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上場企業である光学機器メーカーや製紙会社の不祥事が報道されています。あまりに話が大きいので、別世界のできごとと考えがちですが、自治体の担当者から見ると、「上場企業でもあのようなことが起こるのだから、指定管理者でいつ発生しても不思議でない」というのが率直な感想で、特に民間企業については、これを機会に厳しく指導した方がよいと考えている担当者が数多くいるはずです。
かつて、私も指定管理者のコーポレートガバナンスや内部統制について、モニタリングでチェックした経験があるのですが、正直、自治体が考えている水準にはほど遠いレベルでした。指定管理者のみなさんも今後、自治体からチェックされる可能性があると思うので、一度見直してみたらと思います。
コーポレートガバナンスで重要なことは、「業務規定・マニュアルの整備」、「承認システムの整備」、「分業の実施」、「定期的な人事異動」「外部人材による監査」などたくさんあるのですが、民間企業の指定管理者で、私が一番欠けていると感じるのは「承認システムの整備」です。例えば、業務を外部委託する場合、1人の担当者が業者を選定し、契約金額・内容等を決めて契約書を締結し、支払いを行うというようなことがあってはなりません。
まず、契約を締結する場合は、例えば、20万円未満は施設長、20万円以上100万円以下は本社総務部長、100万円以上は本社社長というように決裁権限を定め、必ず上席者が担当者のチェックを行わなければなりません。ほとんどの民間企業の方は口頭で報告しているとおっしゃるのですが、それは、少なくとも自治体が考えている水準ではなく、きちんと稟議文書を作成し、チェックした証拠を残しておくことが求められています。
また、「契約締結」と「支払い」は別の事務処理です。すなわち、契約を締結していても、外部委託業者が契約どおりの仕事をしたことを確認し、それを上席者がチェックしてはじめて支払いができます。これも、口頭ではなく文書等で残すことが重要で、結論として、小口現金で消耗品を購入するような契約と支払いが同時に行われるものを除けば、物品購入や外部委託などは契約時と支払時の最低2回、稟議文書が必要ということになります。(「最低2回」と書いたのは、大規模な委託業務などで中間払、概算払などを行う場合は、支払いごとに稟議文書が必要という意味です。)
正直、自治体が考えている水準での内部統制システムが確立している民間企業は少ないと思います。当然ですが、コストや手間の問題があるので、なにもかも自治体が求める水準で行う必要はありませんが、できる限り自治体の考える水準に近づけることで、自治体担当者の評価を上げることができますので、検討してみてください。
なお、どのような承認システムを構築すればよいかは自治体担当者に聞けばある程度は教えてくれます。モニタリングで指摘されるよりは、それ以前にたずねる方が心証がよいので、自治体担当者に相談するのもひとつの方法だと思います。
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