指定管理者の方や、これから指定管理者を目指す方のための情報サイト
株式会社指定管理者情報センター
自治体の指定管理者選定・モニタリングの経験者によるサイトだから、
他のサイトでは得られない情報が満載!
本 社:〒770-8063 徳島市南二軒屋町神成831-16
TEL:(088)625-1339 FAX:(088)678-5804
東 京:〒105-0013 東京都港区浜松町2丁目2-15
浜松町ダイヤビル2階 TEL:(03)6690-2685
厚生労働省が飲食店や遊技場なども含め、不特定多数の多くの人々が利用する場所を全面禁煙にするよう求める通知を都道府県に出しました。通知は努力義務にすぎませんが、民間施設にも全面禁煙を求める以上、公の施設は全面禁煙するのが当たり前というムードがあります。
減少傾向にあるとはいえ、まだまだ喫煙者も多く、問答無用の全面禁煙には多くの利用者の反発が避けられない一方で、受動喫煙防止に対する意識も高まっており、このような通知が出されているのにもかかわらず、何の措置もとらないのでは非喫煙者からの非難が避けられません。
指定管理者としては非常に厳しい立場に立たされるわけで、毎度のことですが、気軽に通知1枚出せばいいと考えている霞が関のやり方はどうかなと思います。(ちなみに中央省庁でも全面禁煙となっているのは厚生労働省と環境省だけです。)
これにどのように対応するかは、一義的には施設設置者である自治体の判断で、自治体が統一的な方針を出せば、みなさんはそれに従うしかありません。ただ、神奈川県のように全面禁煙を条例で定める自治体はまだまだ少数で、「施設の実態に応じて、今後、指定管理者と協議して定める」ということになる自治体も結構あるようです。
これは「指定管理者に判断を丸投げする」という役所用語で、「指定管理者が判断して責任も取れ。」ということです。迷惑な話ですが、今後、どのような対応を行うか、多くの指定管理者が判断を迫られることになるでしょう。ではどのようにすればよいのでしょうか。
対応は大きく分けて
■全面禁煙
■今まで以上に分煙を徹底する
■今までどおり
の3つに分かれます。
まず、全面禁煙ですが、これができればベストでしょう。ただ、喫煙者からクレームがあった場合に、全面禁煙の根拠が厚生労働省の紙切れ1枚では弱すぎます。「この通達は努力義務に過ぎない。」と主張されれば、クレームを抑えるのは難しいでしょう。最低限の話として、「多くの利用者が全面禁煙を望んでいる。」というデータを集めておくべきです。
具体的には、利用者アンケートで80%以上の利用者が全面禁煙を望んでいるというデータを持つべきで、慎重を期すならこれに加えて、利用者代表が参加する「意見交換会」などを開催し、この会議の意見を参考にしたとのアリバイをつくるべきです。
また、今までどおりという場合は、現在の分煙措置がきちんと機能していることを確認しないと、今度は非喫煙者からクレームを受けます。例えば、喫煙場所がすべての利用者が通過するエントランス付近に設けられているように、非喫煙者から見て分煙措置が不徹底という施設は結構あります。非喫煙者が受動喫煙のリスクなしに施設を利用できているかどうかをもう一度チェックしてください。
率直に言うと、私は、今まで以上に分煙を徹底するという措置が一番妥当なのではないかと思います。羽田空港にあるような喫煙ルームを設けることは、コストがかかりすぎると思いますが、喫煙場所に近づかなくても施設が利用できるよう、喫煙場所を見直すとともに、非喫煙者が誤って喫煙場所に行ったりしないよう表示をわかりやすくするという措置を講じることはできるのではないかと思います。
また、最近流行している「社会実験」をまねた手法も考えられます。例えば、午前中とか日曜日とか特定の時間帯(曜日)のみ全面禁煙にして利用者の反応を確認してみるのです。1年くらい実験して結論を出すということにすれば、結論を先延ばしできますし、利用者の反応を踏まえた対策も見えてくる可能性があります。
→[指定管理施設先進事例や管理運営のヒント]