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自主事業は、基本的には、利益が目的ではなく、施設の利便性を向上させることや施設に親しみを持ってもらうことが目的です。ただ、利益を上げることが目的でないと言いながら、実際には、利益が出てしまうことがあります。先日も、次のような相談をいただきました。
相談例
自主事業でイベントを実施し、入場者が予想よりもはるかに多かったために、約百万円の利益が出ました。この利益一部を臨時ボーナスとして職員に還元しようとしたところ、自治体から「自主事業で利益を上げるのは好ましくない。ましてや職員の臨時ボーナスにするということは、この自主事業がはじめから利益を目的としたものであるとみなされてもやむをえない。臨時ボーナスを出すのであれば、次年度以降、ボーナス相当分の指定管理料を減額する。」と通告されました。なんとか指定管理料を減額されずに職員に報いることはできないでしょうか。
相談をいただいた指定管理者の心情は十分理解できます。職員が頑張ったおかげで利益が出たのですから、この一部を還元しなければ、職員のモチベーションが上がりません。一方で、自治体の言い分も全く的外れというわけではありません。自主事業はあくまで指定管理業務本体ではなく、本業に支障にならない範囲で行う業務です。これで、利益が出たからと言って、それを職員にボーナスという形で分配することは、職員が本業そっちのけで、自主事業に力を入れることを認めてしまうことになりかねません。
自治体が指定管理料減額まで持ち出すのは、相当強硬に反対しているということで、これを無理に中央突破することは、自治体の心証を著しく悪化させます。なんとか、自治体が「やむをえない」と黙認できる理屈を用意して説得するしかありません。
私は、ボーナスではなく、超過勤務として職員に支払うようアドバイスしました。つまり、「自主事業の利用者数が予想以上に多かったため、職員が相当時間残業せざるを得ませんでした。この残業分の給料(賃金)を支払います。」という理屈で自治体を説得するのです。残業分の給料(賃金)を支払うことは労働基準法上当然のことなので、自治体としても、指定管理者が適法な残業代を支払うことに正面から反対できません(適法な残業代を支払ったことを理由に指定管理料を減額するようなことを行えば、議会等から大きな非難を浴びることになります。)。
自治体の担当者は、最初からの経緯を知っているので、この残業代が事実上、ボーナスであることは十分承知していますが、それでも、最終的には黙認してもらうことができました。
役所には、独特の考え方や発想があり、みなさんが戸惑うことが多々あると思います。そのような場合に、自治体担当者と口論するだけでは、何の解決にもなりません。なんとか、自治体担当者の真意を探り、自治体が「やむをえない」と黙認できるような理屈を考えて、あきらめずに説得することが大切だと思います。