記載することが求められます。指定管理者情報センターでは施設の安全・安心の確保に関する情報ももちろんサポート可能です。お気軽にご相談ください。

2023.2.22
何事においても、先人から学ぶ知識というものは大切です。指定管理者の仕事においてもそれは例外ではありません。指定管理者情報センターでは、全国の指定管理施設の先進事例や管理運営のヒントになる情報を提供しております。ぜひご参考になさってください。

2023.2.15
指定管理者を務めるに当たって、その施設を管理している地方自治体が独自に有する様々なルールや慣習の存在は避けて通れないものです。施設の管理運営において、それらを把握・理解することはとても重要です。指定管理者情報センターでは、施設の管理運営に欠かすことができない必須知識・テクニックに関するアドバイスを行っております。

2023.2.8
指定管理者制度は、契約期間が満了を迎えれば原則的に再度公募が行われます。これにより管理者が交代するケースもあれば、前管理者が再度選定され引き続き業務を務める場合もあります。私ども指定管理者情報センターでは、初めて応募されるという方はもちろんのこと、再選を目指す現職の管理者の皆様へのアドバイスも行っております。

2023.2.1
指定管理者として円滑な施設運営を行うためには、その施設を利用される方が何を求めてそこに来られるのか、どういった形で施設を利用しているのか、そういったポイントを細かく把握しておくことがキーポイントになります。それを行うことで、これまで利用されていなかった方々の潜在的なニーズの掘り出し、そして今利用されている状況の中に潜んでいる問題点の炙り出しをすることができます。指定管理者情報センターは、こういったポイントを知るためのコンサルティングを行っております。

2023.1.25
弊社の手掛ける指定管理者応募コンサルティングを自信を持ってお勧めできる理由のひとつが、提供できる情報がとにかく「活きた情報」であるという点です。実際に地方自治体にて指定管理者制度の担当を務めあげた経験を持っているからこそ知りえた知識や指定管理者に対しての考え方など、糧となる情報を提供することが可能です。指定管理者への応募を検討していて、それに伴うコンサルタントをお探しの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

2023.1.18
指定管理者への応募の際にその作成が必須となるもの、それが事業計画書です。事業計画書の中身は作成される方によって千差万別ですが、施設を管理・運営していくに当たっての基本方針についての記載は欠かすことのできないポイントと言って良いでしょう。利用者の安心・安全の確保やコスト削減を目標とする管理運営についての記載など、骨格となる方針をしっかりと打ち出せるようにすることが強く求められます。

2023.1.11
指定管理者公募においてほとんどの場合開催される現地説明会。参加が応募の絶対条件になることもある現地説明会ですが、例えば現在の指定管理者と応募される側の方が何らかの取引を行っている場合、その参加がきっかけで取引が停止になってしまう事案が発生することもあります。指定管理者情報センターでは、こういった気づきにくいポイントに関しての案内なども行っておりますので、指定管理者への応募をお考えの際は、ぜひご相談ください。

2022.12.21
事業計画書に盛り込まれることも少なくない施設利用者から寄せられる様々な意見や感想についての項目。「アンケートやヒアリング調査を実施する」というだけでは、具体性が見えにくいところがあります。アンケートを行う回数や収集サンプル数の目標値などを分かりやすい形で掲示するのが、質の高い事業計画書作成の一歩と言えるでしょう。

2022.12.14
私ども指定管理者情報センターが行う指定管理者応募コンサルティングの特徴のひとつが、その豊富な情報量です。各自治体への情報公開請求はもとより、独自のルートで入手した事業計画書・募集要項・仕様書などを元に、選定の特徴や傾向を収集・分析し、より生きた情報を提供することができます。指定管理者公募についてより確実なコンサルティングをお求めの際は、ぜひご相談ください。

2022.12.7
指定管理者制度へ応募するための事業計画書を作成するためのポイントのひとつに、「強み」と「弱み」の分析と把握についての考え方というものがあります。まず、ここでいう強み・弱みというのは、運営予定の施設のことではなく、これから運営を手掛けることになるかもしれない皆様自身のことです。皆様の持っている強みが施設の運営にどのような利をもたらすのか、それを適切にアピールすることは大きなポイントとなると言っても過言ではありません。

2022.11.30
自信を持って行った提案や取り組みが、相手にとっては全く意味をなさない、影響を与えらないというケースは少なからず存在します。指定管理者の公募・施設の管理運営においてもそれは多く起こりうる事象のひとつで、この原因となるのが自治体側と企業・外郭団体の考え方の相違です。建設的かつ公募を行う自治体側にとっても有用な提案をするためのサポートをご希望でしたら、私ども指定管理者情報センターにご相談ください。

2022.11.23
指定管理者制度に関する事柄は、専門的な内容になればなるほど簡単にそれらの情報を取り入れたりするのが難しくなります。弊社代表は、実際に制度の担当者としての実務経験を有しており、より活きた情報を共有できると考えております。オンライン形式の相談会なども随時行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。                  

2022.11.16
私ども指定管理者情報センターでは、指定管理者を務める財団法人・社団法人に特化した公益認定申請のコンサルティング業務も行っております。指定管理者向けに特化したコンサルティングとなっており、財団・社団の現状を踏まえ、かつ将来のビジョンをしっかりと見据えた公益認定申請のアドバイスを行います。実際にご依頼いただく前段階でのコンサルティングの内容や費用に関するご質問なども随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。                   

2022.11.9
指定管理者が行う施設の維持・管理には、様々なポイントがあります。施設の安心・安全を確保するために【維持管理委員会】を設置するといった手法がそのひとつと言えるでしょう。指定管理者情報センターでは、アドバイスの一環としてこういった施設の維持・管理に関する情報も提供しております。                    

2022.11.2
中小企業診断士の方々が行っている経営コンサルティングは、売上のアップや人員削減を命題としたコンサルティングが行われることが多いと思われますが、こういったテーマは指定管理施設においてはあまりメインに上がることがなく、効果的なコンサルティングを得ることができなかったりすることもめずらしくありません。指定管理者センターは、自治体からの評価を高めるためにはどのような管理運営を行うべきかといった点などにスポットを当てて、より特化したコンサルティングをご案内しております。                    

2022.10.26
公共施設の管理・運営を民間企業・NPO法人などに委託する指定管理制度。施設の運営には様々な知識・テクニックを求められる場面が少なくありません。指定管理者情報センターでは、そういった知識・テクニックに関するアドバイスを含めたコンサルタント業務を行っております。                    

2022.10.19
指定管理者を務める方がいれば、当然その方々に対して受け入れる側となる自治体が存在します。自治体側の方々にとっても、指定管理者と良好かつ建設的な関係を築ければ、メリットの方が多くなるというものです。指定管理者情報センターでは、自治体の担当者様向けのメニューのご用意もございます。                    

2022.8.3
指定管理者として施設を運営するためには、様々なテクニックが求められます。指定管理者情報センターでは、施設運営に関するヒントをまとめて紹介しております。実際にコンサルティングをご依頼いただく前に、そちらも併せてご参照ください。                     

2022.7.27
公共施設における「サービスの向上」といえば、かつては「休館日の削減」であったり、「営業時間の延長」であったりが主な手法として考えられていました。しかし、時間というものは有限であるため、これらを対象とする対策にはどうしても限界が生じます。指定管理者の選定時に必要な事業計画書に欠かすことのできない「サービスの向上」についての記載に関して、これからの時代にどういったものが求められるのか、またどういったものが現実的な落としどころとして施行できるのかといったアドバイスに関しても、私ども指定管理者情報センターにご相談ください。                     

2022.7.13
指定管理者制度とは、かつて自治体及びその外郭団体が独占していた一部の公共施設の管理を民間企業・NPO法人等に委任し、管理運営の効率化を図る制度の名称です。指定管理者は原則として公募制で、選定に際しては自治体側の議会内で審査が行われ、選ばれます。私ども指定管理者情報センターでは、一連の公募に関して、自治体元担当者による確かな情報をご案内しております。                     

2022.7.6
指定管理者にとって重要なのは、その施設を利用する地域住民の方とその施設が所在する自治体の両方から評価される運営を行うことです。特に今現在指定管理者を務めていて、次回の公募でも再任されるためには、それが大きなアドバンテージとなります。住民と自治体の両方から高い評価を得るための方策についてのアドバイス・サポートをお求めの際は、私ども指定管理者情報センターへご相談ください。                     

2022.6.29
指定管理者への応募の際に提出が求められる事業計画書。事業計画書には、管理運営の基本方針や組織体制、収支計画や施設・設備の維持管理のことなど、記載すべきポイントはあらかた決まっていることが多いです。事業計画書作成の準備や、書き方に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。                     

2022.6.22
指定管理者の選定作業において必ず行われることのひとつが、現在の指定管理者の評価です。その人が管理者を務める施設の利用者数や稼働率、施設の安全・安心確保への取り組みなど、様々なベクトルから評価がなされ、そこから公募のスタンスが決まります。現在進行形で指定管理者を務めている方にとっては、その評価査定において高い評価を得ることが次回の公募への最大の対策になると言えるでしょう。                     

2022.6.15
ここ数年、公園内の敷地の一部で、キャンプ場やバーベキュー広場などの集客施設を民間が設置・運営する「パークPFI」の公募が、都市部だけでなく地方でも増えています。公園の指定管理者のみなさんは、このような傾向にも注意を払い、導入された場合に向けた対応を検討する必要があると考えられます。                     

2022.6.8
指定管理者への応募の際には必ず作成を行う事業計画書。事業計画書の作成には様々なポイントがあり、そのポイントを的確に押さえることが肝心です。指定管理者情報センターのウェブサイトでは、こういった事業計画書作成に必要なポイントに関する紹介ページも設けております。事業計画書の作成をはじめ、指定管理者への応募に関連する情報を多数掲載しておりますので、ぜひご参考になさってください。                     

2022.6.1
指定管理者の公募に当たって、現地説明会が開催されるのは稀なことではありません。時には現地説明会の出席が応募の絶対条件になることもありますので、可能な限り参加されることが望ましいです。当ウェブサイトには現地説明会に関して説明したページもございますので、ぜひご参照下さい。                     

2022.5.25
ひとくちに指定管理者への応募を検討されている方と言っても、そのスタンスは人によって様々です。事業計画書の書き方から知りたいという方もいれば、事業計画書作成に関しての大体のノウハウは持っているのでプラスアルファのサポートが欲しいという方もいる、といった具合です。指定管理者情報センターのサポートメニューは、ご相談いただいた方のニーズに合わせた対応が可能です。                     

2022.5.18
指定管理者は、地方自治体との関係が切っても切り離せません。例えば、運営において自治体側から事業計画書に記載のない要求を求められることも少なくありません。事業計画書にないことを完全に対応する必要はありませんが、とは言えすべてをシャットアウトしてしまうのも心象的によろしくありません。そんな時は、代替案を提示することにより、関係性を大切にしながら運営を進めることができます。                     

2022.5.11
今現在、指定管理者を務められているという方の中には、管理・運営に関して大なり小なりのお悩み・お困りごとをお持ちの方も少なくないと思います。「施設の利用者数が伸び悩んでいる」「自治体の担当者から降りてくる指示や、担当者の考え方が理解できない」などなど、例を挙げるだけでもきりがありません。現行の指定管理者さんで、これらのお悩みに対するサポート・コンサルティングをご希望の際は、私ども指定管理者情報センターへご相談ください。                     

2022.4.20
各自治体の指定管理者制度への応募を検討しているけれど、どんな情報を参考にしたらいいか分からず困っている……。そんな方は、ぜひ私ども指定管理者情報センターが運営する当サイトをご覧ください。サイトを運営しているのは実際に指定管理者選定・モニタリングに携わった経験者ですので、どこよりも活きた情報をご紹介できます。サイトを見て生じた疑問や質問などにもご回答いたしますので、お問い合わせもお気軽にどうぞ。                     

2022.4.13
指定管理者の公募に当たって、ほとんどの場合現地説明会が開催されます。自治体によってルールはまちまちですが、可能な限りこの現地説明会には出席した方が良いでしょう。現地説明会に参加することで、説明会でしか配布されない資料が手に入ったり、指定管理者に応募を考えている他の企業・法人の情報を得ることができたりと、メリットになる面が多数あります。                     

2022.4.6
指定管理者に応募する際に、必ず作成を要するのが事業計画書です。事業計画書の様式を受け取り側の自治体が提示するのは、公募が開始される時です。締め切りまでのわずかな時間から書き始めるのではなく、公募が始まる前に様式を想定し、記載内容の検討を行うことが重要となります。                     

2022.3.30
指定管理者の選定は、原則として公募によって行われます。その後、契約期間を経て、期間が満了すれば再度公募が行われ、新たな人員が選定されます。長く指定管理者を続けるためには、その公募にしっかりと選ばれる必要があります。指定管理者に選ばれるためのノウハウに関するご相談は、指定管理者情報センターへお尋ねください。                     

2022.3.23
現在指定管理者を務められている方でも、改善すべきこと、是正しなければならないことなどを把握し、それらに対し何かしらの措置を講じないと、次回公募の際に苦戦してしまう可能性が高まります。次回公募に勝ち、次の任期も指定管理者を務めるためには、自治体やその地域に住まう住民に評価される運営を行う必要があります。弊社では、現行の指定管理者向けのサポート・コンサルティングも行っております。                    

2022.3.16
当サイトでは、指定管理者への応募を検討されている方のサポートを行っております。サポートメニューは、事業計画書の企画立案やそれに伴う文章作成の依頼、文章をご自身で作成できるという方には企画立案のサポートと作成した文章の添削、その他、応募される方それぞれのニーズに合わせたコンサルティングプランのご提案が可能です。「ここまではできるのでここをサポートしてほしい」というようなご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。                    

2022.3.9
指定管理者に応募する際に必ず作成する必要があるのが、事業計画書です。事業計画書には、特に記載すべき内容というものがあります。ご覧のウェブサイトには、事業計画書作成時におけるポイントをまとめたページがございますので、そちらも是非ご覧ください。                    

2022.3.2
私ども指定管理者情報センターでは、公益法人制度改革コンサルティングのご案内も行っております。公益財団法人・公益社団法人の移行認定申請は、税理士や行政書士といった士業の方もコンサルティングを行っていますが、指定車管理者制度に対する知識を有していないために、適切な処理ができない可能性があります。指定管理者の方向けのコンサルティングができるのは、確かな知識を持った専門家の強みです。                    

2022.2.23
指定管理者情報センターでは、指定管理者制度に関する個別無料相談会を開催しております。会場を設けての開催はもちろんのこと、昨今の状況を鑑みてのオンライン形式での相談会もご案内しております。指定管理使者制度について聞いてみたいと、気になることなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。                    

2022.2.16
指定管理者への応募を検討されている方の支援を行うコンサルティングサービスは様々なところで展開されていますが、ほとんどの場合は行政書士や中小企業診断士といったいわば外部の方が務められていることが多く、行政側の生きた情報を得にくいという可能性があります。弊社は、行政側である自治体で実際に指定管理者制度の担当を務めた経験者がコンサルティングを務めますので、より身になる生きた情報を提供することが可能です。                    

2022.2.9
公募で選ばれる指定管理者。現在進行形で指定管理者を務められている方や、これから指定管理者を目指される方にとって、生きた情報は必要不可欠です。ご覧のウェブサイトは、自治体の元担当者が運営する、指定管理者のためのウェブサイトです。指定管理者に関する有益な情報を多数掲載しております。                    

2022.2.3
自治体には、それぞれの決まり事や慣習といったローカルルールが必ずと言っていいほど存在します。これがネックとなって、指定管理者になっても十分な意思疎通が取れず、互いに不信感を抱いてしまうことも少なくありません。管理運営に必要な知識、知っておくと役立つテクニックなどをお知りになりたいなら、ぜひ当サイトをご活用ください。                    

2022.1.26
指定管理者の公募に当たっては、ほとんどの場合において現地説明会が開催されます。応募の絶対条件に現地説明会への参加が求められることもありますので、可能な限り現地説明会に参加した方が良いでしょう。当ウェブサイトでは、現地説明会に関するご案内も紹介しております。                    

2022.1.19
指定管理者制度とは、従来であれば自治体、もしくはその外郭団体が独占していた公共施設の管理を民間企業やNPO法人にも広げることにより、管理運営の効率化を図る制度です。制度が導入されて20年近くになりますが、制度が導入されている施設の内4割に民間側の指定管理者がついています。指定管理者情報センターは、今現在指定管理者を務められている方、これから指定管理者を目指される方にとって有益な情報を展開しております。                    
2022.1.12
指定管理者を必要としている施設・企業・団体は様々ありますが、それぞれの状況に応じて求められる戦略は異なります。私ども指定管理者情報センターでは、既存の情報・マニュアルに則ったコンサルティング法ではなく、個別の事情に応じたオーダーメードの戦略を策定し、提案できるようにするためのサポートを行います。                    
2021.12.22
一般的な企業であればプラスの取り組みとして捉えられる、人件費やコストの削減。指定管理業務においてはそうした取り組みがプラスに捉えられるとは限りません。その施設の職員も住民と考えるため人件費を削減することが住民の生活を脅かすものと考えられることもあるからです。指定管理業務には公的な考えを理解する必要があります。指定管理者情報センターではそうした自治体の発送や考え方を説明し、どのような考えが自治体から高い評価を得るものかを解説していきます。                    
2021.12.15
指定管理業務は、業務を行っていくうえで通常の企業間の役務提供とは異なる点が多く発生します。それは企業と自治体の業務に関する考え方の違いから起こるものです。指定管理者情報センターでは弊社代表の自治体での指定管理者担当の経験を活かし、指定管理業務に関するコンサルティングを行っています。                    
2021.12.8
指定管理者情報センターでは、現行、指定管理者として施設の管理を行っている方のお手伝いや、これから指定管理者に公募する方のお手伝いを行っております。指定管理者業務には、通常のBtoBのビジネスとは異なる点が多々あります。指定管理者に関することでお困りの際には是非ご相談ください。                    
2021.12.1
指定管理者公募を行う際には現行の管理方法よりも優れた方法やよりコストを抑えた方法を提案しても自治体にその提案が認められないこともあります。その背景には企業と自治体の間には考え方のギャップがあります。自治体には自治体としての考えがあるため、指定管理業務を行う際にはそうした考えを理解する必要があります。指定管理者情報センターでは元自治体の指定管理者の経験を活かし、コンサルティングを行っていきます。                    
2021.11.25
指定管理者業務のコンサルティングを行っている企業は多くありますが、その多くは実際の指定管理の業務内容を見たことがないというケースがほとんどです。管理者を指定する側は自治体の指定管理者の担当職員であり、そうした業務を経験した人が一企業でコンサルティング業務を行うことが珍しいからです。当社の代表は実際に自治体で指定管理者の担当職員の経験があり、自治体の意図と企業側の実情を把握してコンサルティングを行うことができます。                    
2021.11.17
公的な機関と事業を行う場合、気を付けなければならないことはたくさんあります。そうした事柄というのは行政としては当たり前のことかもしれませんが、一企業としては驚くべきこともあります。そうした情報と言うのはなかなか入手することができません。指定管理者情報センターでは指定管理者に関する情報に特化。これから指定管理者を目指す方や現行指定管理者として何か悩みを抱えている方はぜひご覧ください。                    
2021.11.10
指定管理者の業務は通常の企業間の取引さサービスの提供とは異なり別の思考で考えて対応しなければならないことがあります。指定管理者情報センターでは自治体の指定管理者担当の経験を活かし指定管理業務を行っていくうえで必要なノウハウを掲示しています。                    
2021.11.4
指定管理者について調べようと思ってもなかなか本当に知りたい情報が書かれているサイトに出会うのは難しいでしょう。当サイトは自治体の指定管理者選定・モニタリング経験者によって運営されています。指定管理者として施設を運営しているけれど困っていることがある、これから指定管理者を目指している方には非常に有益な情報となっています。                    
2021.10.27
指定管理者の業務をこれから新しく始めようと思っても、一般的な企業とのやり取りとは異なる点があるため、なかなか参入しにくいというのが現状かもしれません。指定管理者情報センターでは自治体の指定管理者を行っていた経験からお客様の応募・運営をサポートいたします。                    
2021.10.20
指定管理者はその地域に密着した業務を行っていきます。そのため指定管理者としての実績はその地域における信頼につながっていきます。しかし応募を考えていたとしてもその応募にあたってのノウハウがなければなかなか難しく、手が出せないというのも現状でしょう。指定管理者情報センターではそんな指定管理者についての情報を掲載しております。応募をあきらめる前に是非当サイトをご覧ください。                    
2021.10.13
新しく指定管理者として応募したい。だけれどこれまで指定管理者として施設の管理を行ったことがないためどうしていいのかわからないという方は指定管理者情報センターにお任せください。指定管理者部門の自治体担当者としての経験や多くの企業をコンサルティングしてきた実績であなたの応募のお手伝いをいたします。                    
2021.10.6
指定管理者として施設を管理することによって、その地域においての実績や信頼をつくることができます。しかし、今までそうした経験のない企業にとって新たに受託を勝ち取ることは非常に難しいことでしょう。指定管理者情報センターでは指定管理者の応募をサポート。自治体の担当者としての経験を活かしコンサルティングサービスを行います。                    
2021.9.29
指定管理者制度は導入する自治体にとっても受託する民間企業にとってもメリットのあるシステムです。受託する民間企業にとっては、自治体などの公的な団体から継続的に売り上げを確保することや実績を作ることによって企業としての信頼性を確保することができます。指定管理者制度に応募をお考えでしたら指定管理者情報センターにご相談ください。                    
2021.9.22
多くの指定管理者応募コンサルティングサービスは中小企業診断士や行政書士によって行われています。そのため行政側の情報や行政が何を求めているのかということについてはそこまで多くの知識を持っているわけではありません。当社代表は自治体で指定管理者制度の担当者としての経験があるため実際の選定過程や自治体の考えなどについても熟知しています。そうした知識や情報を活かすことで他社にはまねできないコンサルティングサービスをご提供することができます。                    
2021.9.15
指定管理者として行政の一端を担っていくためには、通常の企業としての活動を行っているときには意識しなくても問題にならなかったことも気を付けていく必要があります。特に現在では動画などの録画や会議内容の録音が簡単にできるようになっているため、そうしたミスをしないために最新の注意を払う必要があります。                    
2021.9.8
指定管理者の公募や管理運営を行っていくうえで最も重要なことは、企業と自治体の考え方のギャップを埋めることです。一見企業からすると非常に良い提案だと考えられることだとしても、自治体としてはマイナスだと判断されることもあります。指定管理者情報センターでは指定管理者選定やモニタリングに従事した経験から自治体から見た発想をご紹介いたします。                    
2021.9.1
指定管理者精度とは、公の施設の管理や運営を法人やその他の団体に包括的に代行させることです。従来の委託との違いは一部を業務を委託するのではなく、その施設や事業単位で代行するということです。制度の利用にあたっては公募が行われます。一般の企業間のコンペとは異なり、自治体として業務を行うため、通常の企業活動として是と考えられることでも自治体の代行者として行う場合には問題になる場合もあります。                    
2021.8.26
指定管理者情報センターでは現行指定管理者として施設管理を行っている企業様への施設運営の改善のコンサルティングサービスも行っております。全国の自治体の先進事例や元自治体担当者の経験からご依頼主の状況に合わせたサポートを行っております。施設管理で問題点がある、次回の公募に向けて何か対策をしたいなどのご要望がございましたら指定管理者情報センターにご依頼ください。                    
2021.8.18
指定管理者の公募を勝ち取るためには通常の企業間のコンペとは少し違った対策が必要になります。自治体はどのような目的からその事業の指定管理者の公募を行っているのか、応募するにあたって気を付けなければならないことは何かなど公募に向けて必要な情報を開示しそのサポートをしていきます。準備段階での作業を軽減し、より高い確率で公募を勝ち取るために指定管理者情報センターにご相談ください。                    
2021.8.4
次回の指定管理者の指定を勝ち取るに当たって、プレゼンテーションの準備・事業計画書の作成は非常に重要な事柄です。公募を行っている自治体にとって魅力的な内容とは何かということをきちんと考え、その内容に合わせた計画を建てていくことが大切なのです。                            
2021.7.28
指定管理者として施設の管理運営を行っていくためには自治体のルールや公的な機関の考え方というものを理解したうえで企画を立て、実行をしていく必要があります。そこでは通常の企業としての管理運営とは異なる目線が必要であり、自治体と上手に歩調を合わせていく必要があります。指定管理者情報センターでは自治体の指定管理者担当としての経験を活かし、これから指定管理者を目指す企業や現行指定管理者として施設の管理運営を行っている方へコンサルティングを行っています。                            2021.7.21
指定管理者として施設を運営していくなかでも最も苦心するのは指定管理者として選定されること、そしてそれを継続していくことでしょう。その中でも最も注意しなければならないのは民間企業と自治体の考え方の違いです。一般企業では是とされることであっても自治体の職員からすると非とされることがあります。そうした公の考え方を知っておくことが何より大切なのです。                            2021.7.14
指定管理者情報センターでは、これから指定管理者を目指す法人の方、現行の指定管理者で管理にお困りの方のサポートをしております。公的な施設運営は企業が行う営利活動とは異なり、思わぬことが思わぬ結果に繋がることもあります。当情報センターでは自治体元指定管理者担当が自治体側から見た指定管理者を分析しサポートをしていきます。                            2021.7.7
現在指定管理者として施設の管理を行っている企業にとって、次回の公募に向けて重要なことは住民そして自治体に高い評価を受けることです。そのためにはそのためには自治体の担当者の考えを理解することが重要です。指定管理者情報センターでは住民はもちろん自治体からも高い評価を受けるためのコンサルティングを行っています。現行の施設管理にお悩みの方は是非ご相談ください。                            2021.6.30
指定管理者として施設の管理運営を行っていくうえで難しいことのひとつとして利用者の範囲があります。公的な施設の場合、利用対象者は住民全体であり幅広い方に利用していただけるようにする前提で利用者数の改善や利用環境の改善を行わなければなりません。                            2021.6.23
当社では指定管理者への応募、指定管理施設の管理運営サポート、公営貴法人制度改革コンサルティングを行っております。他の指定管理者コンサルタントとの一番の違いは当社の代表が自治体で指定管理選定の経験があるということです。これから指定管理者を目指す方、現行指定管理者で運営にお困りの方、是非ご相談ください。                            2021.6.16
指定管理者制度は行政側にとっても企業側にとっても有益な制度です。しかし行政と企業の間には価値観の違いなどから本来機能すべき効果を十分に発揮できていないこともあります。指定管理者情報センターでは応募に関するお手伝いや施設運営のアドバイスなどのコンサルティング業務のお手伝いをしております。              2021.6.9
指定管理者への公募にあたっては、事業計画書の作成が必要になります。事業計画書の作成に当たってはきちんと自治体の求める運営方針に適した事業計画書を提出する必要があります。基本となるポイントは同じですがそれぞれの事業内容に合わせて必要な項目を考慮していく必要があります。             2021.6.2
指定管理者として業務を行うということは、公的な機関として利用者から見られることになります。そのため、表現なども細心の注意を払う必要があります。住民に不快感を与えないよう特に印刷物に関しては注意を払って作成する必要があります。             2021.5.26
指定管理者情報センターでは、指定管理者への応募のサポートや指定管理者としての管理運営のサポートなどを執り行っております。どのような考え方で提案や管理を行うかをご説明いたします。現在指定管理業務を行っていて困っていることがある場合やこれから指定管理者として応募を行なおうとしている方はぜひご相談ください。             2021.5.19
指定管理者として公共の施設を管理・運営することは、民間の企業としては非常に大きな案件となることもあります。しかし、その一方でそうした公共の業務に対してのノウハウが少なく二の足を踏んでいるという企業様も多いのではないでしょうか。指定管理者情報センターでは元自治体の職員から見た目線でコンサルティングを行っていきます。これから指定管理者を目指していきたいけれどどうしていいかわからない、という方はぜひご連絡ください。             2021.5.12
指定管理者制度というのは実は多くの施設に利用されています。例えばJリーグで利用されるスタジアムの多くは自治体の運営ではなく指定管理者によって運営されています。そうした際には施設および付属設備の維持管理や使用承認関連業務、指定管理者による企画立案などが指定管理業務として行われています。             2021.4.28
コロナウィルスによる影響がいまだ続く中、施設を管理していくうえでその衛生面での問題点や利用者数・稼働率などで頭を悩ましている指定管理者の方もいらっしゃるでしょう。指定管理者情報センターでは指定管理者への応募の対策から施設管理の運営サポートまで幅広くサポートいたします。           2021.4.21
指定管理者に応募したり、また管理運営を行ったりしていくうえで最も大きな障壁は企業と自治体職員の間の考え方のギャップです。一般企業としては合理的であると思える行動であっても自治体職員から見ると問題のある選択であることも少なくありません。指定管理者情報センターでは元自治体職員の代表の経験を活かし、指定管理者のサポートを行います。指定管理者に応募する際や指定管理者として管理運営を行っていく際にはぜひご相談ください。
                2021.4.14
四月は年度の始まりであり、公的な機関でも多くのことが始められる時期です。指定管理者として新しく施設の運営を行っている人も多くいらっしゃるはずです。指定管理者情報センターでは指定管理者制度にまつわることのご相談を承っております。実際に指定管理業務をはじめてみてお困りのことがある場合にはご相談ください。          2021.4.8
指定管理者として業務を行ううえで常に意識をしなければならないのは、民間企業と自治体の考え方のギャップです。例えば施設運営を行っていくうえでコストの削減は重要な項目のひとつです。しかし、人員削減という形でコストの削減を進めていくと安全面の確保ができなくなる恐れや自治体の生んでいた雇用をカットしたと考えられるおそれもあります。            2021.3.31
指定管理者情報センターでは指定管理者にまつわる情報を発信しています。また、独自に入手した資料から各自治体の選定方法の特徴や傾向を分析しています。指定管理業務に従事した経験がある代表を中心にその自治体に応じた公募、運営へのコンサルティングを行っています。               
2021.3.24
指定管理者の業務というのは通常の企業間や顧客との取引とは違い、自治体とそして地域住民を相手に取引を行うことになります。そのためそのシステムをきちんと理解しておかなければトラブルに発展することもあります。指定管理者情報センターではそんな自治体とのやり取りを円滑に行うためのアドバイスやコンサルティングを行っています。              

2021.3.17
指定管理者情報センターでは当サイト内で指定管理者へのお役立ち情報を配信しているほか、現地説明会やプレゼン、また施設を運営していくなかで必要な知識などのコンサルティングを行っております。自治体へのプレゼンや自治体との付き合い方などは通常の企業と仕事を行っていくのとは少し違った感覚が必要になります。指定管理者情報センターは代表が元自治体の担当員であった知識を活かして、ご相談に乗っていきます。               
2021.3.10
指定管理者情報センターではこれから指定管理者応募を行おうとしている法人様や現行指定管理者として施設管理を行っている法人様へのサポートを行っております。自治体での指定管理業務への従事経験から自治体側の立場から見たコンサルティングを行います。          
2021.3.3
指定管理者はあくまで自治体に指定を受けて施設を管理しているという立場ではありますが、利用者からすると公的な側の立場であると判断されます。そのため発信する情報などに関しても公的な立場であると考えて発信する必要があるのです。通常の企業としての発言ならば問題がないことであっても指定管理者という立場ではやり玉に挙げられることもあります。公的な立場であることを意識し利用者が不快な気持ちにならないように考慮する必要があるのです。               
2021.2.24
指定管理者に応募する際には、その自治体の仕様書の確認をするだけでなく国政全体のことも把握しておく必要があります。国全体として決められた方針はいずれ地方自治にも影響も及ぼします。そのため提案する内容にもそうした先を見たものをより取り入れていくことによってより評価を受けることができるのです。              
2021.2.17
指定管理者制度とは、地方公共団体がそれまで行っていた公の施設を一般企業やNPO法人などに代行してもらうことです。2003年から施工された制度で現在では多くの施設の管理運営が指定管理者によって行われています。公的な性質を残すため、管理を指定した地方公共団体などとの打ち合わせなどを行い運営をしていくことになります。そのため、通常の施設管理・運営とは異なりさまざまな慣習などがあります。指定管理者情報センターでは指定管理者制度についての情報を発信しています。指定管理者に公募しようとしている方、指定管理者として施設の運営をしているものの運営にお困りの方は是非ご相談ください。  
2021.2.10
指定管理者として施設を運営していく中で大切なのは公益性です。いつも施設を利用している方の利便性だけでなく、まだ施設を利用していない方に対してもより利用しやすくなるように施設の改善をしていかなければなりません。民間の運営している施設のように単純に最も利益が出ることを最小公倍数とするのではなく、対象となっている住民の利潤が最も大きくなること考えていかなければならないのです。          
2021.2.3
指定管理者に指名されたものの、今まで民間企業との間で行っていた業務とは異なり、自治体の様々な慣習などに頭を悩ましている方もいらっしゃるでしょう。自治体はどう考えているのかそして自治体とのやり取りをどのように行っていくのかは、業務を円滑に進め次の指定管理者に指名されるためにもしっかりと考えていかなければならない事柄です。指定管理者情報センターでは自治体職員の発想や自治体特有のルールを説明しています。ぜひ一読してください。             
2021.1.27
指定管理者として、施設を運営していく中で、公的施設としてどのように感染防止対策を行っていくべきなのかということで頭を悩ましている方もいらっしゃるでしょう。これから施設の運営を行っていく中で感染防止対策というものは欠かせない事柄です。各取り組みを行っていく中で、どの法令や条例を根拠にどのような施策を行うのかということについて施設内で確実にまとめていく必要があるのです。指定管理者情報センターでは自治体から見た発想をアドバイスするとともに、どのような提案を行うべきかをご紹介していきます。
               
2021.1.20
政府が「小さな政府化」を進めていくなか、自治体も同様にその業務内容を少しずつ外部に委託しています。全国の指定管理者制度が導入されている施設のうち、おおよそ半分弱が民間企業によって管理されています。一見自治体によって管理運営されているように見えても、調べてみると指定管理者によって管理運営されていることが多いのです。しかし、民間企業にとって、そうした公共の施設に参入するのは非常に敷居が高いと感じるかもしれません。指定管理者情報センターでは、応募から施設の運営までの相談を受け付けています。
               
2021.1.13
指定管理者の公募に関しては、重要政策の影響を非常に大きく受けます。そのため世論や政権などによって指定管理者に求めるものも大きく変わってくるのです。現在では公衆衛生やデジタル化の面からキャッシュレス決済などを取り入れた事業者が多くいました。自治体が新たに行おうとしている施策に対してどれだけ対応できるかということもひとつの基準となっているのです。指定管理者情報センターは指定管理者についての最新の情報を発信すると同時に、応募サポートや運営管理サポートも行っております。指定管理者に応募をお考えの際には是非ご連絡ください。
               
2020.12.23
指定管理者をして施設を運営していく中で、ボランティアの採用や地域連携を行っていくこともあります。ボランティアの採用は施設の利用者とは異なった扱いになります。利用者の場合には平等に利用してもらうという原則が働きますが、ボランティアの採用などの場合には指定管理者側でその人選に関して判断を下すことができます。実際に施設の運営をしていく中で本当にきちんと業務を行ってもらえるボランティアの方のみ選別することが可能です。    
2020.12.17
本年も師走を迎え、残すところ数週間となりました。指定管理者として施設運営をしていく中でも2020年はコロナやオリンピックの延期などさまざまな予期せぬ出来事があったと思います。ひとつの大きな変化として衛生環境に対してより敏感になったことがあります。来期以降の指定管理者の公募にあたってそうした項目が今まで以上に注視されることになるでしょう。指定管理者情報センターではこれからの公募や現行の管理者が施設運営をしていく中で役立つ情報を提供しています。

2020.12.09
現在指定管理者として施設の運営をされている方の中には次回の公募に向けてさまざまな対策をされている方もいらっしゃると思います。しかし、現在の運営の中で、利用者数が伸び悩んでいるという状況や自治体のモニタリングで良い評価が得られていないという方もいらっしゃるでしょう。指定管理者情報センターでは現行の指定管理者の方がより良い評価を得るためのコンサルティングサービスも行っています。指定管理者として運営にお悩みの方は是非ご相談ください。
   
2020.12.02
コロナ禍の中少しずつ生活様式も変わってきているように感じられます。自宅からできるだけでないで生活を行うことや店舗や施設でのアルコール消毒や検温などにも多くの方が慣れてきたように思えます。その一方で施設を運営していくうえで、衛生環境に対してより高い意識を持って取り組まなければならないようにもなってきました。今後、施設でのイベントの開催には常にそうした衛生に関する対策も取り組まなければなりません。
               
2020.11.25
指定管理者制度はその自治体の状況に応じて利用されるものであるため、応募内容もその施設ごとによってさまざまです。期間や内容などについてもある程度の慣例がありますが、応募要項によってさまざまなです。応募して指定されるためには、その自治体が何を求めて指定管理者制度に踏み切ったのかを読み取る必要があります。指定管理者情報センターでは自治体での指定管理者担当経験もある代表が、経験者ならではの視点から相談に乗ることができます。
          
2020.11.19
指定管理者情報センターでは指定管理者応募のコンサルティングを行っています。当社代表は自治体で指定管理者制度の担当者としての経験があります。制度そのものへの理解はもちろん、選考の過程などにも熟知しており、他の指定管理者コンサルティングにはまねできないコンサルティングを行うことができます。

2020.11.12
施設の管理を行っていくうえで重要なこととして安全の確保があります。自治体が所有する公的な施設の場合、一般の施設以上にそうした安全性の確保が重要となります。指定管理者に応募する際には、その安全の確保に関して十二分に配慮をした企画書を提出するようにしましょう。
2020.11.04
指定管理者制度は自治体が所有管理している施設をより効率よく運営するため民間の企業のノウハウを利用して運営していくというシステムです。しかし、公募を行っている母体は自治体ですので、企業として有効な方策だと考えて応募してもその意見が採用されないこともあります。指定管理者情報センターでは、代表が指定管理者選定を行った経験から自治体側から見た指定管理者応募への有効な情報を発信しています。
               
2020.10.28
自治体は指定管理者の評価をするためにモニタリング調査を行っています。現行指定管理者として施設の管理を行っている場合、次回の公募の際の事業計画書にそのモニタリング結果を利用するのもひとつの方法です。公募対策として非常に高い評価が得やすくコストパフォーマンスが高いからです。年度末にかけてモニタリングを行う施設は多くあります。そうした対策を真剣に行うことによって次回の公募で有利に立つことができます。
2020.10.21
小さな政府化が進み、多くの公共の施設が指定管理者の公募を行っています。しかし、その歴史が浅いためかそうした公募に対するコンサルティングを行うことができる業者は非常に少ないのが現状です。当社では自治体で指定管理者業務に従事した経験をもとに、自治体目線から見た指定管理者応募へのポイントを包括的にコンサルティングしていきます。
2020.10.13
オリンピックの開催年や翌年には、体育関連施設の指定管理者の応募に大手企業が増加する傾向があります。その背景としては自社に所属するオリンピック選手によるスポーツ教室などを開催するという事業計画を打ち出しているからです。しかし、必ずしもそうした大手企業が勝つとは限りません。指定管理者を公募している自治体は、その公募にあたって目的があります。その目的をくみ取ることによって中小企業でも指定管理者に選定されることができるのです。
           2020.10.08
指定管理者の方にとって契約の更新時期と同じである公募の時期が近づいてくると、他の競合先がいるのかどうか不安になることもあるでしょう。該当施設に情報公開資料請求などがあったときには要注意が必要です。良い管理運営を行っていれば、心配をする必要はありませんが、ある程度競合先の情報を集めておくことも引き続き指定管理者を継続して指名してもらうためには重要なことです。
2020.09.30
指定管理者に指定されて施設の管理を行うことは企業側にとってもプラスになることがあります。施設管理のノウハウの構築や地域における知名度の向上、公的機関とのパイプの構築など、通常の企業運営ではなかなかできにくいことを行うことができます。しかし、応募するにあたって知っておかなければならないことも多くあります。指定管理者情報センターでは自治体側からの発想を説明し、これから応募する企業や現在管理を行っている企業へ情報を紹介します。
           2020.09.23
指定管理者の応募をするにあたって知らなければならない知識は非常に多くあります。一般企業の受注に対するコンペティションとは異なり、明らかに一般企業から見れば優れているであろう応募者が破れることもあります。管理者を指定する自治体には一般企業とは異なる事情があります。指定管理者情報センターでは、指定管理者の応募・運営をしていくにあたって必要な情報を提供していきます。
           2020.09.15
指定管理者情報センターは、指定管理者の方やこれから指定管理者に応募しようとしている方にここでしか得られない情報を提供しています。指定管理者は自治体や住民を対象にサービスを提供しなければなりません。そのため通常の企業が行うサービス提供とは異なる点がたくさんあります。報告書の作成やセルフモニタリングの方法など、さまざまな疑問にお応えします。
              2020.09.08
施設の管理を行っていくうえで、頭を悩ますこととして設備の修繕があります。指定管理者として故障した設備に対してはきちんと状況や修繕方法、現行の対応状況や陽などをまとめて自治体に報告を行うべきです。しっかりとした対応を行えば自治体の職員に対しての評価も上がります。
              2020.09.02
指定管理者の業務は、指定された施設をきちんと管理することだけでなく、住民の潜在ニーズを拾い上げていく必要性があります。住民がその施設に対して信頼をし、利用しやすい施設であるもしくは役に立つ施設であると判断することは、指定管理者を続けていくうえで非常に有利に働くことは間違いないでしょう。
                2020.08.26
利用者の利便性をよくする方法のひとつとして、他の指定管理者と連携するという方法があります。新規事業を実施する場合にお互いのもつノウハウを提供し合うことによってよりスムーズに事業を行うことができるからです。また、連携を広げることによって、自治体側が指定管理者を代えにくいという利点もあります。
2020.08.19
指定管理者として施設の管理をしているときには、業務そのもの以外にも努力しなければならないこともあります。それはきちんと運営していることを伝える努力です。おそらくほとんどの指定管理者の方が施設をより使いやすく、そして無駄なコストを抑えてということに尽力しているはずです。しかし前者の部分についてはきちんと利用者の方にわかるように行わなければなりません。
          2020.08.05
指定管理者として業務を遂行することになると、自治体のさまざまなルールなどに合わせて業務を行っていく必要があります。自治体ときちんと意思の疎通を行っていくためには、きちんとそうした ルールや制度、慣習を把握したうえで、きちんと内容を説明していく必要があります。
    2020.07.31
多くの場合、事業計画書は、前回公募の様式とほとんど変わりません。そのため、公募が開始される前にあらかじめ前回の様式で記載内容を決めておいたり、必要書類を集めておいたりする必要があります。
        2020.07.15
指定管理者制度の導入の目的のひとつとして経費の削減というものがあります。自治体が直接管理運営をする場合には、その施設に自治体の職員を配置しなければなりません。それに対して指定管理者制度の場合には指定管理者が人件費なども含めて管理を行うことになります。
                2020.07.08
新たに指定管理者に公募する際には民間企業のノウハウを取り入れたとしてもそれが受け入れられないということもあります。最も大きな原因としては、自治体との考え方のギャップです。企業が主として利益やコスト、そしてサービスの向上を目的としてサービスを展開しているのに対して、自治体は公平性というものを主眼において考えているからです。
   2020.07.01
公共の施設に対する業務委託はある業務のみに対する委託となります。そのため主導は地方公共団体にあり、一部の業務に対しての委託となります。それに対して指定管理者制度の場合には管理として包括的にその施設の管理を行うことになります。
2020.06.25
自治体は指定管理者の評価を前年度と比較して行っています。そのため、事業計画書にあった数字のクリアや前年度数値同月数値のクリアなどは指定管理者として評価されるために必要不可欠な要素となります。指定管理者として施設を管理運営していくためにはそうした数字を常に意識していく必要があります。
2020.06.17
自治体は指定管理者の評価を前年度と比較して行っています。そのため、事業計画書にあった数字のクリアや前年度数値同月数値のクリアなどは指定管理者として評価されるために必要不可欠な要素となります。指定管理者として施設を管理運営していくためにはそうした数字を常に意識していく必要があります。
2020.06.09
指定管理者として施設の管理を行っていくには、自治体の担当者と協力して行くことが大切です。担当者への連絡や報告はきちんと資料を作成したうえで、書面で提出するのが好ましいです。その施設の管理・運営を委託するために自治体は指定者管理制度を利用しています。自治体に円滑な対応をしてもらうためにも、担当者を動かすだけの資料作りが必要になるのです。               
2020.06.02
自治体が指定管理者制度を利用するには何かしらの理由があります。コストの削減や施設の改善のほか、民間のノウハウの導入など、その施設の課題を解決するために民間の活力を利用しようとしているのです。指定管理者制度の公募に申し込むさいには、その自治体が求めているのはなんなのかということをきちんと把握してから対策を講じなければなりません。   2020.05.26
初めて指定管理者に応募する際には、その施設の特性の確認や募集に対する対策を行う前に、そもそも指定管理者制度とはどういったものなのかという基礎知識を知る必要もあります。通常の民間企業に対するプレゼンとは異なる対策がそこには必要になります。           2020.05.18
自治体や公的な施設に関してはそれぞれ固有の事情があります。そのため、同じ指定管理者という枠組みに対する取り組みであっても、公募で選定されるための対策は異なってきます。事業計画書の作成やプレゼンなどにあたって、付け焼刃の対策ではなく、本当にその施設に関して熟知した対策が必要になるのです。
2020.05.11
指定管理者として施設の運営をしていくうえで、現行の業務だけを確保し続けることは停滞にもつながりかねません。将来的なリスクマネジメントや現行の施設に対する改善をおこなうためにもあらたな施設の公募に応募するということは重要なことです。よりよい運営を行うためにも業務範囲の拡大を検討してみてはいかがでしょうか。      

2020.04.22
指定管理者として施設を円滑に運営していくには、その施設の利用者がどのようなニーズを持っているのか、そしてどのような形で施設を利用しているのかということを把握することが重要です。潜在的なニーズの掘り出しや深層的な危険をあらかじめ回避することができればそれだけ施設としての価値が高まります。ひいては管理者としての評価が高まることにもつながるのです。

2020/04/15
指定管理者にとって安全確保は細心の注意を払わなければならない事項です。施設には様々な設備・備品等があります。事故は想定外のことから発生することも少なくありません。他の施設の事故などの情報には常に目を光らせ、どこかで事故などが起こった際には同等の事故が発生する可能性がないか早急の確認をする必要があります。

2020/04/09
指定管理者の公募に応募する際には、自治体の担当者の考え方を知らなければなりません。公的機関は民間企業とは異なります。そのため、指定管理者に選定されるためには自治体の考え方や評価というものを理解しなければなりません。指定管理者情報センターではそうした評価を高めるためのコンサルティングを行っています。


   2020/03/26
指定管理者は選定されて終わりではありません。指定管理期間の最終年度に再び公募が行われることになります。次回の公募で再び指定管理者として指定されるためには住民や自治体に評価される運営を行う必要があります。現行で何らかの問題点を抱えている場合には次回の公募までにその問題点の解決に努める必要があります。
               2020/03/18
指定管理者は、大きく分けて自治体の外郭団体と民間 (NPO法人を含む) に分かれます。総務省の平成30年4月の調査によると、全国の指定管理者制度導入施設のうち、約40%を民間が占めており、この割合は増加傾向にあります。

         2020/3/12
指定管理者制度の問題点として、公の施設が特定の団体等の利用が過度に多くなりすぎてしまうことがあります。また、職員の問題もあり、指定管理者が交代した場合、従来勤務していた職員の雇用をどうするのか、また新しい職員の立場がどうなるのかなどです。

            2020/3/5
施設の使用料が指定管理者の収入になる制度を利用料金制度と言います。指定管理者が努力することで収入が増えることから、多くの公の施設で導入されています。一方、使用料が自治体の歳入になる場合は、使用料制度と呼びます。

          20/2/27
法人が公共の施設を運営するメリットはどこにあるでしょうか。住民サービスにつながる新しい事業を公共の施設を利用して行えることや公的施設を管理運営できたという事実がその法人の実績になります。指定管理者の選定は自治体によって公募されて行われるため、その応募に関しては専門の知識が必要になります。

 20/2/20
もともと公的施設の管理は自治体によってまかなわれていました。しかし、その施設を維持するのに必要な人件費や維持管理費などが自治体の財政などを圧迫していることもあり、そうした施設の管理をさまざまな法人に委託しています。それが指定管理者制度です。