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指定管理者制度が導入されている施設で、利用者数が増えているか減っているかが自治体にとって非常に重要であることは何回かこのホームページでもご説明しました。なぜ、大切かというと、利用者数が前年度より減少した場合、自治体担当者は、その理由を説明した資料を作成しなければならないからです。(「指定管理者の努力不足」というような理由は、自治体の監督責任に発展するので、議会対策上認められません。無理矢理にでも、「努力したけれども○○が原因で減少してしまった」という理由を考えなければなりません。)
これが結構大変な作業で、利用者が増えていればこのような作業をしなくてすむため、毎年のように利用者が減少している施設の心証は非常に悪くなってしまいます。また、少し別の見方をすると、利用者が増えていれば、増加率が1%であっても5%であっても、資料を作成しなくてよいというのは同じですから、大きな評価の差はないということになります。むしろ、増加率が高すぎると、次年度の利用者を増やすことが難しくなりますから、指定管理者としては、逆に首を絞める結果になる可能性さえあります。
ところで、話は全く変わるのですが、サクラの開花が早まっています。当社がある徳島市でも、通常は4月の第1週・2週くらいが満開時期なのですが、おそらく、見ごろは今日・明日(3月末)までで、4月に入ると散ってしまうのではないかと思います。
開花時期が早まったことで、サクラがある公園の指定管理者の方は、微妙な影響を受ける可能性があります。つまり、本来、4月(新年度)に入って大幅に増える花見客が3月(旧年度)に増えてしまうという現象です。
24年度の利用者が減っている施設は、これで、減少分が穴埋めできれば、とりあえずはラッキーという話になります。問題は24年度の利用者がすでに前年度を上回ることが確実な場合で、24年度の利用者がこれ以上増えることはあまり意味がありません。それどころか、この増加は「25年度の需要の先食い」ですから、例えば、花見で3月末の利用者が3,000人増えたとすると、4月の第1週は3,000人減少することを覚悟しなければなりません。つまり、24年度で利用者が3,000人増えたことで、25年度の利用者増加のためのハードルが上がり、加えて、25年度の利用者が4月の第1週で3,000人減るのですから、通年で利用者を24年度よりも増やそうとすれば、6,000人分の穴埋めが必要になります。ですから、このような現象が発生している公園の指定管理者の方は、25年度はよほど努力しないと利用者を増やすことが難しいことを職員全員で認識してください。
なお、自治体に提出する年度報告書ですが、花見利用客の増加を差し引いても24年度よりも利用者数が増加しているのであれば、「24年度は約7,000人の利用者増加がありましたが、このうち約3,000人はサクラの開花が早まったことによる花見客の増加です。」というような注釈をつけてください。これを記載しておくと、もし、25年度に利用者数が減った場合でも、減少幅が6,000人までであれば、自治体担当者に納得してもらえるはずです。逆に記載していないと「都合の悪い事実(=指定管理者の努力ではなく、サクラの開花時期で利用者が増えた)は報告書に記載せず、自分に都合のよい事実だけを主張する」という心証を自治体担当者に持たれてしまいます。(2013.3.29)
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