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前回の「指定管理料の増額」で、同様の質問を複数の方からいただいたので、ご紹介します。
1.要望の時期
公募年度に 「次期指定管理期間の指定管理料を増額してください」 と要望するのが基本です。みなさんご存じのとおり、指定管理期間中の指定管理料総額は、議会で議決されています。したがって、指定管理期間中に指定管理料を増額することは、議会の議決をやり直すことになり、自治体の心理的抵抗は相当強いと言わざるを得ません。ハイパーインフレや大規模な災害などが発生しない限りは難しいというのが多くの自治体職員の感覚だと思います。
また、多くの自治体では、募集要項発表の2〜3か月前くらいから (8月に公募があるのであれば5月または6月) 担当課と財政当局で指定管理料上限の協議が始まります。担当課が資料を作成して財政当局と協議に入るので、担当課が資料を作成する前(すなわち、遅くとも、募集要項発表の3か月前) に要望する必要があります。
2.要望の内容
単純に 「職員の給与を上げたい」 という理由で指定管理料の増額が認められることは、まずあり得ないと考えてください。指定管理業務に従事する職員の給与が低いのは他の指定管理者も同じです。この理由で増額すれば、他の指定管理者の指定管理料も増額しなければならないからです。
自治体内の他の指定管理者に波及するような増額を判断できるのは、知事 (市長)、副知事 (副市長)、総務部長くらいまでで、その他の自治体幹部では、判断できない事項 (権限外)なのです。(法令により、有期雇用を無期雇用に転換しなければならないという要望内容も、同様の理由で認められないと考えるべきです。)
したがって、「良好な管理運営を行っている指定管理者が次回も応募できるようにするために増額する」 という理論構成を行い、少なくとも 「良好な管理運営を行っていない指定管理者は増額の対象外」 にしないと、担当部局レベルでは、指定管理料の増額を認めることはできないという事情を知っておいてください。
このため、要望の内容は、「良好な管理運営を行うためには現在の職員に引き続き勤務してもらわなければならないが、給与水準が低いために転職を希望する職員が少なくなく、このままでは引き留めることが難しい」 という趣旨を書面で記載し、さらに、「現在の職員が残れば、○○○○○○○○のような新たなサービス向上策(自主事業や安全水準の向上でもかまいません。)を実施することができる。」 と記載すれば、増額の確率を上げることができます。
3.自治体トップへの要望
もし、知事 (市長)、副知事 (副市長)と直談判できるルートがあるのであれば、直接要望するのもひとつの手です (自治体トップであれば、「現場で働く職員の給与を上げたい」 という理由でも要望できます。)。ただ、この場合、事前に担当部局に要望内容を伝えておいてください。担当部局に無断で要望するのは、著しく心証を害する可能性があります。また、自治体トップは単独の指定管理者の要望では動きにくい面があります。できれば、他の指定管理者にも声をかけ、できるだけ多くの指定管理者で要望することも重要です。 (この場合、公募年度ではない指定管理者が入ってもかまいません。)
4.その他
要望書を作成する際には、事業計画書に記載していないけれども実施した事項、自治体負担の修繕(備品更新) を自治体に変わって実施した実績、利用者数や利用料金が増加傾向であるという実績なども記載し、「良好な管理運営を行っている」 ことをアピールしてください。 (2018.3.8)
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